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ミスチル歌詞から紐解く アルバム全曲解説 19thアルバム「重力と呼吸」[秋がくれた切符]

19thアルバム「重力と呼吸」8番目の曲です。以下歌詞全文引用します。

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風の匂いもいつしか 秋のものになってた
カーディガン着た君の 背中見てそう思う

公園の緑は その葉落としはじめて
カバンの中に一枚そっと着地した

神様が僕らにくれた
何かの切符みたいだ
でも どこへ行けというんだろう
木の葉眺めて思う

茜色の夕日は 綺麗で切なくて
このまま時間が止まればいいのにな

神様が僕らにくれた
何かの切符みたいだ
でも 何の褒美なんだろう
今日も喧嘩したのに

神様が僕らにくれた
何かの切符みたいだ
君はまだ気付いてないんだな
その贈り物に

風の匂いもいつしか 秋のものになってた
寒そうにしてる君に 駆け寄り手を繋ぐ

<出典>秋がくれた切符/Mr.children 作詞:桜井和寿

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この曲も3分半程とコンパクトな短い曲です。桜井さん自身も壮大で、ストーリーが大きすぎるものはあきてしまうといっており、現代のリスナーとして普通に影響を受けていることから、なるべくコンパクトな曲が良いという価値観がこの曲にも表れていると思います。

この曲に関しても、歌詞に関しても詳細なインタビューがないので、ここからは私ながらの歌詞の解釈をしたいと思います。

これは結構長く、喧嘩をしちゃってるカップルのお話。桜井さんは歌詞の世界観を曲に合わせて日常から始まり壮大なものにしていくという作り方を以前はしていたが、今は日常で完結するような歌詞が多くなっているとのこと。いち生活者としての視点が当たり前になっているようです。季節は勿論秋でしょう。冬よりですね。彼は彼女のカーディガン姿を後ろから見ている。手を繋いで横並びではないってことですね。彼女のカバンにひらりと散った葉っぱが入ります。彼女はまだ気付いていない。彼もなんかの切符みたいだなとは感じているものの、まだピンときていないでしょう。ただ切符と表現されているので、あれっ何かなこれはって感じで思考が巡り始める。そんな思考をしながら、思わず茜色の夕日に見惚れる。きれいだなーという感じる一方で、切ない。とりあえず、この見惚れている感じで時間が止まってくれないかなと妄想するわけです。現実が結構つらいから。ここでまた思考が巡ります。落ち葉の切符は何のご褒美かと。今日も喧嘩中なのに。このあたりで彼はこの落ち葉切符の使い道を閃くわけです。贈り物だったんだと。そう、彼女との仲直りのきっかけに、落ち葉切符がネタになって、きっとにゅるっと仲直りできるだろうと。寒そうにしている彼女に近づき、手を握って、落ち葉切符のことを彼女に話しかけて、仲直りって感じでしょうね。こりゃ、付き合い始めて結構始めの方で初めて喧嘩しちゃった若いカップルって感じでしょうかね。それなりの年齢のカップルだったら、いちいち落葉の切符に頼って仲直りなんてしませんな。夫婦でもないでしょう。まだまだ若いカップルです。こんななんて事のないストーリーと歌詞ですが、やっぱりダイナミズムを感じます。これは桜井さんの言うように、気持ちよく声が出るメロディで作るからこそ、壮大な曲に聴こえるのでしょうね。


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