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どうしてアナログレコードが復活するのか。ネット社会がもたらす逆進性

最近アナログレコードの人気が復活して、いよいよメーカーも本腰を入れてレコードの生産にかかるようになったのだとか。一体どうしてそんなことが起こるのか。この動きがあと15年早く起こってくれたら私も音楽の仕事を失うことなく業界から放り出されなくてよかったのですが。

インターネット社会になり、通信が便利になりあらゆる交換が速くなった。すると予想した逆のことが起こり始めました。

野外キャンプ、釣り、農業、山歩き、建築DIYなど便利社会に移行していく時に現代人が「不便だ」「面倒くさい」と捨ててきたものが人気を博してきたのです。instagramやTwitterで目に見えて起こった社会の逆進性でした。古民家などもそれに入るでしょう。

アメリカの経済学者アルヴィン・トフラーはインターネット社会の到来を早くから予言し、ネットによってどう物事や社会が変化していくかを予想しましたが、トフラーは第一次の産業や生き方が復活するだろうと書いていました。若い人が原始的なライフスタイルを選んでいくのを見て「トフラーの言ってたことはこれか?!」と思いました。看板のない山の中のうどん屋ほど行列が出来たりリュックサック一つで旅する人の方が政治家よりも発信力を持つということが起こったのです。

最近、アナログレコードが復活しているらしい。最初それを聞いたとき不思議に思いましたが、これも不便なプロセスをあえて踏んで行くという逆進的な動きの一つだろうと思うようになりました。

不便でめんどくさいレコードでの音楽鑑賞。

しかしその不便の裏側には目に見えない豊かさが本当にたくさんあるものです。

私は歴史、哲学、民族、文学、秘術といった様々なことを音楽を通じて学んできました。

インターネット社会になり配信やダウンロードで音楽が聞けて便利になった事はとても良いことだと思いましたが、音楽の持つ背後の大きな文化性そういったものは一気に見えにくくなり、それについては残念に思っていました。

おそらくアナログレコードで音楽を聞こうとしている若い人たちは、きっと音楽だけでないその他のいろんなことをそのプロセスの中から知ったり感じたりしていくんだろうなと思います。

あえて不便な道をゆく。

プロセスを踏むというのは悪くないことだと思います。

この写真は私が21歳の時、学生時代の時の部屋の写真です。勉強してなかったのは一目瞭然。

#koko書房

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