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一介のオタクがオフ会のためにJASRACに使用料を支払った話

どうもこんにちは。いちもじと申します。

今回はとある声優さんのファンのオフ会を行うにあたり、あのJASRACさんに楽曲使用料をお支払いしたので、どんな感じで手配を進めたか、備忘録的に書き留めておきたいと思います。

※注意※
本投稿の内容は、あくまで今回のオフ会で適用された内容となります。
必ずご自身で著作権管理者に問い合わせを行ってください。
また、本内容を参考にしたことで発生した損害賠償・訴訟・その他のトラブルについて一切責任を負いかねます。

そもそもなにすればいいのよ?

内容を検討しよう

さて、そもそもなぜJASRACに使用料を支払うことを検討したのかというお話から始めましょう。

今回実施を検討したのは、某声優グループのファン交流会(オフ会)。
そして交流会を実施するにあたり、楽曲の使用があるプログラムとして下記の内容を検討しました。

  • BGMとして楽曲を使用すること(CDは購入したものを当日持参する前提)

  • 会場に設置されているカラオケ設備で参加者がカラオケを歌うこと

  • パワーポイントを使ったコンテンツの投影

    • 歌詞の一部を画面に表示し、楽曲名を当てるクイズ大会

    • グループの歴史をまとめた資料の投影

ここで問題になるのが、「交流会」というイベントを実施するにあたり、「楽曲使用許諾をどこにどのような形でとればいいのか」ということ。
なんとなく「JASRAC」という名前は知っているものの、「申請先はここだけでいいのか」「そもそもどうやって申請するのか」などなど、わからないことだらけです。

とりあえず調べてみよう

わからないのでとりあえずインターネットでリサーチ。

今回は映像ではなく音源を使用する形になるので、使用する予定の楽曲の著作権管理団体の確認が必要です。
ちなみにJASRACの場合、HPから管理楽曲の検索が可能です。
今回利用する予定の曲を検索するとすべてがJASRACの管理曲でした。

また、今回は関係ありませんが、映像の使用となるとJASRACだけでなく映像ディスクの管理団体は別に存在しているため、そちらへの確認や商用ディスクの用意が必要になります。
※この件については非常に複雑で私も全貌を把握できていないのが実情です。

ちなみにCDジャケットの写真使用はレーベルによりますが、個別で問い合わせと許諾が必要と判明。
そしてレーベルによって使用許諾の方針は様々。個人からの申請は受け付けていないところもあるなど、対応方針は大幅に異なるようなので、事前に綿密な下調べが必要ですね。
※「ジャケット写真 使用許諾」等で検索すると出てくると思います

今回は許諾に時間がかかることが予想されたため、当日の投影資料にジャケット写真を利用するのは断念しました。

とりあえずインターネットリサーチの結果、今回の利用にあたっては楽曲の著作権管理者であるJASRACに申請すればよいという結論に。
申請書ダウンロードページを覗くと、、、、

こんな感じでずっと下まで申請書が並んでいる

いやどれ使えばいいのかわかんねえや。。。

申請書が使用用途別に大量に並んでいます。
そもそも使用用途を3種類くらい検討しているので3種類書くのかまとめられるのかなどまったくわかりません。

これは電話で聞くしかないですね。。。
電話苦手なのに。。。。

電話で問い合わせ

さあドキドキの電話の瞬間。
電話先はJASRACのHPより使用場所を管轄する支部を調べましょう。

今回は東京なので、東京支部が担当になります。

電話の前に聞くことを整理しておきましょう。

  • あるアーティストのファン交流会(オフ会)を企画している

  • 参加者は30名前後

  • 会費は会場代を参加者で割った金額(当日まで金額不明)

  • 楽曲使用を検討しているのは下記の通りだが、それぞれどのような申請が必要か

    • BGMとして楽曲を使用すること(CDは購入したものを当日持参する前提)

    • 会場に設置されているカラオケ設備で参加者がカラオケを歌うこと

    • 歌詞の一部を画面に表示し、楽曲名を当てるクイズ大会を10曲分行うこと

それでは、電話を掛けましょう。緊張の瞬間です。

JASRAC「はい、JASRAC東京支部です」
ぼく「楽曲の使用許諾についてお伺いしたく、個人使用ですがこちらの番号でよろしいでしょうか?」
JASRAC「はい、使用場所はどちらになりますでしょうか」
ぼく「東京都港区になります」
JASRAC「担当に変わりますので少々お待ちください」

~~30秒ほどの間~~

JASRAC「はい変わりました○○といいます」
ぼく「お忙しいところすみません。オフ会で楽曲使用を考えており、申請方法についてお聞きしたいんですが」
JASRAC「はい、使用方法についてお伺いしますね」
ぼく ※上記でまとめた事項を説明
JASRAC「承知しました。BGMとカラオケ使用については、会場が使用料を支払っていれば問題ないです。会場を教えていただければこちらでお調べします」
ぼく「○○という会場です」
JASRAC「ありがとうございます。歌詞の表示についてはすぐにご回答できないので、確認して折り返しご連絡させていただきますね」
ぼく「わかりました。よろしくお願いします。」

いったん電話を切る。
なんかすっごい優しいぞJASRAC!
そして10分後折り返しの電話が。はやい。

JASRAC「お待たせしました。会場が使用料を支払われていたので、BGMとカラオケ使用は申請書などは必要ありません
ぼく「わかりました、ありがとうございます」
JASRAC「歌詞の表示については、『ビデオ上映』の扱いとなりますので、利用申込書と明細書の提出をお願いします

JASRAC「申込書は開催日の5日前までに郵送かFAX、直接持参で提出ください。明細書は使用終了後でも大丈夫です」
ぼく「わかりました。どちらも1週間前までに持参します。利用料はどれくらいになりますか?」
JASRAC「今回の利用形態は『ブースにおける利用』となるので、入場料(会費)の30%を平均入場料として計算します。それを来場者との表に当てはめて計算します。今回は平均入場料が1,050円未満、来場者が500名未満なので480円+税となります」

「ビデオ使用 その他類型」の利用料表
JASRACHPより引用※赤枠は元資料の記載

ぼく「わかりました。これが回数分必要になるという認識でよろしいですか?←ここ重要
JASRAC「その通りです」
ぼく「承知しました。申請書をお持ちする際改めてご連絡します」

緊張した~~~~~!!!!!!
JASRACさんめっちゃ優しくてびっくりしました。
スムーズなやり取りのためにも、ちゃんと事前にやりたいことの内容と聞くべきことをまとめておくのが大事ですね。
そして歌詞の表示は「ビデオ上映」の申込書になるんですね。意外でした。
使用料は480円で10曲使うので4,800円ですね。←と当時のぼくは思ってました

結局まとめるとどうだったの

さて、結局はどうだったのという話ですが、

・BGMとして楽曲を使用すること(CDは購入したものを当日持参する前提)
 →会場が使用料を支払っていたので特段申請の必要なし

・会場に設置されているカラオケ設備で参加者がカラオケを歌うこと
 →会場が使用料を支払っていたので特段申請の必要なし

・歌詞の一部を画面に表示し、楽曲名を当てるクイズ大会を10曲分
 →「ビデオ上映」として申請の必要あり

会場が利用料を払っていたので申請がかなり簡単になりました。
注意が必要なのは、BGM使用は購入したCDを持ち込む前提ということです。別CDへのコピーは複製権の侵害、Spotifyなどのサブスクリプションサービスの音源使用はサービス側の規約違反となる可能性があります。

申込書の提出

申込書・明細書をつくろう

やることがはっきりしたので、あとは該当する申込書と明細書を書いて提出するだけです。
提出すべき資料は使用の類型ごとにJASRACのHPに上がっています。担当の方に教えていただいた資料を作成しましょう。
今回は会費が人数割りなので、会費の欄だけ予定金額を記載しました。

提出が必要な利用申込書「映像ソフト上映1」
使用の5日前までに提出の必要あり
提出が必要な明細書
こちらは利用後の提出でもよし

明細書には10曲を利用するので10曲分の曲名等を記載します。
映像ソフトの題名は今回の使用方法だと「歌詞の上映」でいいそうです。
すべて記載して印刷したら、提出しに行きましょう。

いざJASRAC東京支部へ

申込書と明細書を印刷し、印鑑を忘れずに持ったら提出に行きましょう。
本当はFAXや郵送でも大丈夫ですが、開催時期が迫っていたため、修正をその場でできるよう持参することに。

JASRAC東京支部さんは内幸町駅が最寄り。仕事の合間を縫って提出に向かいます。

なんかかっこいいプレート

緊張しながら受付で担当の方の名前を告げると、すぐに担当の方が出てきてくれました。

ぼく「電話でお話ししたいちもじです。申込書と明細書の提出に来ました。会費が人数割りなのでまだ仮の記載になります」
JASRAC「わざわざありがとうございます。内容拝見します」
JASRAC「ありがとうございます。問題ないのでこちらで受領します」
ぼく(は、早い。。。)
ぼく「何か申請受付証明とかは。。。」
JASRAC「特段ないんです。こちらで確かに受け付けていますので大丈夫です。人数が確定したら改めてご連絡ください」

と、わずか5分ほどで終了。あまりにあっけない。。。
何はともあれ申請終了したので、あとは当日を待つだけです。

オフ会当日

正直JASRAC向けの申請としては特段やることはないです。
人数が確定し、会費が決まったので後日連絡するために忘れずにメモしておきましょう。

申請とは関係ありませんが、当日画面に投影した歌詞やBGMの動画を撮影してSNS等に上げると複製権や公衆送信権の侵害に当たる可能性があるので、その点を参加者の方に注意していただくのが重要ですね。

何はともあれ、当日は大変盛り上がりました。
当日ご参加いただいた方、ありがとうございました!

オフ会の後(請求書受領~支払い)

人数確定の連絡

イベント後にまず実施するのは確定した人数と会費をJASRACに伝えること。
改めてJASRAC東京支部に電話し、担当者さんに人数と会費を伝えます。
無事、お伝えするとその内容で料金計算するとのこと。

担当者さん曰く、年末は繁忙期とのことで、請求書送付までに2週間程度かかっているよう。請求書が来るまで気長に待ちます。

ついに請求書が!しかし、、、

待つことちょうど2週間。ついに家に請求書が届きました!

なんか緊張する瞬間

ドキドキしながら請求書を開けると、、、

請求書の記載が、、、

あれ????528円????おかしくない???

明細書の記載も、、、

明細書も一本一回扱いだぞ?????

なぜかわからないですが480円の請求になっています。
480×10曲=4,800円のつもりだったのにこれは???
合ってるのか問い合わせなければ。。。

またもやJASRACへ電話

何度もかけたJASRAC東京支部の電話番号。覚えかけてきたぞ。
今回は照会番号が発行されているので、その番号を手元に用意して電話します。

JASRAC「はい、JASRAC東京支部です」
ぼく「先日いただいた請求書についてお問合せしたいんですが」
JASRAC「照会番号はお判りでしょうか」
ぼく「○○○○○○です」
JASRAC「少々お待ちください」

~~1分ほど待つ~~

JASRAC「はい変わりました担当の○○です」※これまでの担当と別の方でした。請求書担当の方かな?
ぼく「いただいた請求書についてご質問なんですが、10曲使用したのに1本分で請求をいただいており、お間違えがないか確認したいんですが」
JASRAC「ありがとうございます。こちらは歌詞を表示して、楽曲名を当てるクイズを行うとお聞きしていますが、1曲ずつ分割されたものではなく、1つのファイルになっているものですよね?」
ぼく「そうですね、1つのパワーポイントファイルです」
JASRAC「そうであれば1本扱いとなりますので、480円+税のご請求になります」
ぼく「あ、そうなんですね。お手数おかけしました」

なんと、1ファイルであれば1本扱いとのこと。480円+税かよ安すぎ。
まあJASRACさんがそういうなら合っているのでしょう。まさかの小銭レベルで使用料が収まるとは。。。

支払いはガスや電気のような払込票が入っているので、コンビニや郵便局・銀行で支払えます。
ぼくはチケット代を払うついでにコンビニで支払ってきました。

まとめ

というわけで、一介のオタクがオフ会のためにJASRACに使用料を支払った話は以上となります。
なんともびっくりなオチだったわけですが、JASRACの担当の方もとっても親切で、こうやって支払った金額が作曲家や作詞家に配分されるならよかったのかなと思っています。

(480円+税でnoteのネタができたと考えたら安いし)

再度になりますが、楽曲管理団体の違い、使用方法の違いによって申請方法や使用料の金額は大幅に変わると考えられます。
このページだけを参考にせず、必ず著作権者あるいは著作権管理団体に問い合わせを行ってください。
本内容を参考にしたことで発生した損害賠償・訴訟・その他のトラブルについて一切責任を負いかねます。

あなたも楽しい著作権ライフを!
ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。




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