車椅子ユーザーと電車の振替輸送

先日、宝塚まで行こうとして電車に乗っていた(観劇とは関係なしに)。大阪駅は乗降客が多く大変なので、乗り換えはいつもあま(尼崎駅のこと:関西では、あまということが多い気がする)だ。

すると、大阪駅で宝塚線運転取りやめ(人身事故)のアナウンスが流れた。宝塚までは大阪駅で下車して、阪急電車での振替に乗車するようにという。普通の人(ここでは「健常者」を指す)なら、それでいいのだろう。もちろん、遅延や電車内の混雑はあるが、それは措く。

しかし、私は車椅子ユーザーゆえ、乗降が一人ではできない。その日はあままで乗るつもりだったので、板持ちの駅員さんは大阪駅には来ていない。そういう連絡はしていないのだから、当然である。したがって、急に大阪で降りて振替の電車に乗ることは、不可能なのである。

結局、その日はあま迄行ってから大阪駅に引き返し、宝塚へ行くことは諦めた。JRと阪急は別会社なので、車椅子での乗降の連絡がまた別途必要になるし、振替分の乗客で混雑していれば、いつ電車に乗れるか分からない。平時でも、乗降する駅への連絡が必要なので、1,2本電車を見送ることが普通である。ましてや運行トラブルに遭遇すれば、運転再開後30分ぐらいは乗れないと思っている。

ただでさえ、遅延や混雑で殺伐とした雰囲気の中、車椅子で乗ろうものならさらに肩身が狭い思いをする。それは、どうやらバギーや乳幼児を連れた人も同じのようである。

こう書いてきたが、このような現状を嘆いたり、不満に思ったりしているわけではない。よく駅員さんが謝って下さるが、彼らが悪いわけではないし、こちらが怒るのも筋違いだ。

ただ一つ、疑問がある。

急に予定していた駅で下車できなくなったり、振替輸送で他の電車へという案内があったりした場合、ほかの車椅子ユーザー(ないし、駅員さんによる何らかのヘルプが必要な人)は、どうしているのだろう。

連絡ミス?や勘違いで、下車予定のホームの反対側で板持ちの駅員さんが待っていたことはある。その時は、周囲の人に声をかけ降ろして頂いた。ゆえに平時であれば、問題はない。しかし、突発的なトラブルの際は…。

たとえ先日、大阪駅で下車して阪急への乗り換えがスムーズにいったとしても、あまで待っている駅員さんへの連絡はどうなるのか。大阪で降りてから事情を説明し、その旨連絡してもらうのか。そんなことをしている間に、乗っていた電車は尼崎駅に着いている。乗っているはずの(車椅子ユーザーの)客がいなければ、先方も戸惑うだろう。

あの日は予定を変更しても支障がなかったから、事なきを得た。だが、毎回そうとも限らない。

振替輸送が絡むトラブルには、いまだ慣れない車椅子ユーザーの私である。

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