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GP京都記念 アグロメア

はじめに

こんにちは、ふぃるです。GP京都お疲れ様でした。

この度は、リストをシェアした下井カール選手(@Shimoicurl)が【GP京都ベスト8】という成績を収められました。本当におめでとうございます。

調整を手伝っていただいたあばん研究所のみなさん、ありがとうございました。

公開されているデッキリストがこちら

当日の下井カール選手の戦績

当日のふぃるの戦績


今回は

0.アグロメアというデッキについて

1.各カードへの私の評価

2.プレイ方針

3.このようなデッキリストになった経緯

0,1,2に特別なことは書いてありませんので、普段からアグロメアを使われてる方、どうしてこのようなリストになったかだけ気になる方はそのまま4にお進みください。

0.アグロメアというデッキについて

 これを書いてしまうと元も子もありませんが、アグロメアというデッキタイプは相手のライフを削りきるという目標を主とし、ダメージをあたえられるカードであれば、複数枚入れ替えても十分にその役割をこなせます。基盤が強いため、相手が事故ったり、対処できるカードがなかったりした場合は仮想敵に相対することなく早期にゲームを終わらせることができます。つまり、採用したカードのおかげであると断言できるケースがどうしても少なくなってしまいます。環境の変化を経ることなく、そのリストは有意義な結論ではなく、一つの可能性として考えてください。簡単にいうと、本当にそのカードのおかげで、デッキパワーが上がったかは疑問に残るということです。

1.各カードへの私の評価

採用したカードへの評価

ベルエンジェル
 リンゴン。ミスシャドウバース。このゲームをやっていて、もっともみたカードといっても過言ではない。強さはみんなのお墨付き。

蠢く死霊
 伝家の宝刀。「なんでこいつ攻撃2なん?」と何回言ったか。このデッキにおいては当然にアグロを遂行するためのカードでありながら、後半の飛び道具であり、真紅状態に入れるカードでもある。死体だけど、腐るタイミングがない。

スケルトンファイター
 スケファイ。おまけのように出てくる1コス3/3が許せない。これのために、《鋭利な一裂き》を3ターン目に打つこともある。

ソウルコンバージョン
 ソルコン。1コスで2枚引ける、無難に強い。ドロー全体がシャドバエボルヴでコスト高めに設定されてるなか(《竜の闘気》や《運命の導き》)で、相対的に見ても強いカード。自分から盤面ロックを解除できたり、『ロイヤル』相手の《アレキサンダー》を空振りさせることもできる。ドロー以外にも役割もあるのが高評価。

吸血貴・ヴァイト
 ヴァイト。このデッキでは、《ベルエンジェル》によって行動の保証がされやすいため、盤面に《フォレストバット》を並べやすい。展開した《フォレストバット》は《ソルコン》、《裁きの悪魔》、《ケルベロス》とも相性がいい。

享楽の悪魔
 手札を入れ替えることのできる2コスの進化できるフォロワー。《ヴァイト》と同様場に残れば、手札の質を上げやすい。攻撃時のお互い1ダメージは盤面を作りにくい後半のライフの押し込み、真紅を要する《ダークジェネラル》との噛み合いもある。

ソウルミニデビル
 2コストで5点の出せるバケモン、場合によってはあえて攻撃せず、2回分の進化ダメージをあたえるために立てておいておくこともある。

鋭利な一裂き
 一裂き。飛び道具。このデッキにおいては《鋭利な一裂き》+《ダークジェネラル》で8点出せるため、ppが余っててもあえて持っておくことがある。Quickである点も優秀。

悪戯なネクロマンサー
 おばあちゃん。アグロメアにおいてもっとも強いカード。1コストや2コストで攻撃した自分のフォロワーを殴り返した相手のフォロワーを《ゴースト》でとって《悪戯なネクロマンサー》をスタンド状態、次のターンに顔を攻撃する動きがとても強い。フォロワーをとるために、あえて1ターンずらしてプレイすることもある。

狂気の処刑人
 処刑人。相手の手札を抜くことで間接的に自分のフォロワーを守れる。手札を見れるため、これからのゲームに組み立てにも一役買ってくれる。進化枠にもう一枚ほしいが、一枚でこと足りることも多い。

ファントムハウル
 ハウル。ナイトメア対面で1コストのフォロワーが2ターン目に攻撃するための免罪符。序盤の《ファントムハウル》は《悪戯なネクロマンサー》同様、盤面を処理しながら、顔を詰める行為が強い。3コストで顔に4点出せることもグッド。

冥府への道
 冥府。一枚でゲームを崩壊させる力を持つ。とりわけ《裁きの悪魔》との相性がいい。自分のライフを削るカードも多く入ってるため、相手がケアをすることも難しい。7コストで3枚ドローから《ダークジェネラル》を引き込み、5点出すことも可能。プランの主役ともなれるカード。

ケルベロス
 特に非の打ちどころのないカード。4ターン目に本当にプレイするかはよく考えた方がいい。EXエリアにある《ココ》は常に脅威。《ミミ》は相手のベルエンジェルを0コスト突破できるカード入ってそうな相手なら使う前に一考。あえて、盤面を除去らずに《裁きの悪魔》でバーンを飛ばすために抱えることも。

裁きの悪魔
 『秘術ウィッチ』と『ロイヤル』にめっぽう強いカード。《ヴァイト》の《フォレストバット》展開、《ベルエンジェル》でスタッツの低い生き物を盤面にとどまらせることで、バーンとライフゲインに変換しやすい。出したターンと進化ターンをずらすことで《ダークジェネラル》を走らせることもできる。

ダークジェネラル
 4コスト5/5が走れるなら弱いわけがない。走る条件に真紅が必要なため、自傷カードを探せるようにデッキを回すカードも多めに入れてる。5で《蠢く死霊》と走らせても優秀、6で《鋭利な一裂き》絡めて走らせても優秀、《ケルベロス》を進化した次のターンの《ココ》のあて先としても優秀。

不採用となったカードへの評価

ゴブリン
 《ベルエンジェル》にとって変わられた枠。1ターン目以外にプレイすることの弱さが目立った。2ターン目に攻撃しないプレイを取った際にバニラなのがもったいなく感じる。3枚入れるなら、《ソウルミニデビル》との兼ね合いで進化枠を取る必要があるのも低評価。1ターン目にプレイするのはもちろん強い。

ソウルディーラー
 とても強いカード。《ダークジェネラル》と入れ替えた枠。環境最大数の『ドラゴン』にスタンド状態が通りにくことが目立ったため不採用。『ロイヤル』には依然として強いカード。環境次第。

レッサマミー
 《ヴァイト》と競合する枠。ネクロチャージ10で後半上から引いたときに腐りにくいのは優秀だが、《ベルエンジェル》と《裁きの悪魔》が入ってる都合上シナジーが《ヴァイト》より劣ってしまう。《ベルエンジェル》ではなく、《ゴブリン》を入れるタイプならこちらを採用したい。

トリックデュラハン
 入れ替えるなら《ファントムハウル》の枠。ネクロチャージ10が達成しにくいことと《ファントムハウル》の方が後半上から引いたときに強い。同じく1コストの生き物が攻撃するための条件札であるから《ゴブリン》と相性はよい。

2.プレイ方針

全対面

・このターン攻撃した場合、返しの自分のターンであいての進化したフォロワーをきれいに処理できるかを意識する(特に《ゴースト》による処理)。
・ライフで相手に勝っている場合、進化したフォロワーは積極的にスタンド状態。
・次の引いたら強いカードを考えつつ、組み合わせが必要となるカード(自傷のための《鋭利な一裂き》や《蠢く死霊》、進化カードが手札にないときの《ソウルミニデビル》)は手札に残す。
・自分の見える範囲の打点で相手のライフをどこまで削れるかは常に計算。
・5ターン目以降は《ケルベロス》でプレッシャーをかけれるように盤面にフォロワーを展開し続ける。

ドラゴン 有利

・先行
・後攻も有利
・マリガン:アグロできる手札。
・先後を問わず1ターン目から順当にカードをプレイし、《竜の託宣》にリスクをつける。
・《狂気の処刑人》の通りは非常によい。
・《オリヴィエ》によるハンデスは意識。
・辛いときは手札を抱えて、《神龍》のターンにプレイすることで除去との二択に持ち込む。

ロイヤル 微有利

・後攻
・先行と後攻で勝率の変わるゲーム
・マリガン:アグロできる手札。
・《剣豪》は厄介なカード、早期に使わせるようなプレイや、使われることを前提としたプレイをする。
・《フローラルフェンサー》に3/3のフォロワーを踏ませて、弱った《フローラルフェンサー》を《悪戯なネクロマンサー》の《ゴースト》で取る。
・《裁きの悪魔》の通りが非常に良い。序盤にプレイできた《ヴァイト》と合わせてバーンダメージを稼げる。一枚で取れるカードが『ロイヤル』にないから、あえて、4ターン目にスタンド状態にする行為も強い。
・《オーレリア》前のターンは盤面を過剰に展開するか、2枚以下にするようにする。《オーレリア》がスタンド状態の《悪戯なネクロマンサー》をとった場合、《ベルエンジェル》の二点で取れる。
・《アレキサンダー》前のターンに《ソウルコンバージョン》を構えることで、盤面の壊滅を防ぐことができる。

秘術ウィッチ 5分

・先行
・マリガン:アグロできる手札、少し妥協して《裁きの悪魔》
・《デモンフレイムメイジ》で壊滅しないよう、3/3を盤面に残す。
・《裁きの悪魔》の通りが非常に良い。4ターン目に《デモンフレイムメイジ》や、《ルーンガーディアン》、《ゴーレムプロテクション》を有利トレードできる。
・序盤に《エンジェルスナイプ》や《ファイアーチェイン》でアグロを止められると相手に盤面負けする。

アグロメア 

・後攻。
・マリガンはアグロできるまたは、盤面をとれるカード。
・《レッサーマミー》や《トリックデュラハン》を多く採用している構築には進化で攻撃した《享楽の悪魔》や《ヴァイト》が簡単にとられるから、辛い。
・《ソウルミニデビル》が非常に厄介、積極的に《ベルエンジェル》を進化する。
・《悪戯なネクロマンサー》が非常に強い。

ビショップ 微不利

・後攻。
・マリガン:《冥府》、《ケルベロス》、リソースを補充できるカード。
・相手に程よく除去札をさかせる。
・一枚で5/5ステータスをとれるのは4コストたいのquickしかないから、相手がPPを減らしたタイミングに《ダークジェネラル》で攻撃。
・相手の手札が5枚ないと9ターン目に《守護の陽光》+《ヘブンリーイージス》できない。
・回復カードが多く採用され、逃げ切られてしまうと負け。

3.このようなデッキになった経緯

簡単なまとめ

「最初からベルエンジェル、冥府入りのナイトメアを使っていた!」
「ダークジェネラルは新しく試したのではなく、強いことを認識していたが、環境的にソウルディーラーよりも通りがいいと思った!」

 当時の環境はトップに『ディスカドラゴン』、次点に『熾天使ビショップ』、『アグロメア』、少し下に構築を模索する『ロイヤル』といった具合だった。

ことの発端はこのリスト、

このリストも記事書きたかった。『リリム』より『ヴァイト』の方が良さそう。


 このデッキは一見してとても受け入れられるようなものではない(筆者自身疑い半分で試していた)が、『ディスカドラゴン』と『ビショップ』に対しての勝率は頗るよかった。実際に7/24のはっちcsで8位に入り、『ドラゴン』に5-1している。
    デッキのコンセプトは「アグロによるコントロール」序盤から生き物をプレイして圧をかけていき、中盤に強力な『ナイトメア』のエボルヴフォロワーをプレイする。複数枚のセットでキープしたいカードは、組み合わせの多さと大量のドローソースでカバー。ライフを削れていれば、《鋭利な一裂き》+《ダークジェネラル》ライン(8点)が見えるてくるし、アグロしきれなかった場合はプランをシフトし、《アザゼル》も目指せる。自分のライフを調整するカードが多く入ってるから、思わぬところから《冥府》ライン(6点)に入れる。『アグロメア』だと思った『ドラゴン』や『ビショップ』がライフで逃げたり、10点を盤面に残したら意識外の《アザゼル》で咎めることもできた。
『ナイトメア』と『ロイヤル』も《ヴァンピィ》や《裁きの悪魔》+《冥府》で処理できれば、さほど問題にならないだろうと考えていた。
 あとは対面の練習をこなし、細い調整をしてGP福岡に備えるつもりだった。

ところが、GP福岡を前にして問題が発覚。

 一見して『アグロメア』に戦えそうなリストであったが、先行の『アグロメア』が1コス2/2で攻撃しないことが最善択と判明。《リリム》は一気にその評価を下げることになる(上ふみと2回復の厄介さによる除去の強要が強みだった)。《ヴァンピィ》は強いものの、序盤に《眷属の召喚》か《リリム》と《ヴァンピィ》を揃えなければならないのが欠点。また、デッキの半分に近いカードが序盤の『アグロメア』に対処できないカードであり、筆者自らが半分のデッキで戦ってると評価せざるをえなくなった。戦績は10回やって2回勝てるかどうか。
 軽視していた『ロイヤル』はというと、序盤にアグロを通し、早期に《ダークジェネラル》を決めることができればいいが、相手の横展開は《冥府》に頼らざるをえず、その後に続く《レオニダス》が厳しい札となった(《アザゼル》、《ディーラー》、《エクスキューション》でゲームできないこともない)。
 絶望的な対面とまではいかないものの、手札に左右されやすいゲームとなってしまった。

 とはいえ、今までの経験値と初見殺し性能、『ドラゴン』、『ビショップ』との相性を評価してて、デッキを選択。『アグロメア』は気合いでどうにかすることにした。

 結果は惨敗。『ビショップ』の減少、『ドラゴン』のデッキタイプの変化、『ロイヤル』の優勝を受けて、積み上げた『ナイトメア』の経験値は無為と化すところだった。

 時を遡ること一週間前、下井カールよりlineが届く。

「アグロ冥府裁き」

このデッキ「アグロ冥府裁きだけどなぁ」と思ってスルー、このときに冥府入りの『アグロメア』のアイデアはあった。

 反省会ではデッキの案として、もっとアグロに寄せつつ《冥府》+《裁きの悪魔》強力なギミックを残したデッキはどうかと提案された。


 それを受けて完成したデッキがこちら


 デッキの発端がアグロ側からのアプローチではなく、コントロール寄りのナイトメアからのアプローチであったため、冥府入りはむしろ私にとってはデフォルトといえる。

伏線回収
https://sve-gp.com/news/29/


 時は進み「GP京都」一週間前、デッキはおおよそ『アグロメア』で固定。公認や調整で『ドラゴン』と『ロイヤル』と練習していた。

「ベルエンジェルの採用」

「ゴブリンが弱い」これがおおよその発端。
なぜ弱いと思ったか。
1ターン目以外に引いたときに役割がなく、進化枠がないと《ソウルミニデビル》の起動ができないことや、『ドラゴン』の飛び道具(主に《竜巫女の儀式》)に巻き込まれる。
2ターン目から必ずしも攻撃するわけではない(ナイトメアミラー)。
という点が気になった。

これとほぼ同時期に《ベルエンジェル》が強いのではと考えた。

 カードそのものが強いのは当然ながら、そもそも『アグロメア』は「序盤から強力な盤面を形成して攻撃する」デッキである。
 それを手助けしてくれるのは、主に2コスト帯のフォロワー。ナイトメアで最も強い動きは2、3ターン目に《ソウルミニビル》を絡めて進化するプレイである。

 『ロイヤル』の後行1ターン目《メイドリーダー》2ターン目《メイドリーダー》進化+《剣豪》に2コストフォロワーが取られたり、『ドラゴン』の《変化の魔術師》に2コストフォロワーが取られたりしては、理想の動きを決めることはできない。

 また、《ベルエンジェル》の採用に伴って、わずかにも《悪戯なネクロマンサー》や《ケルベロス》の強力なカード、のちの《ダークジェネラル》の2枚要求を満たしやすくなった。《ソウルコンバージョン》を絡めた3枚ドローも破格だった。

「ダークジェネラルの採用」
 単的に言うといまの環境はソウルディーラーよりもダークジェネラルの方がダメージの通りがいいと思ったから。
 当然に《ソウルディーラー》は『ロイヤル』に強いカードであることに異論はない。ただ以前と比べて『ドラゴン』への刺さりが悪くなった。《変化の魔術師》、《ウルズ》、《竜の怒り》の採用によって4ターン目ののポンおき、また進化も同様に取られやすくなった。《ソウルディーラー》の強みが何かを考えたときに
1 敵のフォロワーを破壊できる
2 6の体力で取られにくい
3 高いダメージ
4 守護持ち
という点が挙げられるだろう
 このうち2、3が『ドラゴン』対面で生かしづらくなったため、詰め切ることを考えるなら疾走打点が欲しいと考えた。
 そのため、過去の経験から『ドラゴン』と『ロイヤル』の双方に打点を見込める《ダークジェネラル》を入れることになった。



追記


結局《いたずらなネクロマンサー》が強いだけやった。解散。


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