no.09-02

Pm7:02 日曜日 【Kaisya】
「なーいった通りだろう!カウンターの中だよ中!美人だ!」
「年上だろ?ババーじゃねーか」
「ババーのわりに、胸なくてロリ系?」
「きっと、化粧に3時間ぐらいかけてるんだよ。」
等々、勝手なこと言いながら、ドヤドヤ入ってきてボックス席を占領している。カウンターの、親方と弟子が立ち上がるのを制して、5つのグラスをソーサーにのせ、私はボックス席へ向かう。親方と弟子は、メッチャ私の力に驚いてたようだった。小声で二人の顔の間で、
「ありがと でもここ私の店だから。」
ソーサーに載せられたグラスの水は、少しも揺らいでいない。5人の前に立っても……
「ヒャヒャ おねーさんキレーだね♪sexしよう!」
「本当にお前ババー好きだな。でも、このババー、足きれいだ。俺にもヤらせろ。」
等々、散々な事を言い終わって、
「おい!脱げよ!ここでしようぜ。そっちの女も来いよ。楽しもうぜ!」
と、言い終わるか否や、ソーサーをテーブルに置き、ローズから中身の入ったビールが投げられたのを右手で受けとる。
ぶしぃ
中身が飛び出さず指の間から、溢れている。次の瞬間、両手に缶が隠されたかと思ったら、サイコロ形にたたまれたアルミが!5人の目の前の時間が止まる。
「いらっしゃいませ。ご注文は?金があればの話だが。お前だっけババーババーって八百屋の売り込みのようにハシャいでたのはよ。私は、7時まで愛想良くしてやるけど、時間外は、人見知りでね♪」
と、そのババー言ってた子の襟首捕まえて、腕を伸ばしている。以外とガタイが良かったらしく、つま先立ちになる。
「フグッッ!ぐるじいって。放せババー」
暴れているが、手は外れないし、腕も動かない。
「左手空いてるけど、捕まえて欲しい奴居るか?それとも全面的に謝るか?」
4人で襲いかかってくる。右手のこいつで前二人をなぎ倒し、唖然としてるそんなに強そうじゃない二人の首根っこ日っ捕まえて、、持ち上げる。余裕で足が床から離れる。
「さてと、どーする?謝るか?それとも天井にキスしてくるか?あーこのまま縛って、ズボン下ろしたまま、表に出して互い違いに積み上げてやろうか?」
ゲーッって顔してから、顔見合わせて、
「謝ります謝りますから、三人下ろせ。」
「何命令してるんだ口の聞き方解ってねーな。もう一回言ってみな。言い間違えると、右手のコイツ、空飛ばすぞ。いいか?人は空飛べるんだ。」
「御免なさい、謝ります。下ろして下さい。お願いします。」
三人とも床を有り難がり、ヘタリこんで咳をしている。
からんころん
「おーどしたんですか?若めの男の子たち。タマ~お腹減りました。今日は、そくし、ざんにょうね」
「それを言うなら少し残業でしょ?ボックス席行って待ってて。」
とーってもガタイの良い外人さん3名。例の山茶花を襲った、特殊部隊の隊長と、友達と、いちば若かった隊員だ。あと2名は、ここに暫くいて、壊したもの直してからいつの間に消えた。ここをちゃんと直してか出ていく所を見ると、悪い奴ではないだろうけどここから消えるってことは、裏の仕事をやるんだろうな。又いつか逢うことも………
ってか、まるで違う体つきのデカイ男どもにびびりまくり、5名のヤンチャボーズどもは、土下座して謝っている。
学校と家の電話聞いて、明日、朝また又ここに来いといって返した。
ボックス席行ってろって言ったのに、親方と弟子の側に寄っていって、まだ不自由な日本語笑いながら話してるよ。
「タマ~お腹減りました。はやおしめ~!」
「ハイハイ、早く飯でしょ?あーさっきはありがとうね親方と弟子。同じのもう一杯おごるよ!」
さてと、あのヤンチャ呼び出し何しようか。
Am6:45 月曜日 【Kaisya】
夕べ、帰り際変なのに呼び止められた。早くここを去りたいのによ。
「許さん。乗って帰るな!なんだこれは。ちょエンジンかけてみろ!あーもーいい早く止めろ!可愛そうだろ。こんなメンテしかされてないバイクこんなんで走ってたら、死んじまうゾ。」
「いいんだよ!おれらのい……」
「そうだな、他人だしなお前らはいいや。でもコイツらはダメだ。直してからじゃないと返さない。どうせ近くだろ?歩いて帰れ。俺の工場に入れといてやる。」
なんて、変なおっさんにバイク取り上げられた。どうも 有無言わせない迫力に負けて徒歩……散々だ。俺なんか悪いこと…まーしてるけど……走ったり、喧嘩したり、ギったり……取り敢えず弱いものイジメだけはカッコ悪いのでする気はない。カッコ悪い……冷めた自分からみれば、今だってカッコ良くはないかな。そんな冷めた自分を目覚めさせないために、意地をはってるだけ……こんなこと何年も続かないことも他人の目が、どんどん冷たくなっていくこともよーく解ってる。それも感じたく無いから、暴れてる。ま~こうしていると、回りから人が離れて行く…一定のバリアーが出来る感じで、楽なのだ。考えなくて良い。透明人間扱い!それが…
面と向かって、同じ目線で話す奴が、しかも女で…俺らより腕っぷし強くて…なんだかんだ言って、ここに又呼び出された。他のやつらはどうか知らないが、俺はこの女の仮面を剥いで、ヤッパリシタリ顔の大人と一緒だ、と言って奴を否定してやりたくてここへ来た!
どうせただの大人だ。すぐ尻尾を出すに決まってる。言い訳しながら自分達が正しい、と主張する下らない大人。なりたくねーなー。
「関心関心!!時間は守るんだ。日曜日迄お前たちは預かった。学校と親には言ってあるこっちには映像がの残ってるからな。今回の事は、お前たちの労働で返してもらう。朝昼晩と三食、ツナギと寝床はある。ここで午前は山仕事、午後はリョウジの所こんなスケジュールだ。キリキリ働けよ!じゃーあ朝飯を食え。」
ちっ、勝手なこと言ってら。でも、取り敢えず話には乗る。コイツぜってー言い負かす!そのネタを掴むまで。しかし……飯は旨い。
Am8:04 月曜日 【山へ】
「おーごくろーさん、」
あーあの三人もいる。
「おーボーイヨクシクニ」
きっとヨロシクっていってるんだろう。メッチャ硬い握手をした。このじいさんがここの監督らしい。
「さてと、この堆肥を、上の畑まで運ぶぞ!一輪車で!積み込む人は交互に交代な♪作業初め!」
何で~簡単じゃん!………あれ?足が……腕が………一時間しないうちに、動きが……
「おーこの国のハイスクールスチューデント体力、筋力無いね。べーべーユックリねー」
スゲーバカにされた気分。あのじいさんもヒョイヒョイ坂道を上がって行く。一番若いのにカッコ悪い。でも、動かないものはしょうがない。
「ハーイ休憩ですよ」
正直助かった。いつもはあまり口にしない漬け物だの緑茶を、あと塩むすび……旨い!
「腹一杯にすんなよ♪体重くなるでなー」
俺らは聞いちゃいなかった。そんな俺らだけど、ここ人達は、優しい笑み見ているだけ。怒りもしないし注意もしない。30分の休憩が終わり、愕然……本当に重いのだ。体が動かない。故に、じいさんの半分も仕事してない。
お昼になり、うつむいてる俺らに
「おーごくろうさん。明日もヨロシクな♪」
けっ!本当に思ってるか怪しいもんだ。
Pm12:04 月曜日 【Kaisya】
「昼は、焼きそばだ。飲み物は飲み放題!」
って店の前のウッドデッキに、コンロと鉄板。火がおこしてある炭。キレイに切られたや野菜と肉。袋に入ったままの焼きそばの3食入り2袋……な何だ?
「サーどーぞ。お好きにしてください。」
「んだよ!出来てねーじゃん!」
「あー好みで作れよ。美味しくな!」
ゲーッ、何だよ腹減ってるんだよ。何で~いつもの家のように、飯がねーんだよ。20分はふて腐れていたが、マジ作ってくれなそうなので、モゾモゾと袋の作り方を見る。
仕方なく、有るもの全部ぶちこんで、鉄板の上で焼く。焼けば、焼きそばだ。けど……旨くない。何故?適当に作ったから、適当な味なのか?しかし、空腹には勝てず、すべてたいらげあとかたずけして、あの変なおっさんにの工場に向かう。
Pm1:21 月曜日 【工場】
「ハイハイ、ここ使って良いよ。工具はこれ。ノートパソコン1台貸してやる。じゃ!」
「じゃ!ってよ、お前が直すの手伝うんだろ?」
「金払うか?俺の時間当たりの工賃は、安くしても8000円だぞ。」
「良いよ。このまま返せよ。」
「ダメ。コイツら可哀想。ピンピンのノーマル……しかも調子の良いとこまでやらないと返さない。お前らがこうしたんだろ?労ってやれよ。相棒じゃないのか?」
俺達、曲がりなりにもバイクは好きだ。こー言われると……
「何?ノーマル馬鹿にしてるのか?じゃーそっちの俺達のバイク乗ってみな。」
225のセローに、DTR250指差す。
正直乗りやすく、俺らいじったバイクより、速いかも。ウソ……静かで迫力ない音なのに何処からでもトルクが出てる。ハンマーで、頭殴られたようだ。
「ナーお前らのいじりかたは、あのバイク達からすれば、大きなお世話何だよ。今まで、お前らの価値観押し付けてきたんだから、労ってやれよ。なー」
又々、ごグーの音も出ない。価値観の押し付けデスカ。嫌いな事、俺はバイクさせてたんだ。
「僕には僕の仕事がある。別にやってもやらなくても良いよ。休憩時間にしても良い。ただ、あのままでは返さないだけ。じゃ!」
と振り替える先には、赤いオープンの小さい車がある。左のフェンダーがない。足元には、ハンマーやら、鉄板やら、転がってる。これ、長さの違うレールじゃん。何やる気だろ。
「5時までは、ここに居ろ。夕飯は又タマの所だ、じゃーな」
俺達に背を向け、レールの前の小さな折り畳みの椅子に座る。近くには、この車の写真。ハンマーが鉄板に当たる音が響く。叩いて切って暖めて、まさか、あの平面の鉄板からフェンダ作る気か?気の遠くなる……でも横顔がニヤケてる。
俺達は、ブラブラ……煙草ねーしな。暇だ。そんな事気にせず、ハンマーの音が響く。
Pm5:09 月曜日 【Kaisya】
「1時間で、カレー作る。見てても良いぞ。」
ハ~でも作ってくれるだけいいか。
この時はなんにも気がつかなかった。ワザワザ野菜切るところからやってる……
こないだいた親父と兄ちゃんだ。カウンターで呑んでいる。……ってよ、?あのアンちゃん俺らと同じくらいの年に…親父の話をうんうんうなずき、時には意見したり、大人と対等に話してる。こっちの親父も、ちゃんと話を聞いてる。親子かな?幼顔のあんちゃんが、大人に見えた。
「そうそう、そのツナギ替えは無いから。風呂行ったとき、洗濯機有るから洗濯して干してから寝ろよ。3人の外人の隣のログ使え。」
ゲーッ、まだ仕事あったのかよ。めんどくせ、うっとうし、だるー
特製のカレーは、悔しいけど旨かった。流石プロなだけはある。しかも、楽しそうだ。
「ベーベちゃん達今日は、ごくろー明日のために、風呂は入りながら柔軟体操したへうがよかんべ?」
ペコリと簡単に挨拶して、アドバイスは聞こえないフリ。ベーベって何?





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