みどりのゆび

         モーリス・ドリュオン

不思議な力を持った少年、何もかもを植物に変えることができる少年、チト。

その力で少年が住んでいる町を《花の町ミルポワル》に変え、争う二つの国の武

器を植物だらけにして戦争を止めました。

しかし、大好きなムスターシュおじいさんの死を乗り越える事ができません。

「花をいくらさかせても、消すことのできない悪がひとつある、ということをき

みは発見したんだよ。つまり死さ。」

かなりつよいホップのつるがまじっている変種のフジのはしごをのぼり、ちいさ

い星をきみにとってきてあげる、という言葉をのこして少年は白い雲の中に消え

ていきました。

花のイラストがふんだんに描かれている魅力的なこの童話は、世の中の不条理な

事と天使の事が描かれてるように見えますが、もっと深い人間の哀しみや孤独の

事を描いてる詩のような童話。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?