シールドの技術 ~もう運ゲーとは言わせない~

こんにちは1-3dropです。大して実績もない私ですが、シールド好きが高じて戦略記事を書いてみました。
GP千葉を目前に控え、必要に駆られてシールドを始めたプレイヤーも多くいるかと思います。しかし、世間のシールドに対する印象は概ね「ボムゲー」「運ゲー」というマイナスなものばかりで、その面白さは理解されていないように思います。
そこで、これを読んだ人がシールドをより楽しめるように(スパイク的な楽しさではありますが)、シールドの技術介入度の高いポイントにフォーカスしてお話したいと思います。

前書き

本稿で扱うカードや環境は、特に言及がない限りコモン/アンコモンのことを指しています。これはレアまで想定に入れてしまうと、普遍的でないシチュエーションを取り扱う必要があるためです。
また、読者はある程度シールドに触れたことがあるプレイヤーを対象にしているため、前環境や略称に関する知識が前提となった説明が含まれることをご容赦ください。

シールドにおけるメタゲーム

メタゲームという用語は一般的には構築戦において使用されますが、最近ではシールドにもメタゲームが存在することが認知され始めています。その意味はプレイヤーによって千差万別で、明確な定義付けはなされてはいないようです。
私としてはメタゲームとは、「周囲の環境認識」であると考えています。つまりは、他のプレイヤーがどのようなカードを使いたいと考えているか、ということです。

低マナ域のクリーチャーが強い環境との認知が進んでいれば、マナカーブの頂点は2~3マナ域に。逆に低マナが弱く、遅い環境だと認知されていれば頂点は重くなっていきます。
大多数のプレイヤーが同じ環境認識を持った時には、環境が変化するタイミングが訪れます。マジックの鉄則に従い、最初はより重くシフトしていき、ある程度までそれが進むと、今度はアグロ戦術が幅を利かせるようになります。
相手が使ってくるカードが変われば、カードの強さも変化します。
一部の抜けて強いカードを除けば、評価基準はメタゲームの影響を受けるのです。

抜けて強かった人たち

M20環境の例を挙げましょう。

2マナ3/3防衛。
一見すると何の変哲もない壁ですが、メタゲームによって価値を大きく変える一枚です。
M20環境においては、同マナ域にはこの魚を乗り越えらえる者は1人もおらず、一方を取れるようになるのは基本的には4マナから上になります。
なので環境がアグロ寄りであれば、実はメインデッキに2枚以上の採用にも理のあるカードです。
しかし、「ピラニアは意外と使える」との認知が進めば、ピラニアの採用枚数は増え、防衛同士の不毛な睨み合いが頻発します。
メインのアタッカーは回避能力を持ったものか、3/3相手に一方を取れるサイズのクリーチャーが採用の基準になります。
こうなってしまっては、もはやピラニアを採用する理由である「低マナに強い」というメリットは生かせなくなり、カードの評価は大きく下がります。

他のカードにも同じようなことが言えますね。
デカブツが増えれば接死の価値が増し、ディッチャが増えれば装備品は価値を落とします。
「2マナ中心のテンポデッキが強い」
「ディッチャメイン環境」
「垂直落下はサイドカード」
これらの環境のセオリーは、発言者のプレイしたタイミングに左右されるので、注意して取り入れましょう。

メタゲームを基にカードを選択することは構築では当たり前のことですが、シールドにおいても同じように考えるべきです。
加えて言えば、シールドとドラフトではメタゲームが異なるので、どちらかだけを練習しても、もう一方の理解は進みづらいということにもなります。

デッキ構築

構築はシールドの華であり、お話ししたい内容はたくさんありますが、ここでは「組み間違いをしないおすすめの組み方」ついて解説します。

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