占星術の習得を志す皆さんへ 読んでもらいたい一冊 講義部屋に書いたある本の話

占星術の習得を志す皆さんへ

読んでもらいたい一冊

サミュエル・スマイルズ「自助論」

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日本で明治時代に最も売れた本は、福沢諭吉の「学問のすすめ」でした。当時、字が読める知識人はほとんど全員呼んだと言われます。有名です。

では、明治時代に、2番目に売れた本は何か?
これはなかなか知ってる人はいません。
それは中村正直の「西国立志編」です。
そしてそれは、サミュエル・スマイルズの「自助論」の日本語解説版でした。

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スマイルズの「自助論」を読んでみてください。
あの栄華を誇った産業革命当時の19世紀のイギリス。
その当時に庶民がどんな暮らしをしていたか。
庶民の暮らしが羅列してあります。
しかし、その内容に驚かざるを得ません。

あの世界を変えたイギリスの産業革命。蒸気機関の開発から様々な隆盛がありました。そしてそれはたまたまそういうことが起こったのではないのだと言うことがわかるはずです。名もない、家柄もない、一般庶民たちが毎日毎日、自分の興味ある研究テーマを掲げてそれに夢中になり邁進する。その姿をスマイルズはここに書き残しました。

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しかし、その栄華を誇った大英帝国のイギリスは、第二次世界大戦の後に信じられないほどの没落をします。第二次世界大戦には勝ったのです。敗戦国ではない。イギリスは勝者だった。そのイギリスが失業者に溢れて。ロンドンの街はゴミだらけ。死体が転がっても誰も片付けない。無責任の街、ゴミの街。イギリスは落ちぶれました。

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どうしてこんなことになったのでしょうか?
戦後のイギリスは社会主義政策を取ったのです。
「ゆりかごから墓場まで」のフレーズ。
あなたの人生は国家が面倒を見てあげますよ。
こういう国になったのです。
するとどうなったか。別に働かなくても、国が面倒見てくれるんでしょ。困ったら助けてくれるんでしょ。この怠惰のオーラが蔓延したのです。イギリスは隣国のスペインをいつも見下していたそうです。産業がなくて貧しいスペイン、牛を追ってるスペインとバカにしてた。しかしイギリスはそのスペインよりも貧しくなりました。

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もうどうにもならなくなって、何がどうしていいやらわからなくなったイギリスに。一人の人物が現れます。その人は、手元にバイブル(本)をいくつか持っていました。その本が、その人物の信念でした。

「みんな甘えるのはやめなさい。自分の足で立つのです。国はあなたたちにもう何もしません。自分の未来は自分で切り開くしかないのです。」

その人物の名はマーガレット・サッチャー。

ゆりかごから墓場までの手厚い加護をサッチャーは廃止しました。
鬼だ、血も涙もないやつだ、サッチャーは批判に次ぐ批判を受けました。
しかし、マーガレット・サッチャーは、個人の一人一人の持つ力を信じていました。サッチャーの手元にはかつて栄華を誇ったイギリスを支えた庶民たちの姿、スマイルズの「自助論」があったのです。

サッチャーの登場からたった10年。

ロンドンの街はゴミ一つ落ちてない。
金融ビッグバンの大改革。
ロンドンはヨーロッパ金融の中心へと1990年に咲帰ることになりました。

マーガレット・サッチャーの登場とは、スマイルズの復活だったのです。

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スマイルズの「自助論」を読んでみてください。
そこには偉大な有名人など、一人も出てきません。
出てくるのは日々の日常の中で、研究に没頭し、工夫を凝らして、自分の行く道を切り開こうとする名もなき無名の人たち。そこにスポットを当ててくれたスマイルズの慧眼、そして、それを揺るぎなき信念として復活させたサッチャー女史。この二人にボクは尊敬の念を隠すことができません。そして、自分も同じようにあろうと今日までやってきました。難しい投資チャートの研究、哲学のこと、占星術のこと。でも、それは個人の日々の努力で掘り下げていくものなのだ、誰かがあつらえて与えてくれるものではないというこのを私はスマイルズから学びました。いつも人にあげるのでスマイルズの「自助論」は私の手元にはありませんが、ぜひ皆さんに手に取っていただきたいと思います。スマイズの描いた名もなき無名の人の努力の姿。それをまた皆さんの手本にしてもらいたいと思います。

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占星術を覚えるのは簡単ではありません。
でも、その扉をこじ開けるのは、私じゃない。
皆さんそれぞれの力なのです。

これは先日、占星術をレクチャーするDiscord部屋に書かせていただいた文章です。
こちらノートにも掲載させていただきました。

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