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ピアノとエレキギターと魔術の話

ピアノは鍵盤楽器ですが、しかし、あれはよくよく考えると弦を使用した弦楽器を改良変形させたものです。弦を叩いてあの音を出しているわけですが、どうしてああいう構造になったかというと中世ヨーロッパの権力者が弦楽器を好まなかったのが一つの大きな理由だと言われています。弦楽器といえばギターやウードですが、あれを引くと、ジャ〜ンみたいな感じで空間が揺れるような余韻が生まれます。ディストーションと呼ばれる音ですが、実はあれには幻覚作用というか快感を覚えるような要素があって、いわばアルコールとかドラッグ体験に近いようなものがあると言われます。庶民がそういう快感を覚えないために弦楽器の一つの規制手段としてピアノが生まれたといわれます。

アルコール、ドラッグ、瞑想などが幻覚作用や非日常的な快感を覚えさせるものであることは知られていますが、この三つをすべて網羅した大変危険な音楽がロックミュージックでした。ギターは電気を通したエレキギターとなりせっかくディストーション・響きの余韻を消したはずのピアノも電気が通ることでシンセサイザーとなってロックミュージシャンたちは空間が歪んで響き渡るこれらの楽器を大変に好みました。悪魔召喚を行なっていた魔術師アレイスター・クロウリーをジミー・ペイジ(LED ZEPPELIN)が崇拝していたとか、神秘家グルジエフをロバート・フリップ(KING CRIMSON)が崇拝していたというのは寓話ではなく本当のことであり、神秘・魔術的な実践とエレキギター、シンセサイザーを使用した曲演奏というのは大変に相関性が高かったのです。ロックが不良の音楽だとかエレキギターを持ったら不良になると言われた時代がありましたがそれは偏見や決めつけではなく、まさしくその通りというしかありません。

私は高校生の時からのめり込むようにロックミュージックを聴いてましたが、その後に魔術や神秘主義にとても詳しくなったというのは偶然ではなく必然でした。アメリカに今でもデッドヘッズと呼ばれる人たちがいて彼らは仕事をせずに瞑想やヒッピー的なキャンプをしながらギターを弾いてドラッグをやっていたりしますがそういうのも、もともと弦楽器が禁止されてピアノになったという歴史と繋がっている出来事だと思います。ギター音のもたらす快感とは大変に危険なものでもあるのです。アップルコンピューターを創設したスティーヴ・ジョブスがもともとはヒッピーでロックミュージックが大好きだったと言われますがその瞑想や幻覚体験といったものがアップルコンピューターの独自のデザイン性やアイデアに繋がったとも言われます。なかなかフツーの人が到達できない世界があって、そこに感覚的に実在的に入り込んでいくこと高度な人間の進化。魔術や神秘思想で目指されたところに到達したのがジョブスだったのかもしれないというのは私の推測です。

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