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【🍓】八百よろづ神もあはれと思ふらむ犯せる罪のそれとなければ

八百よろづ神もあはれと思ふらむ犯せる罪のそれとなければ
よみ: やおよろづ かみもあはれと おもふらむ おかせる つみの それとなければ
場所: 源氏物語 須磨 
(河出文庫 古典新訳コレクション 「源氏物語 2 」245ページ 須磨)

(八百万の神々も私をあわれんでくださるだろう、なんの罪も犯してはいないのだから)
 とつぶやくと、いきなり風が吹きはじめ、空も真っ暗になった。御祓もおわっていないが、人々は立ち騒いでいる。(1文略)そんな気配は微塵もなかったのに、何もかも吹き散らし、見たこともないほどの暴風である。

(同上)

「何の罪も犯してはいない、だと?ふざけた事を。まだ解らぬか!」と八百万の神が怒ったから暴風になった、と私は思うのだけれど。

血の繋がりはないとはいえ実父の妻である義母を愛し、しつこく何度も契り、子まで成し。今の帝の妻になるはずだった人を犯し、そのため妻ではなく秘書官という身分になっているのに構わず関係を持ち続け、それが帝にも知られており。私を兄とも父とも思って良いのですよ、と幼女時代から手元に置いて育ててきた(義母の身内の)少女を結局は妾とし。
それでいて「何の罪も」とは。

暴風だけじゃなく雷にも撃たれ大波に呑まれて消え入りたまひにけりやがれ。

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