「四国高演協だより2016」へ寄稿(2017.3/14)

桜井の「わたしの星」を観てくれた皆さんへ 

 桜井に転勤してきた年に演劇に興味のある子たちを集めて出場した3年前の県大会。審査員の先生から「空間を埋めただけの演技」と評されたが、実に楽しそうで演劇ができる喜びに満ちていた1期生5人。その1期生を追いかけて、同好会になった年に入部してきた2期生4人。彼ら9人で臨んだ同好会として初めての県大会は、第4位。この年は香川で四国大会だったので3位までが四国出場だったのに次点に泣く。泣いて泣いて、閉会式後会場からなかなか帰らずそりゃもう大変だった同好会1年目。  

 四国高校演劇サミットで上演した「トシドンの放課後」を新入生歓迎公演でしたら、それに感動して入部してきた3期生5人。2・3期生9人で臨んだ昨年の県大会は、顧問が上演後にあんなに興奮して楽屋の扉を叩いたのはこれが初めてだったのに(ていうか、それくらいいい上演だったと思ったのに)、これまた次点の第3位。これまた泣いて泣いて、会場からなかなか帰ろうとせず、そりゃもう大変だった同好会2年目。 

 とってもいまいち(本人たちはよかったと言っていたが)だった新入生歓迎公演にも関わらず、過去最多の8人の新入部員(4期生)を迎えた同好会3年目、つまり今年。顧問から何度も「甘い」と言われ続けながらも、ひたすら「先生を全国に連れていきます!」と言って聞かない3期生。何がそんなに楽しいのだろうかと不思議に思うくらい、いつも楽しそうに演技をする4期生。そんなうちの子たち15人が作り上げた桜井の「わたしの星」は、ようやく県を突破し、志望校に合格して部活に復帰してくれた3年生を加えて16人になった桜井の「わたしの星」は、ついに四国大会へ、徳島の地に立つことができたのである。 

 多くの皆さんにうちの子たちの「わたしの星」を観ていただくことができたことが嬉しい。もう一度観たいと言ってくれる人がいることが嬉しい。わざわざうちの子たちの芝居を観るためだけに遠くからやって来てくれる人がいることが嬉しい。たくさんの保護者の方、桜井の生徒たちが会場に足を運んでくれたことが嬉しい。「わたしの星」を観て、桜井に入学して演劇がやりたいと言っている中学生がいることが嬉しい。悔し涙を流してきた1期生、2期生の嬉し涙を見ることができたことが嬉しい。コンクールの場で最高の舞台を見せてくれたことが嬉しい。部員たちが「わたしの星」を愛してくれて、観た人たちに愛される上演ができたことが、本当に嬉しい。 そんな高松桜井高校演劇同好会(部員たちはTSEDと呼んでいる)3・4期生が作り上げた「わたしの星」。

 演劇の神様っているんだなと思うことが、これまでの顧問生活の中で何回かある。部長の大山も書いているが、奇跡のようなことが重なってできあがった、桜井の「わたしの星」。演劇の神様、本当にありがとう。(一部改変)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?