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【オリジナル】赤単我我我ブランド

はじめましての方ははじめまして。
1ro(いちろー)(@1roTK)と申します。
大阪・兵庫を中心に活動している社会人DMPで、
主な戦績はcs優勝8回、GP1st64位等です。(執筆時)

この度、三宮csで準優勝することができました。
当日、相手が「赤単我我我ブランド」のミラーマッチが3回発生したのですが、
人それぞれ構築に差があり、考え方も違うと実感したので、
自分の考えを整理するために記事を書きました。(緊急事態宣言で当分CSに出れないので…)

「赤単我我我ブランド」は既に認知されているアーキタイプであり、自分自身も今頃有料記事を買いたいかと言われると怪しいので無料部分多めです。(一応他のデッキを使うときも役に立つことを意識しました。)

デッキリスト(2021/07/31 三宮cs)

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4 x 《凶戦士ブレイズ・クロー》
4 x 《グレイト ”S-駆”》
3 x 《ブンブン・チュリス》
4 x 《一番隊 チュチュリス》
4 x 《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》
4 x 《こたつむり》
4 x 《霊峰 メテオザ-1》
4 x 《カンゴク入道》
1 x 《”轟轟轟”ブランド》
4 x 《”罰怒”ブランド》
4 x 《我我我ガイアール・ブランド》

三宮csでは「赤単」ミラーを3回行い、全て後攻で3回とも勝ちましたが、決勝で「赤単」に強く出られる特殊な「ラッカ鬼羅star」に負けました。
(ちなみに10戦で《”轟轟轟”ブランド》を1度も引いていません。)

2コストが20枚と偏ったマナカーブのデッキリストですが、私はこのデッキをアグロもできる中速メタビートと捉えているため、カードパワーが低い1コストよりも、ゲームに関与できる2コストを優先して採用しています。
1コストと2コストの枚数については、環境に応じて3キルの重要度が変わるため、日々調整していく必要があります。

また、このリストでは《一番隊 チュチュリス》が1コストの役割を果たしてくれるため、普通に3キルもできます。
《龍装者 バルチュリス》を採用していないため、1ターン目をパスすると3キルの確率はかなり落ちますが、状況に応じて4キル5キルを狙う構築のため、そこまで懸念していません。

なぜ「赤単我我我ブランド」なのか

オリジナル環境には「シータ閃」や「ラッカ鬼羅star」といった、
早いゲーム展開ができる平均カードパワーの高いビートデッキが存在しています。
ではなぜ「赤単我我我ブランド」を選んだか、理由を挙げてみました。

1. メタカードに引っかかりにくい
2. 3ターンキルという上ブレが現実的な確率で狙える
3. 単色デッキの再現性の高さ

理由1. メタカードに引っかかりにくい

オリジナル環境では現在、以下のようなメタカードが使われています。(デッキ分布によりますが、左から採用率が高い順に並べてみました。)

スクリーンショット (33)

ぶっちぎりで採用率の高い《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》の影響を受けないのが「シータ閃」や「ラッカ鬼羅star」には無い強みになります。
また《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》の影響を受ける点から、《龍装者 バルチュリス》は採用していません。手札を全て使いきるこのデッキにおいて、腐る可能性が高いことは致命的です。

上記で「赤単我我我ブランド」に効くメタカードは《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》と《その子供、可憐につき》ですが、この2種は現在「ラッカ鬼羅star」にしか採用されていません。(「赤白ドギラゴン閃」は立ち位置が悪く環境から消えました。)
また、《その子供、可憐につき》の効果は《我我我ガイアール・ブランド》と《”轟轟轟”ブランド》にしか効かず、
《”罰怒”ブランド》や《グレイト ”S-駆”》は場に出てからSAを付与するためタップされません。

《グレイト ”S-駆”》の裁定
https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/39939/

《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》がフィニッシャーを止めてくる鬼門ではありますが、後述する《霊峰 メテオザ-1》や、我我我ガイアール・ブランド》をミクセル効果で自爆させてSAを付与するプレイ等を駆使すれば、出されてもゲームを行うことができます。

理由2. 現実的な確率の上ブレ3ターンキル

「赤白ドギラゴン閃」が環境から消えた今、オリジナル環境で3ターンキルを実現できるのは「赤単」以外だと「シータドギラゴン閃」のみです。
しかし、色配分等の構築的に3ターン目に6打点形成できる確率は低く、1体でWブレイクやTブレイクを狙うため、トリガー1枚で止まりやすいです。
Tブレイクから入ることが多いため、流行りの《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》のケアができません。
その点「赤単我我我ブランド」は1コスト→2コスト→1コスト+《我我我ガイアール・ブランド》等で6打点以上が揃う上、打点が横に分散するためトリガー1枚では中々止まりません。
《凶戦士ブレイズ・クロー》等でリーサルターンより前に盾を割れるのも環境的に強く、踏むなら序盤に踏みたい《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》や、墓地にクリーチャーを落とす必要のある《灰燼と天門の儀式》や《襲来、鬼札王国!》の効果を無効化・軽減できます。

スクリーンショット (35)

以上から、相手に応じて現実的な確率で3ターンキルを狙えることが、このデッキの強みになります。
ちなみに《”轟轟轟”ブランド》は4~5試合に1回と、思いのほか高い確率で引けるので、使われる側は覚悟の準備をしておいてください。

理由3. 単色デッキの再現性の高さ

十王編からの2色多色プッシュ、王来編の3色多色プッシュにより、「5c」(c : coler  :「色」)が台頭し「4c」のデッキも増えていますが、これらのデッキは何回もプレイすると、どこかで色事故に遭遇します。
「3c」ですら、マナの管理が難しく、特定のカードをプレイするために、強いカードをマナに埋めて色を捻出することが多いです。この場合動けているように見えますが、強いカードをプレイする機会を逃しており、勝率の低下に繋がります。
その点で単色デッキはマナの管理を気にする必要がないため、強いカードを使いたいときにプレイできます。
「赤単」の場合は1コスト+1コストや2コスト+1コストなど、マナを使い切ることができるため、テンポを逃しにくいのも強みになります。


長くなりましたが以上が「赤単我我我ブランド」を使う理由になります。(まだ他にもあるため、気が向けば追記します。)

採用カード解説

《凶戦士ブレイズ・クロー》をはじめ、知ってるカードが多いと思いますので、比較的採用率の低いカードに絞って解説します。

《カンゴク入道》
(「DMEX 16 技の章 英雄戦略パーフェクト20」に収録)

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毎ターン《福腹人形コダマンマ》の効果を発動し、リソースを保って後続に繋ぐ役割を持ちます。
おまけ程度ですが、鬼タイムでパワーが5000になるため、《メッチャ映えタタキ》等がケアできるようになります。
比較対象として《斬斬人形コダマンマ》や《花美師ハナコ》がすぐ思い浮かぶと思いますが、私は《伝説演者 カメヲロォル》と比較しました。
先に攻めるデッキであるため、盾を減らすデメリットは気にする必要が無く、自分だけ一方的にドローできる《伝説演者 カメヲロォル》と考えると強そうに見えませんか・・・?

スクリーンショット (31)

特に先攻2ターン目に出したいカードで、出せた場合は《斬斬人形コダマンマ》よりも圧倒的に強いです。
《斬斬人形コダマンマ》と違う点は、3ターン目の終了時に手札を1枚多くすることができる点ですが、この1枚が仮にバニラだとしても、「赤単我我我ブランド」にとっては4ターン目を向かえる上で、とても重要な1枚になります。

「赤単我我我ブランド」に限らず、近年の「赤単」は3キルの代名詞のように扱われていますが、このデッキは4ターン目を迎えると一段階出力が上がります。

4マナでできること
 ・《こたつむり》がWブレイカーを得る
 ・1コスト+《”罰怒”ブランド》
 ・1コスト+2コスト+《”罰怒”ブランド》
 ・2コスト+《我我我ガイアール・ブランド》

しかし、4ターン目に攻めるためには手札が足りないため、どこかで弱い動きをしないといけません。
3ターン目にリソースを吐き切ると、止まった時に後続が用意できず、巻き返されてしまうのは「赤単」の弱点でした。
(例えば「赤白ドギラゴン閃」の場合、革命チェンジ元が手札に返るため、後続が簡単に用意できる)

その弱点を克服してくれたのがこのカードで、3ターン目に走って4ターン目の後続を抱えたり、打点を貯めて過剰打点で4,5ターン目に突撃するといったプレイができるようになりました。

<例>先攻3ターン目終了時:《斬斬人形コダマンマ》の場合

スクリーンショット (42)

手札が1枚しか残らないので、次のターン《”罰怒”ブランド》がプレイできません。

<例>先攻3ターン目終了時:《カンゴク入道》の場合

スクリーンショット (41)

《斬斬人形コダマンマ》よりも手札が1枚多くなったため、
次のターンは1コスト+1コスト+《”罰怒”ブランド》(1コスト)か
4マナ目をチャージして1コスト+《”罰怒”ブランド》(3コスト)とプレイできるようになりました。

このように《カンゴク入道》は《斬斬人形コダマンマ》よりも明確な強みがあり、今後「赤単」を支えていく1枚になると思っています。

《霊峰 メテオザ-1》

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前述したとおり、《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》を始めとした小型クリーチャーを焼くために採用しています。

「赤単」ミラーでも活躍するカードで、主に《こたつむり》を狙ってプレイします。「赤単」ミラーでは《こたつむり》の有無で勝敗が決まることが多く、このカードを採用することで数的有利を取ることができます。

また、自分の他のクリーチャーを殴り返しから守る役割も持っており、例えば《凶戦士ブレイズ・クロー》を殴り返せる相手クリーチャーを破壊できた場合、もう1回多く殴れるようになるため実質+1打点になります。
《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》が蔓延る環境であり、パワー2000以下のクリーチャーが多い内は力を発揮できるカードです。

アグロとメタカード

そもそも何故「赤単」を始めとするアグロ・ビートデッキが3キルを目指すかというと、相手がビックアクションを起こす前に勝ち切るためです。
相手のビックアクションが後攻4ターン目か先攻5ターン目なら4キルでも問題ありません。

今のオリジナル環境には、
《“龍装”チュリス》+《蒼き守護神 ドギラゴン閃》や
《エヴォ・ルピア》+《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》といった、
4ターン目以前にビッグアクションを起こせるデッキがいますが、
「赤単我我我ブランド」には最強のメタカード2種が採用されています。

スクリーンショット (29)

これらのメタカードにより相手に処理を強要することで時間を稼ぎ、4ターン目5ターン目にゲームもつれ込ませて、その間にこちらの出力を上げることができます。

《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》は採用率が極めて高いカードであり、特筆することもないのですが、《こたつむり》については語らせてください。
このカード、なぜ今まで注目されていなかったのか不思議なくらいのパワーカードで、「赤単」以外にも十分採用されうるスペックなのですが、「赤単」で使用する場合は実質「マナ武装:4」でWブレイカーを得ます。

以前記事を書いたアナカラーハンデスではハンデス、コントロールを間に合わせるためにメタカードを採用していましたが、
「赤単」等のアグロ・ビートデッキでは、メタカードで稼いだ時間を使って殴ることで勝ちを目指します。

【オリジナル】アナカラーハンデス(Disジルコントロール)

メタカードがWブレイカーを持っているのは想像以上に強く、自身で稼いだ時間で打点を作れる自己完結が魅力のカードです。
このデッキで1番強いカードといっても過言ではありません。

後書き

無料部分は以上です。

基本無料で投げ銭がくればいいな程度の気持ちで、ここまで書きたいことを色々書きました。
有料部分では環境に応じたデッキの調整案、実際に遭遇した盤面に対するマナ置き・プレイ・小技等の実践的な解説を行っていきたいと思います。

カードゲームではよく「アグロ=簡単」と思われがちですが、
DMのアグロはシールドトリガーやタップすると殴り返しを受けるという特性から、決して簡単ではありません。
「赤単」は山上7~10枚で戦うため、1枚のマナ置き、1枚のプレイが勝敗に大きく影響するデッキです。

興味のある方はよろしければご購入ください。(ボリュームは控えめになる予定ですが、購入者から要望があれば加筆いたします。)

以上。ご清覧いただきありがとうございました。

問題集

問1. 自分の後攻4ターン目になりました。何をしますか?

前提 
・マナゾーンは左から順に置かれたものとする。
・相手は《霊峰 メテオザ-1》が入っていることを知っている。
・自分は《その子供、可憐につき》が入っていないことを知っている。

スクリーンショット (49)

まず自分視点では《カンゴク入道》を出すと、《カダブランプー》1枚で負けるため出せません。
また、《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》が早い段階でマナに置かれていること、その後に《奇天烈 シャッフ》が続けてマナに埋められたことから、先攻2ターン目の時点で相手にとって手札にキープする価値は、
《奇天烈 シャッフ》≧《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》だったことが分かります。
ここから、相手の手札に《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》がある可能性が高いと推測できます。

次に相手視点で考えると、《我我我ガイアール・ブランド》をマナに置いていることから、《我我我ガイアール・ブランド》を手札に持っていることが透けています。
《霊峰 メテオザ-1》があった場合、《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》が焼かれるため、
4マナから《霊峰 メテオザ-1》+《我我我ガイアール・ブランド》で3点、
次のターンは5マナでから1コスト+《霊峰 メテオザ-1》+《我我我ガイアール・ブランド》で5点以上打点が通るため、先攻5ターン目に何かしらの方法でケアする必要があります。

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