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フッサールの「現象学」 哲学史をひっくり返した20世紀の現代思想の流れについて(2021年5月22日開催)

皆さん今日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。本の解説というか、ワークショップを今まで何回か行ってきたのですが、いよいよ哲学の解説に入らせていただきたいと思います。哲学と言うと古代ギリシャから始まって、学校の教科書でも習ったと思うんですが、イギリスの経験論とか、ドイツの観念論とかなんかよくわからないのがいろいろあって。実際にそれを読もうとしても、一体どれから読んだらいいかわからないし、読んでもよくわからないし。(笑) 踏み込もうとして後ずさりしてそれで終わりみたいなのが実際ではないかと思います。私も最初そうでした。哲学って面白そうだけど一体何から読んでいいかわからない。読んでも当然すぐには理解できない。この繰り返しでした。そのよく理解できないよくわからない理由の1つが、哲学と言うジャンルを順番に最初から紐解こうとするからわからないのではないか。これは私の仮説なんですが。どういうことかといいますと、20世紀に入ってから、哲学界・思想界は全く新しい流れを生み出します。それまでの1000年以上の積み重ねたものは全て捨て去って新しい流れを生んだ。そのぐらい言っても過言ではないぐらいガラッと変わりました。そして。その20世紀に入ってから新しい流れを作った新世代の哲学の人たちは、いわば古い哲学に対して疑問を持ってたし、反対意見を持っていました。じゃぁその反対意見の方から耳を傾けてみようというのが今回の試みです。つまり古い哲学をディスってるわけですが、そのディスの内容を眺めてみたら古い哲学がどういうものかが大雑把にわかるのではないかと思うのです。それと同時に20世紀に入った哲学がどのような思考回路でどのようなことを考えてどのような影響力を持ったか。そこまで眺めれたらいいなと思います。

私がその20世紀のスタート地点としたいのがエドムンド・フッサールという人物の哲学です。いわゆるフッサールの現象学と呼ばれる考え方なのですが、これが一体どういう考え方なのかを今日は結構ややこしいこと言うと思うんですけど、解説してみたいと思います。このフッサールの分岐点が理解できればかなり大まかに思想界全体を眺めることができるのではないかと思ってます。

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