阿部慎之助2軍監督に期待する2つのコト
阿部慎之助という男
あれほどまでに、東京ドームがアーティストのライブにでも来たかのような空間に包まれたのは、10年間東京ドームに通い続けている私にとっても初めての経験だった。球場全体、4万5000人の「慎之助コール」は鳥肌が立つものだった。球場に来ていたファンにとってはほとんどが人生最後の阿部慎之助の現役選手としての姿。打席に入ると4万5000人の視線は一気に彼に向けられた。引退前最後の甲子園球場の試合では、矢野監督の計らいもあり、藤川との1打席勝負も実現した。味方からも敵からも愛される阿部慎之助。今回は彼について書いていきたいと思う。
現役引退と2軍監督就任
彼が引退を決めたのは、優勝が決まった次の日の試合前の神宮球場。原監督と男と男の熱い話があったのだろう。原監督が求めたのは、余力を残しての引退。ボロボロになるまでやるのではなく、ある程度まだできるという感触を持ったままやめたほうが、その後の指導者としての結果にもいい方向につながっていくというのだ。阿部選手自身も、その言葉を信じて引退を決めたのであろう。そして彼は2軍監督に就任した。すぐに1軍というわけではなく、2軍から経験を積みながら…ということだ。
①2軍監督としての若手育成
2軍監督に就任して早速、秋季練習がスタートした。イメージ通りの厳しさが溢れ出る阿部監督が伺えた。そんな中で、彼は育成1年目の黒田の名を挙げた。坂本選手の1年目よりもいいものを持っているということだった。黒田も含め、巨人の固定できていないポジション(ファースト、セカンド)を、阿部監督にみっちり鍛えられた選手がしっかりとレギュラーをとって欲しい。そして坂本選手のような長くレギュラーを張る選手になってほしい。
②未来の1軍監督
もちろん阿部選手にはいずれかは1軍監督となってもらいたい。原監督の後継者は誰だと言われると、阿部監督が1番に上がるであろう。現役時代から常に捕手として、グラウンドの監督としてプレーしていた経験を生かせば、必ず名監督になってくれるはずだ。毎年年末にやっている中居正広のプロ野球魂(今年はなかった…)というプロ野球選手をドラフトで選んでいく番組では、登場するたびに周りとはちがう視点を持って、選手を選んでいっていた。そういった何か面白く、興味深い采配をしてくれるのではないかという、ファンとしての期待も強くある。必ずいつかは1軍の監督として、東京ドームで「慎之助コール」を浴びながら、胴上げで宙に舞ってもらいたい。
野球を始めた時からテレビには阿部慎之助がいた
自分が野球を始めたのが、2009年の小学校1年生の時。その頃から私は巨人ファン。常にマスクをかぶっていたのは阿部慎之助。引退の記事が出た時は正直言葉が出なかった。2012年の日本シリーズで澤村を引っ叩き、チームに喝を入れる場面も、首にファールチップが直撃して捕手生命に終わりを告げた場面も目にしていた。捕手の辛さ、大変さをこの目で見ていた。だからこそ私は捕手をやる恐怖が強くある。実際中学の時も練習試合で捕手をやってみるかと言われた時も拒んだ。あんなファールチップで苦しむ姿を見させられれば、怖さからやろうと思えなかった笑 しかし、それを巨人という球団でやり抜き、さらに2000安打まで達成した阿部選手は本当にすごい。さあ、次は監督して。どんな結果をもたらしてくれるか、とても楽しみだ。