「え、あの時参加してなかったら、メイとも出会えてなかったんだ」 マコさん(野原真子)が感慨深そうに笑うと、メイさん(青木明衣)も呼応するかのように笑みを浮かべた…
2019年8月。夏の甲子園。 岐阜代表・中京学院大中京(現・中京)は、優勝候補を次々と撃破した。 緻密な継投策で流れを呼び寄せ、終盤に試合をひっくり返す。 東海大相模…
同級生の声はため息交じりだった。 「曳やままつりが中止になったのは、戦争中と今のコロナ禍くらいかな。600年以上続けてきたのが、“コロナさん”で止まりました」 嘆…
日曜はTBS系列のドラマ『ドラゴン桜』を観る。 阿部寛さん演じる桜木建二が、落ちこぼれの高校生を東京大学へ合格させるストーリーだ。 6月6日の放送では、東大専科の生徒…
中学校を卒業して、もう6年が経つ。 それでも、多くの先生方との関係が続いている。とても幸せなことだと思う。 パソコンの画面に映るけんたろう先生もその一人だ。僕たち…
2017年10月24日。 バスから降り立った勝利の立役者は、歓喜の出迎えに目を奪われた。 校舎の窓から顔を覗かせた生徒が、駐車場のヒーローたちへ叫ぶ。 「おめでとう!」「…
17歳で選んだ道 北欧の地で続ける挑戦杵渕周真(きねぶち・しゅうま)(23)は根っからの挑戦者だ。 2014年。 高校2年(苫小牧東高校)の夏にフィンランドへ留学した。目…
「諦めなければ何でもやれるって、本気で思ってるんで」——笠川真一朗さん(26)の言葉には、熱がある。真剣な表情で、言いよどむことなく言葉を口にする。関西弁を交え…
真っ黒に日焼けをした武山智史(たけやま・さとし)さんは、自身を「カメラマン兼ライター」と名乗る。腕の皮が日焼けでめくれているのは、この夏もカメラを手にとり、取…
言葉の力に気付いたのは、中学生の頃でした。 僕の学年は「語り合う学校」を目指し、積極的に言葉を伝え合う風土をつくろうとした世代です。声が揃わない合唱、淀んだ人間…
Fujitsuka
2021年10月10日 17:28
「え、あの時参加してなかったら、メイとも出会えてなかったんだ」マコさん(野原真子)が感慨深そうに笑うと、メイさん(青木明衣)も呼応するかのように笑みを浮かべた。2人は上智大学の学生団体「Go Beyond」に所属している。マコさんとメイさんは、その団体で共に代表を務めてきた。周りに流されているような人間で…2018年初夏。平昌五輪を訪れた上智大学の学生により、「ソフィア オリンピッ
2021年8月10日 19:50
2019年8月。夏の甲子園。岐阜代表・中京学院大中京(現・中京)は、優勝候補を次々と撃破した。緻密な継投策で流れを呼び寄せ、終盤に試合をひっくり返す。東海大相模や作新学院を下し、ベスト4へ進出した。しかし、勝ち上がるチームの陰で、一人の選手がもがいていた。3番打者を任された増田大晟。左の長距離砲として、岐阜大会では2本の本塁打を放っていた。勢いそのままに乗り込んだ甲子園。その夢舞
2021年7月29日 18:51
同級生の声はため息交じりだった。「曳やままつりが中止になったのは、戦争中と今のコロナ禍くらいかな。600年以上続けてきたのが、“コロナさん”で止まりました」嘆き声の主は水谷光佑さん。僕の中学の同級生だ。幼い頃から、祭りの舞台を踏んできた。22歳になった今も、地元で祭りを支え続けている。祭りへの想いを問われると、水谷さんは堰を切ったように語り出した。「俺、思ったことがあるんやけどさ
2021年6月21日 18:01
日曜はTBS系列のドラマ『ドラゴン桜』を観る。阿部寛さん演じる桜木建二が、落ちこぼれの高校生を東京大学へ合格させるストーリーだ。6月6日の放送では、東大専科の生徒たちが「東大模試」を受験する様子が描かれた。初めての模試に、ある女子生徒は自信を失いそうになる。人生で何かを頑張ったことがないというその生徒は、東大受験を思い悩んでしまう。模試の返却前、桜木はその生徒に「お前は生まれ持っての幸運
2021年1月13日 17:15
中学校を卒業して、もう6年が経つ。それでも、多くの先生方との関係が続いている。とても幸せなことだと思う。パソコンの画面に映るけんたろう先生もその一人だ。僕たちの学年を3年間担任して頂いた。2020年12月上旬。コロナ禍での学校現場のインタビューを求めると、けんたろう先生は二つ返事で快諾してくれた。「久しぶりやね。ここは2階の教室です」黒縁メガネのけんたろう先生は、相変わらずラジ
2020年12月2日 16:05
2017年10月24日。バスから降り立った勝利の立役者は、歓喜の出迎えに目を奪われた。校舎の窓から顔を覗かせた生徒が、駐車場のヒーローたちへ叫ぶ。「おめでとう!」「すごいぞ!」カラフルな色彩を放った声が、田んぼに囲まれた公立高校に弾けた。こんなことあるんだな…。キャプテンの今津貴晴は、その時初めて、数時間前の勝利を実感した。☆ ☆ ☆岐阜県立大垣西高校。ほとんどの生
2020年10月22日 17:33
17歳で選んだ道 北欧の地で続ける挑戦杵渕周真(きねぶち・しゅうま)(23)は根っからの挑戦者だ。2014年。高校2年(苫小牧東高校)の夏にフィンランドへ留学した。目的は異文化理解だったが、受け入れ先のホストファミリーの計らいもあり、国内のジュニア4部リーグでプレーした。翌年6月の帰国予定日が迫る一方、ジュニア2部の試合を観戦した杵渕は、ある決意を固めていた。「プレーのスキルやトレーニン
2020年10月16日 09:15
「諦めなければ何でもやれるって、本気で思ってるんで」——笠川真一朗さん(26)の言葉には、熱がある。真剣な表情で、言いよどむことなく言葉を口にする。関西弁を交えた勢いのある語りには、笠川さんの真っ直ぐな人柄が滲(にじ)み出ているようだった。 笠川さんは異色の経歴の持ち主である。龍谷大平安高校野球部でマネージャーを務め、3年夏に甲子園に出場。その後は立正大学へ進み、野球部のマネージャーを続けた。
2020年10月15日 08:57
真っ黒に日焼けをした武山智史(たけやま・さとし)さんは、自身を「カメラマン兼ライター」と名乗る。腕の皮が日焼けでめくれているのは、この夏もカメラを手にとり、取材に駆け回った証だろうか。 武山さんは身振り手振りを交えながら、カメラマンとライターの両方に取り組む自身の経験を語った。ここでは、武山さんの講義を5つの項目に分けて書き起こす。(熱心に語る武山智史さん 撮影=筆者)1.「カメラマン
2020年10月14日 15:54
言葉の力に気付いたのは、中学生の頃でした。僕の学年は「語り合う学校」を目指し、積極的に言葉を伝え合う風土をつくろうとした世代です。声が揃わない合唱、淀んだ人間関係、行き詰まった学級活動。そんな学校生活のなかで、それぞれが言葉で伝え合うことを大切にした世代でした。中学生は大人の世界へ半歩ほど足を踏み入れる年ごろです。背伸びをして何かを語ることやキレイな言葉を口にすることに、抵抗感を抱く年齢