被写体深度 15

《2020年 5月》
普通の街の写真?
道端に座ってたり、服の裾引っ張ってたり、花売ってたり……小学校低学年位の子供達。
その画面の左端に、花束が1つ……

また最初から、肉片かと思いきや?

戦争孤児。男は、貧しさから17、8歳になると軍に入る……結局貧乏が悪い?あんまり内戦が長いと、人材も疲弊するんだ〜と思う。
それはそれで、背骨から冷える様な怖さがある。教育とか文化とか、振りはらって誰かのメンツ?都合?で戦争何年もしてると、結局誰も喜ばない結果しかまってないのに、ソレに誰も気がつけない…熱病。

パラ

風景と?子供又は母?と、花束?
どのページも、端っこ花束がある。人も死体ではない。怒ったり、泣いたり、人間だ。

あー
このヒト戦場カメラマンじゃない
本気で、この国のバカさ加減に
怒ってるんだ!!

見てみろよ!って、意思を感じる。
水くみする、子供達の道にはDANGERの看板あったり、薄暗いお店の中、壁にも棚にも色んなサイズの義足……義足専門店。
異常なのは、街で歩いてる人が、年配者と年少者、女性しかいない事…国滅びるぞ…

ナニコレ?自然に笑顔?家族の集合写真?…

《1988年5月》
アタリマエノヨウニ
トキハ ナガレテル

オヤジが居ない。人独り消えても回り続ける、もっとも実感できる場所。
「オイラ、悪かた。痛かったか?」
「いや。アランありがとう。死を解ってるつもりだった……全然…表向きだけだった。」

無防備に泣けた。やっと泣けた。泣いてしまいたかった。
何時以来だろう…
包丁で脅された時から、泣いてないし、本気で怒っても、哀しんでもいない。
オヤジの死のお陰で、何かが変わって行くようだ。
同時に内戦で勝手に国の弱体化している、この国が憎くなった。
アホか。
政治屋も軍人も、先が見えて無い。よっぽど市民のほうが敏感だ。

ヤーメター止めた!
ニコンF3のレンズを、85㎜に付け替える。

「アラン。オレもう制服組撮るの止めた!街に、難民キャンプ、赤十字行く。残り6日間。」
「ソレって……」
「オレの写真集、お前に編集任せた。」

そう、市民目線……ゲリラ目線から撮りたくなった。サポートはない。とりあえず街ウロウロして、拉致される所からはじめよう。

「日本人か…いいなぁ。銃無いんだろ?ポリスオフィスが、そこら中にあって、ネジ緩めると、飲める水が出るってホントか?」
此処は?洞窟?
AK47を抱いて、袖で鼻を拭いている少年?
希望通り、拉致られたようだ。腹筋のちょい上と、首の後ろが痛い。

《16へ続く》

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