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ミスチル歌詞から紐解く 全曲解説 19thアルバム「重力と呼吸」[day by day(愛犬クルの物語)]

19thアルバム「重力と呼吸」の7曲目です。以下歌詞全文引用します。

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愛犬クルは行儀よく主人を慕う
どんな時だって嬉しそうにその尻尾を振る
um 彼の顔なんて美味くないだろう?
扉開く度 駆け寄り舐めている

um 時には悲しみ
um 孤独に似た日々
固いベットで分けあって
週末の旅 助手席に乗り移動
何かを補い合うように暮らす二人

So day by day
And day by day
愛おしさは深くなっていくよ

愛犬クルは仲の良い夫婦が
子供に恵まれず それでやって来たという
でも そのおかげでみんな幸せになったよ
綺麗だったあの女性(ひと)がいなくなってからも

um 忘れぬ悲しみ
um 愛した人の匂い
今もソファに残っている
あの柔らかい膝の上の温もり
夢の中思い出すように深く眠っている

So day by day
And day by day
今もなお帰りを待っているの?
So day by day
And day by day
愛おしさはまた深くなっていくよ

And day by day

<出典>day by day(愛犬クルの物語)/Mr.children 作詞:桜井和寿

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この曲についてのインタヴュアーが、こんな無邪気なロックンロール、あんまりやらいよねと。ドラムの鈴木さが、イントロからね、デデデデデデデー、何が起きたかと最初は(笑)故障?なんてやり取りをしています。その前のくだりで、桜井さんは個人の考えとして、ここ1,2年くらい歌って言うもの、声に本気で取り込んでいる(笑)自分の声は綺麗に出そうと思っても最後までは綺麗に出し切れないような、シャウトまではいかないにしても、耳障りな感触がどうしても残る。同じ歌い手が歌っても、バンドの要素によって説得力とリアリティの伝わり方が違ってくる。ノイジーな歌声には、ノイジーなバンドサウンドで後押しすることが自分の声を活かすことになるので、バンドサウンドをノイジーにしたかったと。それで、ドラム鈴木さんのくだりへとつながったわけですね。

桜井さんは、声と曲のダイナミズムについて語っています。曲がダイナミズムを持つのは、自分が歌える声のダイナミクスをフルに使おうと思っている。どういうダイナミクスで作るとシンガーとして気持ちいいかという快感に引っ張られて曲を作っているからダイナミックなメロディになると思う。広瀬香美さんなんかもそういう作り方なんだと思う。自分の声の幅に、気持ちよさに引っ張られて作っているから、本人自身はそんなにエモーショナルじゃない(笑)kぁもだけど、メロディはエモーショナルなんだと思う。

この曲作りのくだりはとっても興味深いですね。ライブの時にこんなにダイナミックなメロディに聴こえるのに、次の段取りを周到にこなしていくことって相当難しいことなのかなって、私は疑問に思ってたりしたんですが、オーディエンスが感じているほど、桜井さんはエモーショナルにはなっておらず、頭の中はクリアな、冷静な状態だから次への動きが適切に行われていると、きっとそういう感じなんでしょうね。もちろん日々の鍛錬があるからこそで、アウトプットでは最高のパフォーマンスをしているけれど、そのパフォーマンスは能力的に余裕のあるパフォーマンスの域であるということなんですね。

この曲に関しての歌詞の解説をするようなインタヴューは見つからないので、考察しますが、もしかしたらこの曲こそ、桜井さんが言っている、歌詞にはあまり重きを置いていないっていう歌作りの典型なのかなっておもったりします。つまり、この愛犬クルの物語はこのメロディありきで、このメロディを解説するのに愛犬の物語が浮かんだのでは。忠犬ハチ公みたいなイメージが浮かんで、物語をしたてたのではないでしょうか。あとはタイトルのday by day もダイナミズムを生み出すための気持ちよいリズムがあるからの文言なのではないでしょうか。直訳すると、「日に日に」っていう副詞ですが、歌詞全体の意味合いとしてはまっているかというとあんまりはまっていないと思います。どちらかというと響き重視なのではと考察します。全く見当はずれでしたらすみません(笑)

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