一人盛り上がってたら読み抜けてたって話(指す順B1島ノ葉尚さんーじっきょーさん)

 こんにちはこんばんは、わんなくです。

 今回は島ノ葉尚さんーじっきょーさん戦について。Xで棋譜を拝見して、ふと気付いたのをまとめたような記事です。
 取り上げるのは一局面のみ。あとソフトかけていないので、激おこの可能性は多分にあります。

(参考:島ノ葉さんが棋譜、棋譜コメを公開されています)


 上記の棋譜コメで「問題の局面」とされているのが、下の課題図。

課題図。先手番。なにかしら勝っていてもおかしくない。

 以下、実戦は▲87銀打△78銀成▲同銀△67銀▲87銀打の千日手模様を挟んだ後、△69金(実戦図)から後手が変化しました。

実戦図。△69金が重そうでなかなかの手。

 実戦図以下、▲69同銀から69で清算した後の△68成桂が強烈。以下後手が寄せ切りました。


 では課題図はどうするべきだったのか?というのが本記事。

 まず、課題図は先手玉に詰めろがかかっていません。(これはしまのばさんの棋譜コメにもある通り)
 ▲87銀打でも受けになっていないのであれば、ここは攻める方針なら何かあったのではないか、となります。

 しまのばさんの棋譜コメでは、課題図から代えて▲65桂(第1図)が挙げられており、私も直観的にはそれでした。

第1図。先手玉は詰まず、後手玉は詰めろだが……

 第1図で勝ちなら話は早いのですが、実はこれが相当難解。以下△78銀成▲同玉まではこう進みます。まずそこで△56角(参考1-1図)。

第1-1図。

 第1-1図で▲88玉はこう逃げるところですが、△65角▲同歩(第1-2図)と桂馬が抜けます。

第1-2図。互いに危なそうでちょっと遠い

 第1-2図に入れる前に△79銀などは入れておいたほうがいいかもしれません。第1-2図は▲73龍から後手玉が危ないですが、詰めろには至らず。対する先手玉も有効な詰めろがかからないです。
 後手も先手も受けが利きそうで、形勢は難解かと思います。が、駒が多い先手がさすがにいいかな。

 ただし、△56角に代えて△67成桂▲同玉△56銀'第1-3図)も有力。

第1-3図。桂馬が抜かれるし取れなさそう

 第1-3図で①▲77玉②▲78玉どちらも△65銀。▲同歩だと、
 ①△57飛成▲67合△66角以下、②△66桂以下詰みで、この銀が取れません。取れないからと言って後手勝ちなのかと言われると分からないのですが、先手が勝つのが大変ということは確かです。


 さて、では課題図でなのですが、私が思ったのは後手玉に詰みが生じるのでは?という疑問。▲67同銀。以下△67同成桂が第2図。

第2図。これが詰めばいいのに

 まず第一感で読んだのが▲73龍△同玉▲65桂。詰ますなら基本的にこの筋かな、と思ったのですが、これには△63玉(第2-1図)。

第2-1図。4筋方面が広い広い

 第2-1図から▲73金は△54玉で見るからに詰みなし。右辺に利かせながら王手を続けなければ効果が薄いです。
 そこで▲64銀ですが、△同玉▲73角△54玉(第2-2図)でやはり右辺が広く捕まりません。。なお△54玉は▲55銀△43玉▲21角からトン死です。

第2-2図。逃げ切られ形。

 そこで、参考2図では▲83銀(第2-3図)と打ちます。しまのばさんも見えていたようなのですが、読み切れなかったとのこと。
 以下は①△83同玉、②△93玉、③△81玉の3択。順にみていきます。

第2-3図。詰ましに行く第2の手段。

 第2-3図で①△83同玉は以下▲75桂△同歩▲74銀(第2-4図)と進みます。

第2-4図。だいぶと見えてきた。

 第2-4図で△74同玉は▲65角△64玉▲54金。▲83銀~▲75桂はこの詰みが見える所から考え始めます。
 △92玉以外は▲73龍から詰み。一例として△82玉は▲73龍△81玉▲82銀△同飛▲同龍△同玉▲73角(第2-5図)で詰み。

第2-5図。あとは金を打つだけのゲーム

 第2-4図で△92玉には▲52龍があります。以下、△52同金は▲83金△81玉▲61飛(第2-6図)以下詰み。

第2-6図。これもピッタリ。

 ▲52龍に合駒をしても▲83金~▲61龍~▲82飛から清算すれば詰みます。
 したがって2-3図で①△83玉は詰み。
 続いて②△93玉。(第2-7図)

第2-7図。理屈は変わらず。

 第2-7図では▲94銀成が手筋。以下、△94同玉▲95歩△83玉でも、△92玉▲83成銀△同玉でも、単に取った局面とほぼ同一形です。
 手順で特段変化する場所もなく、同じ理屈で詰みです。
 最後に③△81玉(第2-8図)。

第2-8図。ここで絶好手が

 第2-8図は52の飛車の利きが大きく詰ますのが難しいです。例えば▲63角△72銀▲93桂△同香▲92銀は△71玉(第2-9図)で逃げられ模様です。

第2-9図。逃れの模様

 で、第2-8図で困ったようなのですが、なんと▲71金!(第2-10図)が絶好手。

第2-10図。絶好の金捨て

 第2-10図は取るしかないのですが、①△71同玉は▲73龍が王手になり詰み。②△71同金はそこで▲63角として、(1)駒を打つor飛車で合駒は▲93桂~▲92銀、(2)△72金の移動合は▲同銀不成△同飛▲同角成△同玉▲71飛(第2-11図)で詰み。

第2-11図。作ったような詰み

 この順を発見した興奮で記事を書きました。
 ……が、盤面を作成している際に気づいてしまった。第2-9図に詰みがあるため第2-11図は出現の必要なし。

再掲第2-9図。全然逃れてない

 2-9図以下は▲81金△62玉▲72銀成以下詰み。
 この詰みは72の合駒が何であっても変わりません。興奮し損ってやつですね。まあこういうこともあるよね。

 というのが本題なわけですが、結果的に課題図で▲67同銀なら先手勝ちだったんじゃないかな、というのが私の検討でした。


 なお、24検討ソフトが▲71銀(第3図)を示したらしい(やきそばさん談)。

第3図。またしても71にタダ捨て

 これは示されるとなるほどの手で、①△71同玉は▲73龍で詰み。②△同金は▲52龍~▲57龍と攻め駒をもぎ取って先手よし。③△81玉などでは▲73龍で先手よし。先手玉は詰みなし。

 ただ、△83玉のときは結局▲67銀に合流しそうな気がします。▲82金から飛車を取って▲73龍~▲65桂など筋としてありますが、さすがに足らなさそう。


 といった感じです。
 手順を見つけた興奮がサヨナラバイバイしちゃったね、悲しいね、というお話でした。

 A2の将棋については全部チェックして触れていく予定ですが、別リーグの将棋についても今後ちらっと触れられればいいな、と思っています。

 それではまた。


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