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漫画の話


社会人になってからというもの書籍で本を読まなくなった。もっぱら電子書籍だ。
学生時代は「何読んでる?」に対して集めた単行本の背表紙を見たり思い出しながら「あれとあれと〜」なんてすらすら言えていたものだけど今やスマホに全て格納されているのですらすら出てくるわけもない。あれ読んでたな〜あっ、あれも読んでたわ。がザラに発生する。
原作が韓国で、みたいな漫画も多いから書籍が出てすらいないこともある。電子書籍では悪役令嬢やら転生ものを読むのが好きだ、何か。

それはそれとして、今回焦点を当てたい漫画は「青野くんに触りたいから死にたい」。
これ、最初見かけた時に「とんだメンヘラ女の話かよ」と真面目に思ったし、一話だけ試し読みもして初めてお付き合いした彼氏に浮かれてたら彼氏が交通事故で死ぬとか言う展開で即コマ落ち?と思ってその時は終わった。

きっかけが何だったか忘れたけど、一巻をまるっと買って読んだらこれがま〜〜〜面白い。
いやでも正直人は選ぶと思う。私は好きだこういうの。その時出てた巻全部買って即読みしたもん。

この漫画、恋愛×ホラーを題材に割と色んな感情がもつれる作品で。チープなホラーではなく、ちゃんと片田舎の言い伝えや古い習わし、「本当にありそうな」信仰や怪異を描いてるのが楽しい。
実際色んな儀式やら伝承やらを調べて考えたものなんだろうなと思うし、普通にありますって言われても納得するレベルで作り込まれてる。
こういうの好き。葬式の時に振り返ってはいけないとか、辻道を幾つ曲がってみたいな迷信じみた古い習わし感。

冒頭の通りこれ、一話ですでに彼氏が死ぬ。
そこからまあ、幽霊となった彼氏とホラー要素絡めて主人公が巻き込まれたり色んな人と関わったり、とにかく彼氏のために───彼氏を助けるために動く。
ぶっちゃけ面白いのだが死を大前提にしてる以上感情の動きがだいぶ重たくしんどいので読むまでには(開くまでには)すごい時間がかかる。実際発売されてから二日位置いた。
ただ考察しがいはあるし色々考えさせられるものはある。描写が生々しくて生死をリアルに感じる。そこがまた(いい意味で)疲れる。
ホラー平気な方はぜひ。
夜に窓を叩く幽霊が出るようなのを思い出すような話が出てくるのが大丈夫であれば。

ちなみに転生ものは「ある日、お姫様になった件について」が好き。これシンプルに絵が可愛いし綺麗だし話も読んでてストレスがない。
転生皇女系だとよくあるのだが冷酷非道な皇帝の娘に生まれて生き残るために媚び売りぶりっ子して何だかんだ父親と仲良くなっていく過程を見ているのはとても微笑ましいのでおすすめ。完結したけどな……