絵空事 -remota- 第8話「銀の月」
「――ほぅか。…あんたら、うちに楯突いたらどうなるか、解ってるんやろうな…?」
『黙れ、化け物が!』
「…こら、あかんわ。聞く耳なしや。」
暗がりで、まるで誰かが傍にいるかのように、狐は語りかけます。
「…。…せやな。もうええやろ。――ほな、またな。」
何だ…? と訝る村人たちの前に現れたのは、それはそれは巨大な狐でした。
『…!!!』
洞穴にいた人々は、うわあ、と叫ぶ間すらも無く、狐に食い尽くされてしまいました。
狐は、村の人々全てに自らの眷属を差し向けました。
残