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『龍馬伝』と坂本龍馬

ワクチンの二回目接種が終わった。体調の変化がどうなるか分からないので、書ける間に(不調ではないうちに)noteを書いておく。

先月放送された、ぴったんこカンカンの最終回(録画)をやっと観た。バラエティー番組を録画することは滅多にない中で、どうしても観たかったのが大泉洋さんが語る”福山雅治伝説”である。

大泉さんのお人柄からして、番組を盛り上げるために話を盛っていらっしゃるということは、容易に想像がつく。しかし、それを差し引いても大泉さんと福山雅治さんとの関係は、涙が出るほど面白い。


私が大泉さんと福山さんのタッグを初めて観たのは、大河ドラマ『龍馬伝』(2010年)だった。これが、初めて大河ドラマなるものを一年通して全編、観た作品だった。

題材が坂本龍馬で、そこに福山雅治さんを当てるのだから、それだけでも”勝ち”なドラマだっただろう。実際の視聴率等は知らないが、本放送を録画するだけでなく、何なら再放送も録っておいて繰り返し観た回は一つや二つではない。

坂本龍馬である以上、最後はどうしても決まっている。近江屋で中岡慎太郎とともに暗殺される最終回(48回目)は、分かっていても沈んだ気持ちになる。滅多斬りされた福山さんが息絶える場面は、敢えて一度しか観なかったにもかかわらず、またお芝居と知っていても悲痛な思いをした。

坂本龍馬と言えば幕末の英雄に留まらず、日本のヒーローとされる。それだけにファンも多いが、一方で永遠の英雄扱いを嫌うという人も少なくはないだろう。もともと特に幕末好き(12代将軍:徳川家慶以降が堪らない)なので、坂本龍馬の熱烈なファンでも、福山雅治さんのファンでもないが、私は観ないわけにいかなかった。

薩長同盟の締結と、坂本龍馬と後藤象二郎の会談が大好物である。実際の坂本龍馬はあの有名な写真姿しか知らないし、ドラマでは福山さんのおかげで何倍も格好良い龍馬だったに違いない。

あちらこちらで人の血が流れ、龍馬自身も方々から命を狙われた時代/時期において、極力刀や武器に頼らず”にっぽん”を作ろうとしたことは、特筆に値すると私は思う。変えられない「もし」だが、「もし」坂本龍馬が近江屋の追手から逃れ、明治政府が少なくとも一旦は安定するまで生きていたら、時代は変わっていただろうと今でも考える。きっと、敗戦後に尽力した白洲次郎氏のような存在になったのではないか。


しかしまあ、何度聞いても『龍馬伝』で大泉さん演じる近藤長次郎の死(自刀)が当初の予定より早くなったと分かった時の、大泉さんと福山さんのやり取りが抱腹絶倒である。

大泉さんとの別れが早まったことを(先に)台本を読んで知っていた福山さんが、とにかく最後までそれを読むように大泉さんに勧める。労いや慰めの言葉をかけるのかと思いきや「とにかく、格好良いの。僕が。」とご満悦な福山さん。その態度はあんまりだったと、10年以上経った今でも不満を漏らす大泉さんなのである。

確かに、長次郎の死を悲しみ悼み、二人だけで飲もうという約束が果たせなかった龍馬が、長次郎の分もお酒と膳を用意させて、彼の写真を見て涙ながらに盃を傾ける場面は、とても格好良かった。龍馬(福山さん)が。今も、はっきりと覚えている場面である。

DVD-Boxは立派なお値段だし、オンデマンド配信も別料金。再放送の予定もなさそうなのだが、もう一度(最終回を除いて)『龍馬伝』を観たい。



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