no.04-04

PM10:37   木曜日   〖カオリと2ケツ〗
 止めてある時間の道は、やっぱり走りずらそう。後味悪いなー結局あいつの思い通りになってる。やだよな~人の思い通りって…その対象が”死“だからたち悪い。
 あーもー今週は、やけに沈む。なんで?気がついてるけど、気づかない振り。逢いたいな~タマ…
 Vマックスの後ろ、カオリにしがみつく。あれ?
 「カオリ…ウエストがキュッと締まって…」
 「病院からOKでた。注射してる。もう少し上も触ってみ?」
 「胸だ!すげー」
  「戸籍から女になれる♡」
 喜んでるけど、お仕事大丈夫なのかな?プロドライバーだけど、フリーで、スポット参戦何だよな。コレが原因で仕事無くなったら、何処に訴えましょう…
 って…違う事考えて、忘れようと思ってるのに…
 奴は、やっぱり私なのだ。周りに人が居なかっただけで、暴走してしまった。私は、運が良かっただけ。いつも、タマが、オヤジがいた。チョット離れてるけど、解ってくれるリョウジもいた。もちろんカオリもな。チョットだけ運が良かった。
  タマに逢いたいな~
 抱きつかれたい!抱きつきたい。甘い匂い感じたい。
  「トキーまだダメ?」
  「もうちょい、この先のVシステムにも写りたくない。街の手前までガンバ!」
 後少しで街である。タマのいない街…

AM6:03   金曜日   〖茶山花〗
    カランコロン
 「グーッドでもないモーニング…はー」
 そのため息の理由は、知っているが、知らない振りしないと…なのでこの質問から~
  「テンション低いね。どした?イツキは?」
 刑事の感に引っかからなかったようだ。スルスルと答えが帰ってくる。
  「テンション低いのは、俺の判断遅くて、部下に怪我させた。イツキも、骨折だ全治3ヶ月だってよ。エリちゃんに…すげー冷静に怒られた。署に行ったら、これもって部屋に行かなきゃ。」
 「相当、強い奴だったんだ!で、病院何処?周り見てみ?マナブ…みんな知りたがってるよ。」
  「嬉しいね~警官やってた頃は、街に住民に直結しててさ、子供や老人にモテモテで!でなー、刑事になったら、煙たがられるんだよ。皆から。犯人はもちろん、聞き込みの何気ない会話も、被害者家族からも、…久々に好かれてる…いいね泣けてくる」
  「ダメです。警察官の個人情報です。刑事やってる人なので、誰に恨まれてるか、解りません。」
 ごくごく正論。ってだれこれ?
 「人手不足でョ、一番気があわないパソオタが、助手にくっついてきた。俺こーゆーのもやなんだ~なー知りたいか?病院?コイツ説得してくれたらいいぞ。」
 ~すーっと分からず屋に近づく、白衣の男。この人、心療内科、精神科、スポーツメンタルカウンセラーと、心のスペシャリスト。女優の心を溶かす方法を、教えてくれた人だ。あっという間に、催眠状態に入ってる。もう、過去を振り返って聞いてますね。まああの人に任せとけば大丈夫でしょう。
  カウンターに、A4の紙と、12色のサインペン。下敷きに新聞紙が並べられた。
 「しゃーないね!書きましょ。」
〖○○立○○動物病院
  御手洗と訪ねれば、解ってくれる。
  金目の軽いもん持って行ってやって!〗
 正解は病院名だけでしょ!ったく~
 「トキー…今回は遠い所で、移動大変じゃ無かったか?」
おっと…答えない表情に出さない。
  「遠いね~飛行機だもん移動。早くタマ帰ってこないかな~」
ふっと苦笑いのマナブ。
  「まあ今回も、どこにも写ってないんだろうけど…」
 独り言のように、呟いてるマナブ。
PM7:04   金曜日   〖病院in〗
絵に描いたようなギプス姿。しかし、包帯の白の面積が少ない。腕も脚も…グッタリしてるね~大体解るけど。あの客層ですから、私もその一人ですが…
  「トキ、入院したことは?」
  「何回か…」
  「ボク盲腸以来なんだけど、こんなに疲れたっけ?入院て。織田裕二は、現場が気になって焦ってリハビリしてたけど、ボク動けないし、ギプス取るまで。動いてないのに、なんで疲れるかな?」
 ホントにやつれてる。てかこのお見舞い何?ここAVの撮影現場?
 ローターやら、バイブ、拘束具、DVD、etc.etc.
  「駄目だよ。公務員はバイトしちゃ!いつからモニターのバイトしてんの?モーカル?」
  「してへんわ!人がかたせないの解ってて…ついでに、悪戯していってさ…みんな寸止めしてくれて、股間が痛いよ。」
  「じゃー…最後まで…」
  「しないしない!男にイかされるのは勘弁。って、妙に落ちてない?どうした?タマ居ないと、バランスが取れない?」
  バイブから、マジックに持ち替えて脚に顔向けたまま
  「いよっ!ヒトタラシ!そういうところ気がついて、子供のように言う所。……てか、そう見える?」
  「見えるよ。無理して上げてる感じ。」 
サインペンの音が、きゅっきゅとする
  「私の境遇とそっくりな人に…私は、ホントに少し運が良かっただけナンダナーと思ってさ…つい、比べちゃった私に違和感と罪悪感が、ね~」
  「どんな境遇なの?その子…」
  「あ…」
 私が顔向けると、ずっと私を見ていたように、真っ直ぐ視線をあわせてる。優しげだけど、眼球の奥までみようとするような処は、マナブと一緒、刑事の職業病だ。
  「…イツキが動けるようになったら、山でまとめて話すよ…」
  「ふ~ん…タマとかは知ってる風な雰囲気…マイッカ!珍しいトキ見れたし!」
  ガラーッ どたどた
 振り向いた途端目の前真っ暗…コノ匂いは…
   「久し振り!なあなあ逢いたかったか?答えろよ~声聞きたいよ~私は寂しかったぞ♡なあなあ逢いたかったか?」
  太もものタップ…気づかないんかい!ペチペチ!!見かねてイツキが
  「人って、酸素無いと簡単に死ぬから!鼻と口解放して上げて。コレじゃ、質問にも答えられないでしょ?」
  コレまた器用に、移動して肩車の位置に。
  「ぷはーっ……殺す気か!イツキありがと!降りなさい!目の前に来なさい!」
 スゴスゴと、かしこまってシュンとして立ってる
  「悪かったよ~ひさ…」
 言葉を遮って、タマに抱きついていた私…
  「お帰り…逢いたかった…寂しかった。」
  「イツキ?コレどうしたの?ヤケに素直で可愛くなってるけど!」
  「ボクから聞かないで、聞いてあげなよ~」
  「そーだな てかどーした?包帯好きなのか?新しいプレイか?」
  「ここ病院!捜査中にどじ踏んで骨折!ボクの見舞いじゃないの?」
  「トキに会いに、マスターがここだって言ったから。しかし、何このオトナのおもちゃ。いくら暇だからって…嫌ね~」
  「ちゃうがな~何でか茶山花の常連がお見舞いに…てか聞いてあげな…トキオ君非常に落ちてるから。タマじゃないとダメみたいよ。」
 そんな会話聞いてても、抱きついていたかった。落ち着くカオリ、残念な胸。この場所が好きだ。
  「ホラー何あったか聞いたげるから…ここでよ~茶山花いこ」

  

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