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年間400冊の絵本を読む息子は、どうやって本を選んでいるのか、一度振り返って観察してみた

ぼくが暮らす明石市には、「子育て支援センター」という小さな子どもの遊び場がある。そこには、子ども用の小さな図書室も併設されており、毎週末、3歳の息子と絵本を借りにいくのが我が家の習慣だ。

この図書室では、1人につきカード1枚が発行され、1枚で2冊、本を借りられる。ぼくの家族は4人なので、4枚×2冊で8冊。毎週末借りにいくので、年間で計算すると52週×8冊で416冊。借りた絵本だけでも、ざっと400冊以上の絵本を、息子は読んでいることになる。

大きな図書館だとそもそも絵本が多すぎたり、お客さんが多すぎて蔵書順がバラバラになってしまっている、などの課題があって、なかなか子ども自身に本を選んでもらうことが難しい。
でも、この図書室は利用者も少なく、そもそも蔵書もかなりセレクトされている。絵本はきちんと作家別に並んでおり、3歳の息子でも自分の好きな絵柄の本とか、保育園で読んだことのある本を容易に探し出すことができる。また、季節のおすすめもちゃんと面出しされていて(今だと節分とか雪遊びとか)、親としてもありがたい。

そこで息子は30分ほどかけて、じっくりと絵本を選ぶ。

まずは、(馴染みの店で「いつもの」と言わんばかりに)「ペネロペ」や「14匹の〜」などシリーズがたくさんある本から2,3冊選ぶ。息子なりの「いつもの」絵本があるのだろう。

それから、残り5冊は、毎回気になったものを引っ張り出す。基本はジャケ買い方式だ。しかしその際、表紙というより「背」で選んでいるから、あの少ない情報量の中からどういう基準で選んでいるのか、とても興味深い。

(いま、息子が起きてきたので「どうやって選んでるの?」と聞いてみたら、「こうやって、よいしょよいしょって選んでるの」と本棚から本を出す動作を説明してくれた)

15分くらいかけて、床の上に十数冊並べ終えると、そこでぼくが声をかける。「じゃあ、ここから8冊選ぼうね」。しかし、息子は毎回選べない。もちろん、全部読みたいからだ。

ここで「どれが読みたい?」と聞くと「全部」となるので、「じゃあ今週はどれがいらない?」と聞く。するとなぜか、いらない絵本は選べる。最近読んだものだったり、ページをペラペラめくって、しっくり来なかったやつだったりを「いらない」と言う。ちなみに、ここにこっそりぼくが選んだものを混ぜていても、あっさり却下される。

このやりとりで10分くらい。そして、ようやく8冊が決まると、最後に念押して「これで借りて大丈夫?」と聞く。息子なりの微調整が入る日もあるからだ。

8冊となるとけっこう重たいのだが、「よいしょ」と全身を使いながら、本を受付まで運び、司書さんに渡して本を借りる。そして、絵本専用の白いトートバックに大事にしまって、妹のベビーカーにかけておく。それから、少しだけおままごとやブロックで遊んでから家に帰る。

家に帰ってくると、息子はまず8冊全部をぼくか母親と一緒に読む。それでだいたいストーリーを覚えるから、昼の間は、息子はページをペラペラとめくりながらずっと一人で読んでいる。寝る前には、毎晩3冊だけ選んで、また親と一緒に読む。 

息子は、2歳の時からこの習慣を続けているから、保育園を卒園するまで続けば、息子は5年間で合計2000冊の絵本を読む、という計算になる。

これってすごいことだ。

でも、借りる本の唯一の欠点は、読んだ記憶は残っても、記憶は残らないということ。だから、なんとか、子どもが卒園するときに、「君はこんなにもたくさんの絵本を読んだんだよ」と教えてあげたい、褒めてあげたい、と最近考えている。

男の子が大好きな電車とか車とかには全然はまらないし、お絵かきも集中できないし、外遊びの運動神経も今のところあまりよくないけれど、絵本を読むことは、きっと得意で、大好きなことだからだ。

思い切って、全部買うか(無理!)、ブクログに全部記録するか(現実的)、表紙だけコピーしてアルバムにするか(おしゃれ)考え中である。

誰か、何かいいアイデアがあれば教えてください。

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