想いを寄せ続ける。
2022年2月24日(木) ロシアがウクライナ首都キエフに軍事侵攻した。
あれから5ヶ月が経とうとしているが、
2022年7月20日時点、未だこの戦争は終わっていない。
(これは、わたし視点の話であって、戦争の話ではありません。)
ウクライナは、わたしの大切な友人が生まれ育ち、暮らしている場所 だった。
2022年3月8日(火) 彼女はキエフを離れることを決意した。
2022年3月29日(火) 彼女は祖国ウクライナを離れることを決意した。
彼女がウクライナを離れるまで、毎日連絡を取った。
少しでも、彼女の心の支えになりたかった。
連絡をすることで、
彼女が無事であることを知りたかった。
ウクライナが孤立していないことを伝えたかった。
世界がこの戦争を注視していることを伝えたかった。
遠く離れた日本の人々が、ウクライナの人々を想い、戦争に対し抗議の声を上げていることを伝えたかった。
ほんの一瞬でも、戦争の恐怖に怯えること以外のことをするきっかけになりたかった。
戦争が始まると、
Optimistic(楽観的)と自称するほど、
明るく優しかった彼女から、希望の言葉が消えた。
まだ軍事侵攻が始まる前の1月末、ロシアの動きが怪しいとわたしが心配の連絡を入れた時、彼女は心配しなくていいと、逆にわたしを慰めてくれていた。
しかし、ロシアがキエフ侵攻を始めると、そんな彼女でさえも、不安と恐怖しか口にしなくなった。
今、キエフを離れ、ウクライナを離れ、身体の安全は確保されたが、彼女は今も祖国を想い、苦しんでいる。
わたしはというと、彼女のために何ができるのか
ずっと、無力感を感じてきた。
この5ヶ月、自分の無力さに、何度も目を背けたくなった。
初めの頃に抱いていた衝撃は、過去に過ぎ去ってしまった。
しかし、まだ何も終わっていないのだ。
今更、自分に何かできることがあるのだろうか。
そんな風に悩んでいたとき、
西加奈子さんの「i アイ」に出会った。
わたしはたしかに無力だ。
でも、想像することはできる。
想いを寄せ続けることはできる。
そう気づかせてもらった。
わたしは当事者になることは出来ない。
同じ苦しみを分かち合うことは出来ない。
だからといって決して無力ではない。
無力と言って諦めたくない。
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