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刈馬演劇設計社[劇場公演]

さぁさぁ見てきましたよ。

前回はリモート公演(※実はリモートですでに一度演ってるのです)ということだったのですが、今回は劇場公演ということでようやく見てきました。

今回は異邦人の庭という死刑制度がテーマのお話になりますね。

主な話の内容としては、ネットで応募して来た自殺志願者の7人もの女性達を自殺ほう助とはいえ結果的には殺めてしまった(※しかも死刑が確定したものの逮捕の際の事故で記憶喪失となってしまった)死刑囚の若い女性がいて、その彼女の元に(彼女を)支援するNPOに所属しているという若い男性が(※実は劇団主宰であり台本の素材として取材に来た)訪れるのですね。

そこで、会話の流れから自分を取材させ台本化を許可する代わりにこの女性は獄中結婚をこの男性に申し込むのですね。(※この"世界"での死刑執行は最初の5年間のみ死刑囚本人に執行選択権があるが、それには親族、配偶者の同意が必要だった)そして彼女の半生を振り返る"旅"が彼と一緒に拘置所で行われる訳なのですが、この男性にも台本以外にも何やら事情があるようで…

という感じですかね。

それにしたって、ごく普通の、しかも、か弱そうな乙女が7人もぶっ殺す動機って…。

さて、全体の印象としては死刑制度の現状などの説明こそあれどそこまで話が「死刑死刑」していない気がしました。国家が人を殺めることに対するとか、直接的な命の尊さとかの疑義的な話ばかりに中味が変に凝り固まっていないというか。変に大風呂敷拡げてないので暑苦しくなくて見やすい。

どっちかいうとむしろ自分も含めて人の日常に近いのかなぁ…?と。発作的な鬱のルーティーンみたいのを繰り返す私たちみたいな?。いや、あるでしょ?。心身あたりが疲れすぎて唐突にこの世から消えてしまいたくなる時とか?。それも恐ろしくお手軽すぎるくらいに。でも、ほとんどの人はそうなんですが結局は衝動的な行動だからきっと死なないんですけどね。

つまり日常ってのは、こう…生と死の間を押したり引いたりみたいな…ってなんだか劇中のパーテーションの一幕を思い出すなぁ…笑。

そんなことを思いました。

そして、見た直後の感想になりますが、人にもよるとは思いますが、半分今や引きこもり予備軍に近い自分としてははっきり言って認めたくないのですが、何かを背負い込んでしまっている人間たちのリアルを感じるという点ではリモートより劇場で見た方が得るものは多いのかなぁ?とは素直に思いました。

とにかく2人のやり取りの中で駆け引きとまでは言わずとも微妙に揺れ動く空気感がこちらにもひしひしと伝わってくるのですよね。それは場面によって重くも鋭くも和みもする訳で。これはどうやら劇場だけでしか体感出来ないものの様です。生舞台の威力ってのはスゴいですね、改めて。

では最後に印象的な台詞を少しだけ。それは「生きる権利」「死ぬ権利」ですね。

いや、生きる権利と聞いた時、頑張れないから脱落者扱いされた引きこもりの人とか孤独死あたりを想像したもんですからね。一方、死ぬ権利の方も痴呆症あたりで自分が誰だがわからないのに死ねないあたりをやはり想像しちゃったんですよね。
この2つ言葉にすると簡単かもですが自分で決められないだけに確かにしんどいですね、なんてそんなことを、ふと。

という訳で短いですが終わります。またいつかどこかの劇場でお会いしましょう!。

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