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エリカの思い出

高校から大学時代にかけて、語学堪能で知性があるにもかかわらず、いつも奥ゆかしい態度で淡々と仕事をこなしている社会人の女性に憧れの思いを抱いていました。

まだ進路も定まらない私でしたが、そのような雰囲気の女性でいたい、と思っていたことを思い出します。実際には様々な経験を経て奥ゆかしいにはほど遠い女性として歳を重ねていますが。

昨日、新宿御苑で葉桜になりつつあるソメイヨシノや満開の八重桜を満喫した私は、最後に、蛇の目エリカの花に出会いました。

先ほどの憧れの女性に、誕生日プレゼントのリクエストを尋ねた返事が、エリカの鉢植えでした。その時初めてその花の名前を聞き、2月のことでしたから、寒い時期の花屋さんの店頭でその名前の鉢植えを見つけた時には、嬉しさと、その花の佇まいに、彼女の飾らない、けれども真のある美しさを重ねました。

今日気になって調べたところ、もともと南アフリカの花で、大正時代に日本に来たとのこと。地球の🌏反対側の花がこうして日本の地に根付いていることにも感慨を覚えます。そして寒さに強い花であることなど、私のエリカに対する第一印象が間違いではなかったと思いました。

好きな花には心が投影されるように思います。若い頃はちょうど花束に欠かせなかった、かすみ草が大好きでした。かすみ草だけの大きな花束に憧れたものです。

今は❓ と自問して戸惑いました。一つ選ぶことはとても難しいですね。春一番に咲いてくれる水仙も好きですし、桜や薔薇も好きです。野の花のぺんぺん草も道端で見つけるとホッとします。これからの季節の藤の色もなんとも大好きです。

さてどうしよう。

今日あえて言うならば、夏蜜柑の花でしょうか。小さな白い花ですが、香りがとても爽やかな甘さで、花の季節は気候も良いので思わず深呼吸したくなります。

エリカから話が逸れてしまいましたが、花のことを考えるだけでもそれぞれの花にまつわる思い出が心にあふれてきます。

エリカの花の一つ一つはとても小さいですが、集まった時の美しさを思うと、私の小さな思い出をこうして綴ることで、私という命の姿が見えてくるでしょうか?

自分でも楽しみです。

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