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驚き桃の木山椒の木

「驚き桃の木山椒の木」の続きを知ってる私は、いつもちょっと誇らしげに続きを言ってしまう。

鼻の穴がちょっと膨らんでいるを自覚する、自覚するんだけどどうしても言ってしまう。

「驚き桃の木山椒の木、ブリキに狸に蓄音機」
「き」の音を少し楽し気に言うんです。
リズムを踏むというより、韻を踏むといいたいところですが、
やっぱり寅さんから習ったのでリズムかな。

子どものころから口にしていたので、誰に教わったのかと聞かれても思い出せなかったのですが、「寅さんが言っていた」と聞けば、寅さんからだなと納得する世代です。

寅さん好きなんですか?いいえ、私くらいの世代はみーんな寅さんを観ているんですよ、好きとか嫌いとか関係なく、寅さんを観ているということなんです。

一家に一台のテレビで、家族みんなで観るテレビの主導権は父にあり、私たち子どもにはありません。父より偉いのは祖父なので祖父が好きな番組、相撲の時間は辛かった、という具合にテレビは年功序列なのです。

小さいころ、寅さんはそこにいるのが普通でした。

寅さんが好きになったのは、もうよい大人になってからです。
寅さんは単純です。マドンナを好きになって、妹家族を困らせて、マドンナに捨てられる。でも滅法明るい寅さん。
そんな、水戸黄門的なワンパターンがホッとするんです。

今は、驚いたときに「驚き桃の木山椒の木」とは言わないのでしょうね。
でもね、私は大事にしたいんです。
「びっくりした!」だけじゃつまらないじゃないですか。
「ヤバい」ばかりじゃ悲しいじゃないですか。

寅さんから教えてもらったからというわけではないけれど、
何度でも言っちゃうんです。
「驚き桃の木山椒の木・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・ブリキに狸に蓄音機」

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