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『ローザ』は演劇。

冬至、一番夜が長い日です。

演劇のお兄さんお姉さん達たる時間堂の最終公演『ローザ』の制作助手としてお手伝いをさせて頂いています。→http://jikando.com/nextstage.html

制作助手としてチラシを折り込んだりしつつ、劇団員の皆さんに長いインタビューをさせて頂いたりもしました。→http://jikando.com/nextstage/613-longinterview.html

させてもらった人間が言うのもなんですが、生まれて初めてのインタビュー(する側として)が時間堂の解散公演という、なかなか貴重かつ稀有、そして因果な体験でした。

劇団員の方々のいろんなお話を聞きながら時間堂という劇団に関わる/関わってきたすべての人を見つめるような感じというか、「演劇は人がやるものだ」ということを強く思いました。

インタビューに載ってる皆さんが全員会場の十色庵にいるというのも、考えてみればすこし不思議な感じがします。全員本物です。

昨日の公演初日にちゃっかり本番を観る機会を得られたので、ごく短く感想を書きつけておきます。

奇しくも堂主の黒澤世莉さんが20代の頃に「演劇っていうのはこんなに何もない中でもすごくおもしろく出来るんだっていうことを教えてくれた」という五反田団の前田司郎さんが、こないだテレビで「演劇は元々は死を演じる儀式だった」みたいな話をしてました。(前田さんは『生きてるものはいないのか』という、登場人物が全員死んでしまう作品を書いたりしています。)

すっごくざっくり言うならば死は結局誰もが想像するしかないものなので、その「死」について考えるために人が集まって考えるという時間、あるいはその営みこそが演劇なのだ、みたいなことかと思います。

あるいは。

「舞台上にないもの、いない人のことを想像させられるのが演劇の力だ。」みたいな物言いもあったりします。

『ローザ』というのはまさにそんな作品です。そのものずばりの「ストロング演劇」みたいな趣があります。

ロングインタビューの時にも劇団員の菅野さんはこの作品を一言で「劇」と仰ってましたし、大森プロデューサーは「おもしろい本と俳優。以上。」と仰っていました。

今この日本で、100年も前の、違う国に生きた、しかもおよそ今の私たちとは異なる思想を持ち、革命を夢見た一人の女性を思うこと。

ってもうすごい演劇的です。っていう意味でこの『ローザ』は「分かりやすくて面白い演劇」なのだと思います。

しかも「演劇大好き時間堂」なので、その演劇の魅力を伝えられるように、届けられるように明日からもどんどん変えていくんだみたいな話もチラッと聞きました。

題材は硬派ですが、チラシ束の中には「よくわかる紙」という黒澤世莉さんお手製の素敵なペラいちも入っていますので、そんなに心配ありません。

一人でも多くの人がこの『ローザ』という演劇に出会ってくれたらいいなと、制作助手としてもわくわくしています、12月22日。



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