『いだく』(詩)

jam様(@jam10261026)の#声の投稿 企画に参加させていただきました。
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改変不可です。


『いだく』    作:赤奈スクラ

あなたと僕とでひとつの世界を作るとしたら、
あなたは僕のすべてを大らかに包み込む天蓋、大きな空です。決まっています。
そして僕は、あなたの全てを抱き止められる、しっかりとした大地になろうと思います。

あなたの陽射しであたためられた地面は、寒い夜にも少しずつその熱を分けることができますから。それから、仄かなあかりが見守る静かな夜は、たくさんのことを考えるのにとても良いのです。
雨が降っても、少しばかりならこの身に染み込ませて受け止められます。大雨でもまあ、出来る限りそうします。ちょっと崩れてしまうこともあるかもしれないですけれど。
嵐の時には、僕もひどく心を波立たせてしまうかもしれません。雨も風も雷も、気の済むまで吐き出して空になったら、共に凪いで、あの嵐はなんだったのかと語らえるでしょうか。

あなたからはもらうものばかりの僕ですが、太陽と、雨と、雷すらも受け止めて、緑を萌やし、実りを捧ぐ、あなただけの大地でありたい、そう思うのです。
大地があるから大空があるように。一つの地には一つの空しかないように、
あなたにとっての僕もそうでありたい、互いが互いの唯一であればと、そう願うのです。


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