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静から動の増患対策

こんにちは。ホワイトボックス(株)コンサルティング部の阿部です。

厚生労働省が毎月公表している「医療施設(静態・動態)調査・病院報告」というものがあります。

この調査によれば、入院外来ともに以前から患者数は減少傾向にあることが分かります。背景には診療所の増加、1人当たり受診回数の減少、入院では居住系介護施設の増加などといったことが考えられ、その事実に変りはありません。

一方で今回のコロナ禍において多くの医療機関で患者が減少したなか、在宅部門における患者数の減少幅は一定の範囲の中で維持されたと理解しています。これらの事実を踏まえると、在宅医療の重要性がクローズアップされてきます。

今後、一般的に考えて増床余地の可能性は低く、とくに病院では稼働率を上げると同時に増患ができない限り病床の占有率は限られ、増患対策に後れを取っている病院の業績は厳しさを増してくることが考えられますが、在宅医療はこれらを補完する役目を果たしてくれる可能性があります。

訪問看護ステーションや訪問介護、訪問リハビリは在宅医療をバックアップしてくれる存在ですが、こうした機能が上手く機能すれば、在宅というベッドを活用することができます。退院患者を在宅でフォローし、あるいは在宅患者に入院が必要になれば病院でフォローする。

なにも新しい考え方ではありませんが、コロナ禍によってこうした考え方を現実化させていくことがとても重要になってきていると感じます。

オンライン診療も22年4月の診療報酬改定で制度が見直されました。まだ多くを期待するには性急な状況かもしれませんが、患者獲得が多角的なサービスの提供により行われることが今後の増患対策には欠かせません。

座して待つ医療から、積極的に動いていく動的思考へ、「待つ医療から出向く医療」への転換が求められています。

2022.05.03 阿部 勇司

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