Paint It Black ロンドンのシティボーイたちが目指した遥かな世界
1950年代。エルヴィス・プレスリーがそれまでの常識をひっくり返しました。黒人は差別されて虐げられる存在だったのが「あいつらはカッコいいぞ」とプレスリーはアメリカの白人でありながら立場を逆転させたのです。
黒人を手本にせよ。
このElvis Presleyの大改革はラジオ放送によって一気に世界へと広がりました。すると「僕たちもプレスリーのようになる!」と意気込んだ若者たちが続々と登場。これがビートルズやローリングストーンズだったのです。
しかし。
ビートルズはデビュー作と2枚目のアルバムだけで黒人音楽どっぷりというのからはサッと離れました。ビートルズはその後フォークソングやカリプソなど多彩な音楽性に広がりを求めて行くことになります。
このビートルズと全く違う態度でその後進んでいったのがローリングストーンズでした。彼らはなんということでしょう。黒く、黒く、もっと黒く。どんどん黒人サウンドへとそのサウンドを深めていきます。
私は1969年の「LET IT BLEED」というアルバムが大好きです。どのくらい好きかと言うとストーンズはこの一枚あればいい(本当はダメですが)というぐらい大好きで。今でもよく聞きます。
3曲目の。
COUNTRY HONKという曲を聴くと今でもつい笑ってしまいます。そこに広がる世界はまさにアメリカ南部のミシシッピー。
ロンドン出身のシティーボーイの5人組彼らはとうとう黒人になってしまった。そう思わざるを得ないサウンドです。これをイギリスの、大都会ロンドンの白人がやってるなんて…ウソだろと思います。
私が持ってるのは1990年代にCDで発売されたものですので解説ライナーノーツも古いのですが、そのライナーノーツはブルーハーツの甲本ヒロトが書いています。
甲本ヒロトはここでとにかく6曲目のMIDNIGHT RAMBLERについて書いています。その曲を聞くと自分は中学1年生に戻ってしまうと。
話は違いますが、
私はチャールズ・ダーウィンの進化論という考え方が大嫌いです。猿が進化して人間になったと。じゃぁ教えて欲しい、一体どこで言語が生まれたのか。絶対に説明できない。
種は進化して、最終的に。
白人になった、と。
この考え方が帝国支配、人種差別を正当化しました。その功罪はヘーゲルまで遡ります。難しいことは置いといて。
ダーウィンの進化論が正しいと言うのなら。
どうしてロンドンの白人5人組は。
こんなに黒人になろうとしたのか。
絶対、それも説明できない。
まあ。
そんなややこしいことは。
どうでも良くて。
ストーンズは。
カッコいい。
彼らは不良で。
ルーズで。
飲んだくれで。
でもその音楽が指し示したものはとてつもなく大きい。
その偉業に。昔も今も。
私はずっと感謝しています。
亡くなったチャーリー・ワッツに。
最大限の感謝と敬意を。
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