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試験管ベビー(シャッフル回+Bチーム回)[劇場公演]

さぁさぁ見てきましたよ。

歌舞伎の演目である「頼朝の死」を劇団である試験管ベビーさんが現代風に"ほぼ翻訳"???したというものでした。

つまり、最初から講談師が時おり"茶々"を入れつつ、軽妙な語り口で易しくナビしてくれるので、例えこの話を知らなくても、言い回しなんかがやたら難しい歌舞伎あたり見たこと無くても、変に知ったかぶりしなくても良いという。誠に気楽だ笑笑。

また本編に出てくる歴史上の人物にしても教科書くらいでしか知らないのでこの時代間の隔たりというかこの距離感みたいのを縮めてくれるかの様な展開が。好きでした。

なお、内容として鎌倉幕府2代将軍頼家が母である北条政子はじめ側近たちがひた隠しにする初代将軍である源頼朝の死の真相を探っていくって感じですかね。

もっとも、頼朝に女装癖があったってのとその側近の一人が実はその件に大きく関わって…ってのは驚きでしたけどね。一皮剥けば…とはよく言ったもんで、ただ、これあくまで"諸説あり"の中の一説ではあるのですけどね笑。

という訳で今回はこの演目のシャッフル回+Bチーム回を見てきました。(※人気あったのとこちらの都合でAチーム回は取れなかったのですね(泣))

さて、率直な感想ですが以前の「勧進帳と身代坐禅」より人間ドラマが濃厚な印象を受けた為かこっちの方が個人的には断然好みでした。各キャラも個性がはっきりしてて良かったし。

以下登場人物の印象を。

畠山重保
※シャッフル回…松岡修造みたく暑苦しく生き急いでる感じ。
※B回…生真面目すぎて生き方が不器用そう。
小周防(こずおう)
※シャッフル回…ロリータを絵に描いた様な。
※B回…どっちかいうとアダルトな感じ。

この2人の悲恋は全く想定外な結末だっただけに見ごたえありましたね。なお、シャッフル回はどちらかと言えば兄と妹、B回は等身大の男女って印象で個人的にはどちらも好みでした。雰囲気としてはどちらも和風というより洋風テイストの方が強めかもはしれないですね。それにしても小周防の読み方"小僧"かと真剣に思った笑笑。(←パンフ読めw)

音羽
"セクシー女優"あたりとしか。一度見たらきっと忘れられない。

源頼家
決して無能では無いんだろうけど世間知らずのお坊っちゃんぶりを遺憾なく発揮。
北条政子
頼家の中の人と役者としては年齢差たぶんそんなにないと思うのだがあの舞台上では明らかに"母"だった。

この2人の抜き差しならぬ状況の場面もなかなかに緊迫感あって良かったですね。でも頼家ってきっと若くして頂点に立ったがゆえに孤独な人だったんだろうなぁとは思いました。

中野能成
※シャッフル回…下の者にだけ強いジャイアン。
※B回…小狡そうなスネ夫あたり。
同じ人物でも役者変わるとこうも変わるかと思った。

ところで頼家に仕える家臣でも大江広元ってあっちこっちでの板挟みも含めて、まんま哀しき中間管理職にしか見えないんですが…苦労してんなぁ。

ときに源頼朝は…偉人の欠片もなかったなぁ笑笑。

ちなみに余談ですが、今回の"お客様参加システム"は拍子木(ひょうしぎ)を講談師の合図で打ち鳴らすというものでした。これが意外に空振りしそうになるという…でもみんなで鳴らすと結構快感だったりするんです笑。初体験でした。

という訳で短いですが終わります。またいつかどこかの劇場でお会いしましょう。

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