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『茶経』-Wikipediaから見た情報- [例] 「茶経の日本語訳」内、「六之飲(飲茶の方法、意義と歴史の沿革)」

Wikipedia JA(日本版) URL> https://ja.wikipedia.org/wiki/茶経

『茶経』(ちゃきょう、拼音: chájīng、旧字体:茶經)は、中国唐代(8世紀頃)の、陸羽によって著された書物である。当時の茶に関する知識を網羅している。10章3巻。

【概要】
 茶を主題にした最古の書物であり、760年頃に撰述された。ここで取扱っている茶は、団茶であり、現代日本で飲用されている煎茶や抹茶ではない。その内容には、単なる喫茶法を超え、茶道に至る精神性を垣間見ることができる。

【内容】
 茶経は次に挙げる10章で構成されている。
《》上巻
・一之源・・・茶樹についての説明
・二之具・・・製茶器具の列挙・説明
・三之造・・・製茶する際の注意事項
《》中巻
・四之器・・・飲茶器具の列挙・説明
《》下巻
・五之煮・・・茶をたてる際の注意事項
・六之飲・・・茶の飲み方など
・七之事・・・茶の史料の列挙
・八之出・・・茶の産地
・九之略・・・省略してよい器具
・十之図・・・(茶経の本文を書き出したものを茶の席に掛けておくように勧めている)



上記Wikipedia内の〈外部リンク〉
茶経の日本語訳 → URL> http://members.ctknet.ne.jp/verdure/cyakyou/


茶経(ちゃきょう 茶經)は、中国唐代に陸羽(733?~803)が著し、世界最古の茶書とされ、建中元年(780)刊行された唐代と唐代以前の茶に関する知識を系統的にまとめたもので、「さけい」ともいいます。
茶経は、三巻十章よりなり、一之源(茶樹の原産地、特徴、名称、自然条件と茶の品質との関係、茶の効用など)、二之具(茶摘みと製茶道具及び使用方法)、三之造(茶摘みと製茶法、及び品質鑑別の方法)、四之器(茶道具の種類と用途)、五之煮(茶の煎じ方と水質)、六之飲(飲茶の方法、意義と歴史の沿革)、七之事(古代から唐代までの茶事に関する記載)、八之出(全国名茶の産地と優劣)、九之略(一定の条件で、茶摘み道具と飲茶道具で省略することが出来るもの)、十之圖(以上それぞれの図)に分かれ、唐代までの茶の歴史、産地、効果、栽培、採取、製茶、煎茶、飲用についての知識と技術を論じたものです。
〜[上記「茶経の日本語訳」の抜粋。]

上記「茶経の日本語訳」内、「六之飲(飲茶の方法、意義と歴史の沿革)」
URL> http://members.ctknet.ne.jp/verdure/cyakyou/06.html



六之飲
六 茶の飲み方

翼而飛、毛而走、呿而言、此三者俱生于天地間、飲啄以活、飲之時義遠矣哉。
至若救渴、飲之以漿、蠲懮忿、飲之以酒、蕩昏寐、飲之以茶。

翼のあるものは飛び、毛のあるものは走り、口をひらくものは言う。この三者はともに天地の間に生まれ、飲みくいして活きている。飲の時義は遠なるかな。
渇きをとめるには、漿を飲み、憂いと忿りをのぞくには、酒を飲み、眠気をはらいのぞくには、茶を飲む。

茶之為飲、發乎神農氏、聞于魯周公、齊有晏嬰、漢有楊雄、司馬相如、吳有韋曜、晉有劉琨、張載、遠祖納、謝安、左思之徒、皆飲焉。
滂時浸俗、盛于國朝、兩都并荊俞(俞、當作渝。巴渝也)間、以為比屋之飲。

茶が飲料になったのは、神農氏に始まり、魯の周公のときに聞こえるようになり、斉には晏嬰があり、漢には揚雄や司馬相如があり、呉には韋曜、晋には劉琨、張載、遠祖の納、謝安、左思などがあり、皆茶を飲んだ。
時にひろまり俗に浸みわたり、国朝において盛んになった。両都や荊兪(兪は、渝と書くべきで、巴渝のこと。)にかけて、のきなみにこれを飲むようになった。

飲有粗茶、散茶、末茶、餅茶者。乃斫、乃熬、乃煬、乃舂、貯于瓶缶之中、以湯沃焉、謂之痷茶。
或用蔥、姜、棗、桔皮、茱萸、薄荷之等、煮之百沸、或揚令滑、或煮去沫、斯溝渠間棄水耳、而習俗不已。

飲むにも、粗茶、散茶、末茶、餅茶がある。斫り、熬り、煬り、舂いて、瓶缶の中に貯わえ、湯を沃ぎ、これを痷茶という。あるいは、葱、薑、棗、橘の皮、茱萸、薄荷などを用い、これをよく沸して煮る。あるいは揚げて滑らかにしたり、あるいは煮て沫をとり去ったりもするが、それらは溝渠の間に棄て水になるだけなのに、習俗となっていてやまない。

于戲。天育有万物、皆有至妙、人之所工、但獵淺易。
所庇者屋、屋精極、所著者衣、衣精極、所飽者飲食、食与酒皆精極之。

ああ、天が万物を育てるのは、みな妙をきわめたところがある。人の工るところは、ただ浅易を猟る。庇うところのものは家であり、家は精を極めている。著けるところのものは衣であり、衣は精を極めている。飽くところのものは飲食で、食と酒はみな精を極めている。

茶有九難、一曰造、二曰別、三曰器、四曰火、五曰水、六曰炙、七曰末、八曰煮、九曰飲。

茶に九難がある。一に造、二に別、三に器、四に火、五に水、六に炙、七に末、八に煮、九に飲をいう。

陰采夜焙、非造也。
嚼味嗅香、非別也。
膻鼎腥甌、非器也。
膏薪庖炭、非火也。
飛湍壅潦、非水也。
外熟内生、非炙也。
碧粉縹塵、非末也。
操艱攪遽、非煮也。
夏興冬廢、非飲也。

曇りに採り、夜焙るのは、造ではない。
嚼んで味をみたり、香りを嗅ぐのは、鑑別ではない。
あぶらくさい鼎やなまぐさい甌は、器ではない。
膏じみた薪や厨房の炭は、火ではない。
早瀬や、溜り水は、水ではない。
外だけ火がとおり、内が生なのは、炙ではない。
碧の粉や、縹の塵は、末ではない。
操り難んだり、慌ただしく撹きまわすのは、煮ではない。
夏にはじめ、冬にやめるのは、飲ではない。

夫珍鮮馥烈者、其盌數三、次之者、盌數五。
若座客數至五、行三盌、至七、行五盌、若六人以下、不約盌數、但闕一人而已、其雋永補所闕人。

さて珍しく鮮かで香りの高いものは、その碗の数は三、これに次ぐものは、碗の数は五。
もし座の客が五人になれば、三碗をつかい、七人ならば五碗、もし六人以下ならば、碗の数をきめない。ただ一人だけ欠けているときは、その雋永で欠けた人の分を補う。

【参考】
〈元本リンク〉「百川学海」内、「茶経」内、「六之飲」
URL> https://ctext.org/library.pl?if=en&file=81060&page=80&remap=gb
ちなみに、その次のベージ
URL> https://ctext.org/library.pl?if=en&file=81060&page=81&remap=gb

「百川学海」内、「茶経」内、「六之飲」の最初のページ

— 以上 —

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