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ミスチル歌詞から紐解く アルバム全曲解説 18thオリジナルアルバム「REFLECTION」{Naked}⑪[足音 ~Be Strong]

ミスチル18thオリジナルアルバム「REFLECTIO」{Naked}の11番目の収録曲です。13年ぶりの“月9"主題歌として、フジテレビ開局55周年の記念プロジェクトドラマ『信長協奏曲』に書き下ろした「足音 ~Be Strong」です。歌詞全文引用させていただきます。

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新しい靴を履いた日は それだけで世界が違って見えた
昨日までと違った自分の足音が どこか嬉しくて
あてもなく隣の町まで 何も考えずしばらく歩いて
「こんなことも最近してなかったな・・・」って ぼんやり思った

舗装された道を選んで歩いていくだけ そんな日々
だけど もうやめたいんだ
今日はそんな気がしている

夢見てた未来は それほど離れちゃいない
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
時には灯りのない 寂しい夜が来たって
この足音を聞いてる 誰かがきっといる

疲れて歩けないんなら 立ち止まってしがみついていれば
地球は回っていて きっといい方向へ 僕らを運んでくれる

どんな人にだって心折れそうな日はある
「もうダメだ」って思えてきても大丈夫
もっと強くなっていける

今という時代は いうほど悪くはない
また一歩 次の一歩 靴紐を結び直して
喜びを分かち合い 弱さを補い合い
大切な誰かと歩いて行けるなら

もう怖がんないで 怯ま(ひるま)ないで 失敗なんかしたっていい
拒まないで 歪めないで 巻き起こってる
すべてのことを真っ直ぐに受け止めたい

夢見てた未来は それほど離れちゃいない 
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ!
例えば雨雲が 目の前を覆ったって
また日差しを探して歩きだそう
時には灯りのない 孤独な夜が来たって

この足音を聞いてる 誰かがきっといる

<出典>足音ーBe Strong/Mr.Children 作詞:桜井和寿

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桜井さんの解説も引用します
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シングルということで紆余曲折を経てできた曲です。ポピュラリティや、包容力を必要とするサウンドを持つ作品になるべきかなと思って作っていました。タイアップになり、お茶の間に流れていって、色んな日常、いろんな生活、いろんな問題を抱えている人が歌を聴いたときに、自分の人生を投影できる包容力を持った曲になれば良いなと。それは歌詞も含めてですね。

桜井さんも言っているように、シングルとして非常に大衆に「置き」に来ている作品ですね。
気持ちが前向きになるようにとにかく君は頑張ってるから大丈夫と
<<疲れて歩けないんなら 立ち止まってしがみついていれば
地球は回っていて きっといい方向へ 僕らを運んでくれる>>
この辺が一番サラリーマンには受けがよさそうです。ただうがった見方をしますが、これって救いようのない歌詞ですよ。本当は。前に進めなくなったら会社にしがみついてればいいと。しがみついていれば、時間がたってことが上手く回ると。そんなことないでしょ。ことが良くなるには、前に進まないと。根性出して。しがみついてった、解決しない何かが先送りなるだけです。諦めたサラリーマンには心地が良いんでしょう。
さらには<<どんな人にだって心折れそうな日はある
「もうダメだ」って思えてきても大丈夫
もっと強くなっていける>>
コレコレ。好きでしょサラリーマン。ダメだって心折れそうな瞬間じゃなくて、その日、24時間ッテところがミソですね。その日を諦めていいって共感してくれてますもんね。これで1日なんもしなくたっていいって自分を慰めるのでしょう。哀れです。もっと強くはなれません。何かしないと。その日を諦めて朝から酒なんか飲んでしまって日には、逆に弱くなってるでしょうね。
さらにさらに<<もう怖がんないで 怯ま(ひるま)ないで 失敗なんかしたっていい
拒まないで 歪めないで 巻き起こってる
すべてのことを真っ直ぐに受け止めたい>>
失敗なんかしたっていい、はものすごく共感します。失敗しないと次にいけませんから。その後の歌詞ははないですね。すべてのことを真っ直ぐに受け止めちゃうから勝てないんですよね、拒むべきは拒む、歪めないでは確かに、きちんと現状の問題を歪めないで把握してですね。きちんと現状を把握して、全てを受け止めてねじ伏せるのは、いわゆる横綱相撲。つまり、横綱しかこの方法はやってはいけない。普通のサラリーマンがやったら、負けが込むだけですね。音楽界の横綱である「ミスチル」(桜井和寿)だから取れる手法です。

まとめ
ちょっと批判めいた内容を書きましたが、自分もかつては弱いサラリーマンでした。世の中を理解せずに舗装されてる風の道を歩んでいたんですね。あくまでも「ふう」です。幻想の道を。ただその道を自ら降りて、新しい道からその幻想の道を俯瞰すると、その道の舗装されていない具合に気づくわけです。この手の聞こえのいい歌詞・サウンドはもう今の自分には響かないんですね。逆に、桜井さんの狙いの方に目がいくってことです。この曲を聴いて、励まされているようでは、一時のマッチ売りの少女の心地よい幻想の灯りをみているようなものです。すぐにその心地よさは消え去りますでしょう。マーケティングに特化したような曲は、単層的で面白くないですね。メタファや皮肉が込められているような複合的に要素のある「addiction」みたいな曲の方が面白い。みんな狙われてミスチル中毒にされてますからね。自分も自らいってますし。モンスターバンドが支持される所以です。

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