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ナイキシューズの独り勝ちはなぜ起きたのか?

近年、マラソンの高速化が進みその背景にはシューズを作る技術の進化が取り立たされている。

靴の中にカーボンを入れると言う発想がどこから生まれてきたのだろうか、ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%をちょっとだけ深掘りしてみたいと思う。

そもそもナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%とは何なのか? ランナーの間では、ナイキが挑戦しているフルマラソン2時間切りプロジェクト“Breaking2”のために開発された「ヴェイパーフライ エリート」(非売品)の市販モデルとして知られている。ヴェイパーフライ4%は、エリートとは使用素材が一部異なるが、基本設計や構造は同じだ。

10月12日、オーストリア・ウィーンにて、2016年リオ五輪王者で男子マラソンの世界記録保持者、エリウド・キプチョゲ(ケニア)がフルマラソン2時間切りを目的とした特設レースで1時間59分40秒2をマーク。ほぼ直線が占めるコースなど国際陸上競技連盟が公認するレースにはならなかったが、人類史上初めて2時間切りを果たした。

シューズについて知っておきたい基礎知識だが、ここから先、いよいよ知られざる事実に迫る。ナイキジャパンは、ナイキ自身が「史上最速シューズ」と宣伝していることから“速さ”にばかり目を向けられがちだが、実は“速さ”は結果としてついてくるものだということだった。
一般に、ランニングシューズに必要とされる機能は「軽さ」と「接地感」(クッション性)と「推進力」(反発性)だ。各メーカーともこれを追求するため、開発にしのぎを削っている。
ナイキはヴェイパーフライシリーズの開発のため、前出のキプチョゲ選手をはじめ多くのアスリートから意見を聞いた。その結果、軽さや推進力は当然のこととして、「クッショニング」に対する要望がとくに強かったという。選手生命を長く維持するためにも「脚への負担が少ない」シューズが求められていたというのである。

このように企業努力により、タイムが産み出されたわけだがあまりにタイムがでることから色んな規定がかけられるようになる。

新規定では各種目における使用可能なシューズのソールの厚さの数値が決められ、フィールド競技では20ミリ(三段跳びのみ25ミリ)まで、トラック種目では400メートルまでは20ミリ、800メートル以上、クロスカントリーでは25ミリまでに定められた。現在、長距離界を席巻するナイキの厚底シューズは、ヴェイパーフライが36ミリ、最新のアルファフライが39・5ミリとされており、規制対象となった。

世界陸連(WA)は、長距離界を席巻しているナイキのヴェイパーフライ、アルファフライを初めとした厚底シューズはトラックでの使用は禁止となり、違反した場合の記録は認定されないこととなった。

企業努力と選手の努力で出した記録をこのような規定で縛られるのは非常に残念である。また1番困惑しているのは、選手ではないだろうか?

いつの時代もアスリートファーストを優先に考えてもらいたいものだ!



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