no.06-02

AM7:38   土曜日   〖里山予定地〗
一週間ぶりに……
  「昨日まで、一緒だったんだからイーじゃん!タマは山仕事!トキは私とデート♡」
  「なに言うてる?元々トキは私の彼氏だ!目の前で他の娘にデートさすワキャ無いだろ!離れろ」
  「んー香しい!やだ…充電中…」
  はー私を中心にして私で遊ぶな!と、強く言えたら…なんだかんだ言っても、可愛いのだローズ。以外といい匂いタマとは違うスベスベさ!あり、タマがいつもの位置、肩に座る。ホットパンツだから、頬に太もものすべすべが…ローズは顔胸にうずめて抱きついてるし…反応してしまう寸前で、ほー離れてくれました。
  「やっぱり違うのよね~まだよそよそしいの。まだ1週間だしね。頭良い…てか気使うの、疲れちゃいそう…タマとトキが来てみると……ねー近所の親しいお兄ちゃんとおねいちゃんと遊んでるみたい…良いナー」
  私は、目をぱちくり。だって、セリフ長いし!語ってるし!まあ、ヒラヒラ花柄の少女趣味の似合ってしまう26歳の見た目キャラは、変わらないけど。そんな私とカオリの廻りを…
  「おばちゃん、今週は何回したの?その分だけ、kissさせて!きっとトキも喜ぶわ!こーーんなキャワイイ子にkissされんのよ~」
  「アホか!私達はナー、体より深--い絆で結ばれてんだよ!コンドーさんちょうど無くなったけど何か?」
  「キーッ その幸せを一割でも奪いたいの~あの日以来…」
 遠い目をする。目をキラキラ…メラメラさせてキッと私を見る…
   「そう…トキは、私の王子様♡例え大地と大空が結婚して、新婚旅行で、しばらく居なくなる時があっても、トキは私の救世主なの」
 首に絡みついてくるローズ。可愛い~軽いし!胸がフニュじゃあ無くて、ぐうっと硬めに私の胸よりちょい上を圧してくる。甘くて少し汗の匂い、化粧品の匂い無いから100%女の子の匂いだ。
  「私の全てアゲても足りない位…好きよ~トキ」
 そのローズの背中から、抱きつきお腹に両腕を回し、私からローズをはがそうとするタマ。
  「何やってんのトキ!抱きつかれる前に避けなさいよ~さては、嫌いじゃないんだろ~辞め~こら~そこは口だ!ホッペは許すがそこは許さん!成層圏まで飛ばすぞ!」
  少し唇に触れてから離れる。
  「都バスで飛ばす?はははここまでおいで~タマおばちゃん~」
     シーン
「カオリ、あの二人凄い才能だよな。静けさって財産って意識させてくれる…」
  「私…あそこまで元気になれない!」
PM12:00   土曜日   〖里山の昼〗
さっきまで、ゼーゼー肩で息をしていたタマとローズも、ガツガツ肉と野菜に食いついている。
  「食ってるときは、静かだな~食い終わったら…みくも居るし…」
 1週間で、急接近したのが、みくとローズ……ラッキーもです。ローズがお手伝いすれば、後ろくっついてまねするし、昼寝すれば、寝入った頃にピタッとくっついて寝てるし……
 初めは、鬱陶しい感じだったけど、最近おねいちゃんぽい事するように見えてきた。
  「あー  みく!食べ物で遊んでこぼすな!せっかく作ってくれた人に悪いだろ?もったいない。私は嫌いだ。」
  「ごめんなさい」
  「みく、どうすればいいかな?」
 パタパタ  きょうかは拾って、洗って、ラッキーの皿に…手洗って元の席にチョコン…
  「良くできました」
 きゅーっと抱きしめている。みくとっても幸せそう~ローズも良い顔してる。
  凄い視点で正論だ。その怒り方…良い両親だったんだね~一本筋が通ってます。ラッキーは野菜より肉が欲しいと言いたげに、敷物の様にデローンと寝たまま、恨めしげに目だけみくを見ている。
 テクテクと来て私の太ももに座るみく。口の周り、タレだらけの顔で見上げてニマッと満面の笑顔。笑顔で返すと、なにも言わず、ぴょんと飛び降りイツキに同じ事してる。
 「ありゃ~天使だな!どんな人にも好かれるオーラ出まくりじゃん。俺にもあったんだろうな~」
  「信じられないけど……有ったかも……ね」
  「…って、あに言いあぐねてんだ?トキ!俺は、産まれたときから、しょうもないオヤジギャグ言ってた訳じゃね~」
  「自覚あるんだ!しょうもないオヤジギャグって!」
  「わーってるョ!でも言わないと、ストレスで加齢臭が臭くなりそうだから、全部出す!」
  「救われることも有るけど…基本めんどくさい!頼りになるお兄ちゃん気質だけど…基本めんどくさい」
  「つまり、めんどくさいんかい!あーもーいいですよー報告書悩むの止めようかな~!そのまま書けばどんなに楽か!!なぁ~イツキ俺達、脚本家になれるよなになれるよな~」
  「警察辞めて、脚本書いた方がいいよ。センスないない刑事に向いてない。2人して優しすぎ!」
  「簡単に俺の27年を否定するな!」
  「イツキ~この人私達産まれる前から、似合わない警官やってるよ!」
「なんだそれじゃつなぎが似合ってるとでも?」
 皆で、顔見合わせる。それぞれにやけて、言葉にしない。だってマナブ待ってるもん!答えを…ほっておいてみよう。
  「どう?ここ慣れた?ローズ」
  「トキがいない…でも、みくもカオリも好きだよ……あーラッキーもね」
 話が分かるんだか、良いタイミングで頭を手の下に入れるラッキー。口尖らしてしゃがみこんで、棒で地面に訳の分からない図形を書いている、つなぎの中年男…
 私がローズにツンツンと…指さすと…
  「マナブ兄ぃは、感謝してるよ!でもまだ数回しか逢ってないし…ね~いじけないでよ~嫌いじゃないってば…」
 ラッキーが動かない。てことは……
  「ローズ…その話じゃなあ~い。別にローズに嫌われようが、ローズを応援する、好きでいることは変わらない!俺は、いつからイジられキャラになった?イヤだ~」
  そこ?!そういう所突っ込まれるんじゃないの?と思ってる側で、ローズが顔真っ赤で嬉しそうにしてる。ああ言うこと、恥ずかしがらず、ちゃんと口に出すところは、良くもあり、めんどくさくもありですね。
AM8:17   日曜日   〖里山予定地〗
 お客さん用のログ建てている。
 ホントにタマは便利だ!丸太…箸持つように軽々と…リョウジの設計だから、スムーズに進む。そのリョウジとアユムは…
    ズドン!     ドウンボム!
 上の方で、土木工事中~アユムも、あの特殊な能力、役に立ってるね~池作って、水の流れ創って、水力発電…このためにリョウジは、電倹1種を近くの電気業者にバイトに行ってまで取った。1級建築士も、当然のように持っている。
 アユムも電倹3種、電気工事士とっている。因みに、重機のオペレーターの免許、カナダのログビルダーの資格も持っている。
 そんな2人の作業工程に従って、ログを作ってるが…楽しい!!まあタマがいるおかげだけど、コツコツと言うより、にょきにょき壁が、育ってゆく。
     キャッキャッ
 ローズとみく&ラッキーは、新品の便器で、遊んでる。新品ですからまあ良いけど…珍しくタマに絡みついていない。空気読むのね。リョウジの知り合いで、ここに移住したい家族が居るそうだ。とりあえず1週間暮らして考えてと言ったらしい。なのでこのログ。イツキもすっかりコレに参加できる様になり、はしゃいでいる。
 ここにはガスが無い。火は炭とか。炭も山の中腹で焼いている。水は、天然のミネラルウォーターを引いている。電気も創ろうとしてるから、本当に里山だ。田んぼも畑も作った。これまたリョウジの知り合いの里山博士と、友達になった近くの農家の人に教えて貰ってやっている。
 カモ、ニワトリ、豚、乳牛も飼い始めた。食材、ペット、有機肥料となるね。
 今はオフの、りことわたるも作業してる。
  「りこ良いの?」
  「なーにが?」
  「ホラー、日焼けとか、怪我とか…ねー」
  「アハハ!私そんなに大事にされたら、デブデブになるよ!こういうの、普通の人でも経験できないし!コレきっかけで、ワイルドキャラの仕事入るかもしれないし…それに、ふつうの暮らし出来ないようだと、ふつうの演技出来ないと思わない?」
 そりゃそうだ。でも、チェーンソーでのカービング凄腕の女優って…
  「実は、アウトドア雑誌の取材…受けたよ。目指せ工藤夕貴!」
  さすが敏腕マネージャー…
  「来週の土曜日ココに来る。驚かせましょう。ワイルドライフを過ごすりこを!」
 生活も芸の肥やしナノね~今度遊びに来る家族にココの生活わかってくれるかな?
  「昼飯担当は……トキタマ!今日は、肉以外ナー」
  「変な呼び方すな!何人?10人位?わかった!買い物いこ!ローズ!みく!一緒に行くか?」
  「行く!!」
PM1:16   日曜日   〖炭焼き小屋〗
  「Cレーションだよ~あとこれ♡」
 マナブは昨日の夜から、窯が冷えるの待って炭をだすのを待っている。
  「あはー真澄の酒粕焼酎~♡ってか昼飯だろ!レーション言うな~外人部隊じゃあるまいに。もうすぐ出せる!その前に…」
  「呑みましょう~」
 本日、昼はちゃんちゃん焼き!一斗缶の上くり抜いたストーブに、鉄板置いて、暖め直す。これと、マナブにおむすび3個。唐辛子味噌つけて炙ってある。
  「炙ったのはローズだよ。この方が喜ぶだろうってさ。」
  「うれしいね~その心遣い。ん~んま!」
  ストレートで、ぐいっと…
  「そうなんだ…似合わないんだ。別れた妻にも言われたよ。何度も何度も…若い頃さ余裕が無くて、でも事件の暗いことは妻に言ったら可哀想な気がして、紛らすために静かに呑んでたんだ。そしたらさ」
   ……私じゃあなたの悲しみは癒せないとでも?あなた気が付いてないでしょ?あなたが少しでも気が紛れるように、美味しいもの作ったり、花飾ったり…あなたは一人でうつむくばかり…私は、一緒に悲しんだり苦しんだりしたかった。優しすぎるのあなたは。私に優しくしたつもりだろうけど、あなたの其れは、私を孤独にしただけ。
やっと解ったの。
 刑事辞めて?辞めないなら私出て行く。
 私が居ると、感情抑えてあなたが傷つくの。……そう…解った…もう私の名前は書いてある。
  「そうなんだ…俺は彼女に手前勝手な優しさを押し付けていただけ…彼女の気持ち、理解しようとせず、自分のことで一杯だったんだ。素直に弱い自分出して、甘えれば良かった。だから今は、言いたい放題、わがままちゃんになった!」
  「人に歴史有りだね。カオリは…泣かせずに済みそうかな?」
  「さてね、今は良いけど将来はわかんね!俺は好きでいる自信は有るけど…愛想尽かされない限り、一緒だよ。」
  「泣かせたら、5分間サンドバックになって貰おう!」
 クピクピ…5合終わった頃、ちょうど温度の下がり、窯の中に入り炭を出す。2人して真っ黒…
 丁度終わった頃、カオリとタマ&ローズが、夕飯を作りに来た。
特別豪華なものは無いが、白いご飯に豚汁、壺に漬け込まれた肉…人数分。野菜もたんまり…
  「あとね~これ!」
 ありゃ!今度は日本酒…ダッサイ2割3分。これがエンゲル係数高くしてるです。1升1万しますから。でもコレ、綺麗な味の酒なんだよ~酸味、甘味若干で、雑味ナシ!すーっと喉を通っていく。
  「美味しいの~好きなの!高いけど…」
 ね~…って…呑ますな~タマに!あーそんなにグイグイもったいない!
  「ふぉーい ヒッグ トキ~ココ来い!座れ…オヤスミ~」
  ってこら起きろ!帰らなきゃ!ほれ明日仕事だぞ!
  「ふふ  タマは寝た。マナブ達はログに帰った。」
 パサッ
  「タマはココにいる。ほら裏切ってない。…ありがとう。反応してくれて。たすけて…いかせて…ボクを」
  あーあーしちゃった…

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