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絵空事 -前日譚-

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自創作『絵空事 -十六夜月と銀の翅-』シリーズの【-irreal-】の前日譚にあたる物語たちです。【蒼ノ章】【白ノ章】【紅ノ章】【玄ノ章】【黄ノ章】に分かれております。
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#蒼ノ章

絵空事 -remota- 第1話「実らぬ穂」

とある一族に伝わりし伝承 されど偽りか真かは、当事者にしか判らぬ噺 *** どこか深い山…

絵空事 -remota- 第2話「銀と狐」

「…雨宿りかい。それは、大変だったろうねぇ。山の中で、こんな雨に降られては。…それも、君…

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絵空事 -remota- 第4話「銀の穢れ」

銀翅は、式神を用いて山に家を造らせ、そこを住む処としました。村に本来の家がありましたが、…

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絵空事 -remota- 第5話「翅の傷み」

それからも銀翅は式神を用いて、或いは自身がその地に赴いて、村人の助けとなるように力を尽く…

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絵空事 -remota- 第6話「泡沫」

『不治の病』の悪化もあって、ほとんど山に籠りきりになってしまった銀翅に、 或いは『不治の…

絵空事 -remota- 第7話「金の月」

声のする方を見れば、幽かな姿ではありましたが、確かに銀翅の姿が見えました。 「君の怒りは…

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絵空事 -remota- 第8話「銀の月」

「――ほぅか。…あんたら、うちに楯突いたらどうなるか、解ってるんやろうな…?」 『黙れ、化け物が!』 「…こら、あかんわ。聞く耳なしや。」 暗がりで、まるで誰かが傍にいるかのように、狐は語りかけます。 「…。…せやな。もうええやろ。――ほな、またな。」 何だ…? と訝る村人たちの前に現れたのは、それはそれは巨大な狐でした。 『…!!!』 洞穴にいた人々は、うわあ、と叫ぶ間すらも無く、狐に食い尽くされてしまいました。 狐は、村の人々全てに自らの眷属を差し向けました。 残

絵空事 -remota- 第9話「風車」

十六夜は、赤子を山に連れ帰り、木の実を砕いたものなどを与えて育てました。 時折、僅かに残…

絵空事 -remota- 第10話「宵の月」

遙が家に帰り着いたのは、ちょうど夕暮れ時のことでした。 「…おかえり。随分遅かったなぁ。…

絵空事 -remota- 第11話「風車と翅」

一夜明け、昼を少し過ぎた頃に、遙はまたしても、銀翅のもとへ向かいました。 「やあ、また来…

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絵空事 -remota- 第12話「風車と月」

「ああ、遙。おかえり。…あんた、また泥だらけになって…。」 「おけがはしてないから、だい…

絵空事 -remota- 第13話「星空」

十六夜は、ひとり歩いて其処へ向かいます。 着くと、少し躊躇うような素振りを見せましたが、…

絵空事 -remota- 第14話「星と月」

「あぁ、そうそう。」 銀翅は、ふと思い出したように言いました。 「あの娘を、よい子に育てて…

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絵空事 -remota- 第15話「廻る風車」

からからと笑う銀翅に、十六夜は腹立たしげな面持ちで尋ねました。 「…で、代わりのもんって何や。」 「ふむ。ではこれと、これを。」 銀翅は、応、として懐から札を2枚取り出しました。 「…何やこれ。」 「これは…」 「おとうさん、おかあさん」 唐突に聞こえた遙の声に、銀翅も十六夜も、はたと動きを止めました。 「まにあった。よかった…」 「あんた、こんなとこで何してんの。ちゃんと家におらな危ないやろう」 「ここには何回もきたからだいじょうぶ。」 遙は、十六夜に向かってそう