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連載・奇書解読 現代魔術の源流「黄金の夜明け団」入門 を読む 第3章編

19世紀に結成された秘密結社、黄金の夜明け団。フリーメーソンのルーツ。

謎に包まれたその活動経歴を明らかにする著作、現代魔術の源流「黄金の夜明け団」入門。

その内容を紹介していく連載です。
今回が第3章の紹介となります。

第3章のタイトルは「魔術:その正体と仕組み」。

いよいよ本題に入ってきた感があります。

まず冒頭では、黄金の夜明け団は西洋秘教ヘルメス団体であるけれども、魔術系と神秘系に分かれているという説明がなされています。積極的に動作を行なって具体的な儀式や成果を作ろうとしていく魔術派に対して、神秘派は冥想を行なって直感や信仰を深めていく静的なグループであるとしています。そして、あくまで黄金の夜明け団は魔術派であるとして、その具体的なアクションがいかなるものかを解説していくという流れになっています。

ここでアレイスター・クロウリーが魔術について簡潔に定義していたことが紹介されており、

「魔術とは意志に従って変化を起こす学にして術である」

と、クロウリー言葉が引用されています。

そしてここから実際的な西洋魔術の起源・歴史が掘り下げて紹介されていき、ゾロアスター教、シュメール文化など我々が学校の世界史で習ったようなメソポタミアの文化圏では占星術から霊的な実践活動が行われていたことがよくわかります。さらにそれが中世に受け継がれていった流れが説明されていくのですが、その後にはいよいよ魔術の具体例が示されていきます。

アストラルライトの法則。
高等魔術のテウルギア。
霊的存在との作業。
黄金の魔術応用法則。

このような文献にはなかなか出会えないものです。

科学的でないと非難され、宗教的には異教とみなされる。

本当の儀式がどのように行われていたかはイスラエル・リガルデイーの専門著作にかなり詳しく書かれていますが、この本ではそこまで細かい模様は書かれておらず、あくまでガイドライン的な解説がなされています。

しかしそれでも西洋ヨーロッパの秘中の秘とされてきた部分。

そこはガイドライン的と言っても、目を通すとかなり興味深い記述となっていますので、この辺りの秘密結社、フリーメーソンの歴史に関心のある方はぜひ目を通して見ると良いと思います。

次は、第4章の紹介に移りたいと思います。



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