【あなたは大丈夫?】言語聴覚士が勘違いされやすいこと5選
導入
今回は「言語聴覚士って勘違いされているなー」と感じていること5つにまとめてお話してます。
言語聴覚士はまだまだ世の中に知られている仕事ではありません。
今回の記事を読んでいただいているあなたも、もしかしたら言語聴覚士のことを勘違いしているかもしれません。
言語聴覚士のことを勘違いして、身近にいる言語聴覚士さんを怒らせたくない方は、今回の記事をそっとチェックしてみてください。
最後まで読んでいただいて、もし「勘違いしていたことがあった」という方は、ぜひいいねボタンをポチッと押して頂けたらと思います。
それでは、本題にいきましょう!
1.正式名称は言語療法士?
これは、未だに勘違いされている方が多く、それでいて勘違いしていたら言語聴覚士に一番「それは違うよー」と怒られてしまいかねないので、一番最初に重要な内容を持ってきました。
正式名称は「言語聴覚士」になります。
英語表記では「Speech Language Hearing Therapist」です。
現場ではよく略語で「ST」と呼ばれることが多いです。
ちなみに理学療法士は「PT」、作業療法士は「OT」になります。
2.言語聴覚士だったらむせない?
以前は、病院の食堂でスタッフと食事をしていたのですが、その時にたまーにむせるんですよね。
そうすると「かめきち君、STなのにむせちゃダメでしょー」って言われることがあります。
これ、言語聴覚士だったら一回は言われたことがあって共感していただけるんじゃないかなと思います。
ただ、当然ですが言語聴覚士でもむせます。総理大臣だろうと子どもだろうとむせます。
そもそも、なぜむせるのかと言いますと、
人間ののどは
・「気管」という空気の通り道
・「食道」という食べ物の通り道
の2つの通り道があります。
そのうち、気管の方に異物(食べ物や唾液など)が入るとそれを吐き出そうとして咳が出る(=むせる)んですね。
気管に異物が入って吐き出されないと、その異物が気管や肺の中で悪さを起こして炎症を起こしたりしてしまいます。
そうならないために、むせることで人間の身体を守っているんですね。
なので、たまに気管に異物が入ってしまった時は、そりゃ言語聴覚士でもむせます。
3.言語聴覚士ならどんな不明瞭な発話も聞き取れる?
これもよく勘違いされがちですが、言語聴覚士であっても全ての発話を正しく聞き取れるわけではありません。
やはり、失語症の症状であるジャーゴン様の発話や、重度の構音障害による音の歪みがある場合は聞き取れないことがあります。
でも、
「STさんって患者さんの言っていることを聞き取っているように見えるけどなんで?」
と思われる方がいるかもしれません。
それは、我々言語聴覚士は「ノンバーバルサイン」を読み取る力が鍛えられているんだと思います。
ノンバーバルサインとは「表情、視線、ジェスチャーなど話し言葉以外の情報」を言います。
このノンバーバルサインを言語聴覚士は読み取って、患者さんの言いたいことを推測してコミュニケーションを進めていくことが得意なんですね。
だから不明瞭で聞き取ることができない患者さんの発話でも、理解することができるんですね。
4.言語聴覚士は話すのが得意?
これは、以前Twitterで言語聴覚士さんに「話すのは得意ですか?」と質問をしたことがあります。
すると半数以上の言語聴覚士さんが、話すのが苦手orどちらかというと苦手と答えたんですね。
これ驚きじゃないでしょうか?
「言語聴覚士さんは話すのが得意じゃないの?」
って思っていた方結構多いんじゃないかと思います。
これはかめきちの個人的な見解ですが、
おそらく「言語聴覚士だから上手にしゃべらなければならない」
みたいな思いが強すぎる人ほど、ちょっとうまく話せなかっただけで「話すの苦手だな」と感じてしまう人が多いんじゃないかなと思います(自分自身もそう思ってしまうんですよね…)。
あとは、言語聴覚士は目に見えにくい障害を対象にすることが多いんです。
失語症や高次脳機能障害、構音障害、嚥下障害、聴覚障害、言葉の発達などなど
目には見えにくい専門的なことをいかにわかりやすく伝えるかというところで苦労する言語聴覚士さんも多いんじゃないかと思います。
こういったことから、実は「話すのが苦手」と感じている言語聴覚士さんが多いんじゃないかと思います。
ちなみに、かめきち自身も話すのが苦手です。
「YouTubeやってて苦手なんかい!」
と思われた方もいると思います。
ごもっともなんですが、実は苦手だからこそYouTubeをやっています。
自分では克服したいと思っているので、話しを上達させるためにはやっぱり何度も何度も繰り返して場数を踏むことが大事だと思っています。
2022年3月時点、2年近く続けてきましたが、ある程度話すことへの苦手意識が少なくなってきました。
5.文系だと言語聴覚士にはなれない?
よくInstagramのDMでこのような質問が来ます。
「高校2年生文系ですが、医療系は理系じゃないとなかなか難しいと聞きますが、文系でも言語聴覚士になれますか?」
みたいな質問です。
結論からいうと、文系でももちろん言語聴覚士にはなれます。
かめきち自身も文系ですが言語聴覚士として仕事をしています。
ただ、言語聴覚士の勉強の中には、音響学や統計学など理系分野の科目も少なからずあります。
そういった授業の時には確かに苦労した思い出があります。
ただ、ほとんどの専門分野科目はスタートラインは皆同じです。
「小学生の時から塾で嚥下の勉強をしていました」
なんて人はいないですからね。
なので、文系だろうが理系だろうが気にせずしっかり養成校で勉強すればいいと思います。
そして何より臨床に出てからが大事です。臨床に出てから患者さん一人一人と向き合っていくことが、今後の言語聴覚士人生に何より重要なことだと思います。
おわりに
以上、言語聴覚士が勘違いされやすこと5選をお話しさせていただきました。
いかがだったでしょうか?
意外と言語聴覚士が勘違いされていることって多いんじゃないかなと思っています。
今回ご紹介したほかにも
「言語聴覚士さんって○○って聞きましたが本当ですか?」
ということがありましたらコメント欄などで教えていただけたらと思います。
また、今回の内容は、こちらのYouTube動画でも解説しています。お時間あれば合わせてチェックしてみてくださいね!↓
それでは、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!
今回の記事を読んでいただいたことで、言語聴覚士への理解が少しでも深まるととても嬉しいです!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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