散文 040
小さな冒険者達が
私に 船を出せとせがむ
深い深い藍色の湖面に
真っ白い月
アレをママにプレゼントする
ははーん
こっそり ある物忍ばせ
ちょっとそこまで と
手漕ぎのボートへ
案の定30分したかしないかで
ふてくされる
湖面に静かにしていれば
月がある
捕まえようと動かすと
波で崩れる
泣きそうな 小さな冒険者達に
そっと耳打ち
「はい!プレゼント!」
差し出したバケツの中には
湖の水
そこに映る青白い月
その月を割るように
小さな手が
水をすくう
小さな冒険者達の手の中に
小さな月
その姿をニコニコ見ながら
私は ショットグラスの月を
飲み干す。
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