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せんせいになる資格

2019年1月に日本人全員をせんせいにする為に立ち上がりました。
ANOTHER TEACHERは単なるキャリア教育団体ではありません。このプロジェクトは日本人全員をせんせいにして、中高生、学校の先生方・働く全ての大人の壁をなくす為に立ち上がった団体です。ここで言うせんせいとは必ずしも教員免許を持っている学校の先生方、弁護士、医者、政治家を指すものではなく、全ての人がせんせいになれるという意味で、せんせいの民主化を指しています。

この考えは僕が中学・高校・大学生時代、会社員になってからも含めて、多くの人が『あいつはできない。あいつは使えない。』などど、勝負に負けた人や空回りしている人を蔑む態度で接する人に非常に強い違和感を覚えたことと、自分以外の仲間が自分には絶対にできない特技を持っていたり、その人にしかない才能・知見・体験・ストーリーを持っている存在なのだと何となく思っていて、実際にその考え方で沢山の幸せが生まれてきたことから始まっています。
つまりせんせいとは、全ての人は自分には持っていない何かを持っているリスペクトすべき相手であり、その人から学ぶべきことや教えてもらえることが必ずあると信じているということです。


(下の写真は大学時代にいろんなことを教えてくれたトライアスロンです 笑)

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一方で、全員がせんせいで今すぐに教えられる資格があるかというと、この一年半の活動を通して思うのは、それは違うのではないかと思っています。

これまで何度もキャリア教育の重要性を語る方々にお会いしてきました。キャリア教育、またその先の探究学習の浸透は本当に素晴らしいものであり、間違いなく教育業界の風土を変えた素晴らしい制度だと思っています。その為、教育=キャリア教育だという間違った認識がなされているとことが多々見受けられると思っています。特に中高生に対してキャリアの選択肢を広げることが最も重要であるという認識のもと、『中高生に対して教える機会を提供したい』という大人が増えているように思います。これは決して間違っているものではないものの、果たしてそれだけでいいのかということはずっと疑問に思っていました。

はっきりと言ってしまうと、私の感性の中で『この人には中高生の前で是非話してほしいな』、『この人には少なくとも今の段階では話して欲しくないな。』という線引きが生まれてしまったのです。これって『みんな誰かのせんせい』の哲学と矛盾していないか?と自分自身を責めたこともあります。

考えに考えた末に氣づいたのは、全ての人がせんせいになれる才能を持っているが、せんせいになるには最低限の資格(免許という意味ではなく)が必要なのだという結論に至りました。

それではその資格とは何なのかを自分なりの主観で述べたいと思います。

●フェアかどうか。
ものすごく基本的なことですが、世代に限らず意外に出来ていない人が多い。自分より年齢が下だから、自分よりも知識が少ない、経験が少ないということを以って相手にマウンティングを取るような行為は論外です。こういう人は絶対に教えてはいけません。見かけだけの学歴や経歴だけではなく、本当の意味で自分に自信がある人は決して人に偉そうな態度を取ったりしません。私が尊敬して止まないある公立学校の国語の先生は、

『中高生に授業をするということは、青春時代の貴重な時間を奪って、教えさせてもらっているのと同義。だからこそいつも全身全霊で授業に臨む。』

と仰っていました。相手が誰であろうと対等な関係性を築き、リスペクトする態度を持ってから初めて人に教えることが出来るのだと思います。

●自分自身と向き合っているかどうか。
単なるロジカルシンキングではなく、自分自身の過去の経験則から感性で感じたこと、その経験から紡いできてストーリーとしっかりと向き合い、弱さと強さの両方を把握しているか。学歴でもなく、名前でもなく、所属する会社でもなく、性別でもなく、自分自身が誰か?を語れるか。自分自身と本氣で向き合っていない人が、本質を見破る中高生と向き合うなんて出来るわけがありません。
私自身も見かけだけプレゼンをしてしまい、過去に大失態したことがあります。

●今何かに挑戦しているか。
キャリア教育を提供して、子供達に将来の働く選択肢を広げてそれで終了。これは僕は本当に無責任だと思っていて、ANOTHER TEACHERをただのキャリア教育団体にしたくない理由がこれです。そもそもキャリアの選択肢を広げたところで、広げた選択肢が5年後10年後の日本に残っているかなんてわかりません。むしろ残っていない可能性の方が高いかもしれない。それよりも、教える本人自身が今何かに挑戦していて、そこに対しての失敗・成功体験を繰り返して今を生きている姿を背中で見せること自体が、本当に意味で子供達の自己肯定感を高める上で重要ではありませんか。大人自身が人生を楽しんでおらずして、子供達だけ未来に希望を持たせろなんて無責任だ。

これくらいのことはせんせいをする上では最低限必要なマインドセットだと思っています。

私自身まだまだ未熟であり、いつも教える機会を頂く度に反省することばかりです。しかしながら、上の三つだけはどんなことがあっても守ると心に誓っています。日本人全員をせんせいにする。そう誓ったからこそ、簡単にせんせいになれるような妥協はしたくありません。

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日本人全員を本当の意味での“せんせい”にする為に、この後も挑戦していきます。


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