no.05-03

PM7:26   水曜日   〖茶山花〗
ちょいと祝杯。マナブもいる。イツキは?
  「弱いんだよジャンケン!2つ書類任せてきた。きっと今頃悩んでる。2人の名前無しで書くんだからな。ところで、この子…」
 白いパーカに、ロングスカートの美少女。スタイルは、タマに似てる。地下で出逢ったあの中で、タマについて来た女の子。名前はローズ。ホットケーキ10段重ねに夢中だ。父親も母親も殺された。
  「施設は嫌だってさ。今日はココに泊めて貰って、両親の葬儀終わってから、山の住人になって貰おうと…それまで、トキと私で一緒にいるよ!」
「あのな、犬や猫じゃねーぞ。トラウマから解放しねーと…それに」
 言い掛けて辞める。トキのシャツのスソ、左手でしっかりつまんで放さない。
  「どうも、気に入られたみたいで……」
  「カッコ……良かった……タマに話してる…とこ…2人の友達で…いたい」
  つい抱き締めてしまうタマ。ポリポリと頭をかくマナブ。
  「…どーすんだ?保護者オメーラダメだぞ。若すぎて通らねー…マスターやみゆきさんじゃ上過ぎ…な・何だよじーっと見て。」
  湿度若干高めにマナブに視線が、
 「わーった!俺も子供嫌いじゃない。てか名前だけ!みんなで、手助けしようぜ!”ローズちゃん頑張れプロジェクト“だ!俺と、カオリの間には、子供出来ないしな。ちょっと電話…」
     カランコロン
  げっ!えりちゃん…
  「よーごくろーさん。証拠がなくて、手だせなかった、あのアホの逮捕手伝って下さいまして。」
 余計なことは答えない。答えない…うっかりすると、直ぐ揚げ足取られるし…
  「やったことは、傷害、家宅不法侵入とかだけど、まあ、あいつ等のしたことにくらべればなー……女の指…元に戻らないけど、生活出来ないほど酷くないそうだ。」
  絶対合いの手入れない!ローズがキーッと睨んでる。頭を撫でながら、
  「敵じゃない。マナブと同じ警察の一番現場から遠い人…本当は一番捜査したい現場主義の人なのに…戦う相手が、下らない政治屋になってストレス溜まってるんだ。で~私に絡んで発散してる!ほんとは私達と同じ自分の正義があって、優しくて、見た目道理無駄に美人で、独身…42歳で…独身の乙女なんだ。だから、安心して食べな」
 カウンターに向いて、もう一回私をみる。笑顔でうなづくと、やっとホットケーキに挑み始める。
 えりちゃん苦笑。まあいいや…って感じになって
  「おい、田沢!…田沢さん。よく見ててコイツラ。土日休みにしたんだからな。2人は…
始末書、報告書に悩む田沢と御手洗の苦労も考えてやれよトキ!大人しくされると検挙率下がるしな。ほどほどにな。もう一つ、あいつラのバックに、よーくしってる奴がいる。まだこの国本格的に狙ってないみたいだが…気をつけろ邪魔したな。」
 帰り際、ローズの頭を撫で、私達には見せない笑顔をして帰って行く。
ブーン
あっ、メール…
“無駄に美人で42歳で悪いか……ありがとう解ってるね青年”だってさ…
あり?
私、メルアドはおろか、TEL番も教えてない!
 「ほら、広域警察の警察長だし~元々敏腕刑事だったし、俺やお前のお抱えの情報屋も元々はえりちゃんの育てた奴だし…」
私の個人情報が~
  「カオリも子供が増えて嬉しいってさ。真面目に料理するって。」
 ??不真面目な料理とは?
 「ローズちゃん、そろそろ返して、トキ」
 聞こえない振りのローズ。
   「ローズ!コレ私のなの~いい雰囲気なの~押し倒したいの!!解ってこのタマの気持ち」
  「いや…どこにも名前書いてない。…トキカッコいい。いい匂い。だからやだ!」
 ホットケーキはもう空。両手で抱き付いてきて離れない。ローズこそいい匂い。ぷにって胸か~
  「ローズはコレから私の知ってる病院だよ。体…直して貰わなきゃ。一日二日は入院だね。」
 ピクリと反応する体。抱き付く手に力が~頭撫でつつ、
  「大丈夫。ココの人達、もちろん私もローズの味方。そんな事で嫌いになったりしない。だから事件の痕は消そう。生活出来ないでしょこの体じゃ」
 見上げるローズの目には涙、でも笑ってる。
  「…解った…病院まで抱っこして…」
タマがキーキー言ってる。
  「タマ一緒に行こ~…帰り部屋見ない?私の…こ.紅茶くらいい.入れるよ…」
 「いくいく、さー行こう病院!いいよっ貸したげるトキの胸。ほら行くよ。」
 胸に抱きついてるローズ。肩越しにタマと楽しそうなケンカ中~私には見えない背中越し…これから先が思いやられる光景だ。

PM11:24   水曜日   〖トキの部屋〗
「はー生活感無いなーすげー綺麗なキッチン…使ってない…他の女連れ込んだら、すぐわかるな!」
 どんな感想ですか?
 「紅茶ってこれ…トップバリューフリーズドライ?さっと水でも溶けて便利ってこれで良く誘ったな~……って…えっ!…デカい!  初めて見た!トキのトキ!っていうかやったね!立ってる。……」
  と台詞が途切れたのは、私からキスしたから。
  「たま~ここからわかんない。…」
  「ふっふっ やっと押し倒せる。今日はいいよっ、私がしてあげる。」
 あー あいつラがのめり込んだの、わかる気がする。気持ちいいし、柔らかいし!しあわせ~
AM8:46  木曜日   〖茶山花〗
  「すまんマスター遅刻だ。理由は?聞かないのか…聞かないのか…聞けよ……聞いてください!…夕べ…押し倒した!」
 私は立ち尽くし、うつむく。そうこうしてるとマスターがくす玉をパカッと、“祝童貞卒業”ハイーッ?良くこれ見たけど、はー悪乗りだ。何これ“祝卒業記念 半額!にしたいな…でも出来るのは3割引 めくるめく3日間”横断幕……もー好きにして…
  「もーさんざん待たされてさ…どんなに素チンなのかと思ったら…デカい長い!全部入らない!子宮がひしゃげる!カリ高!つい夢中になって……良い仕事しますわートキ。何回したっけ!」
  およよおよよとマスター泣いてるし~マジで横断幕張るし、
     カランコロン
 「何これ…マスター泣いてるし…おートキしたんだ。おめでとーで、3割引セールですか?オモシレー。俺噂流すよ~」
  これ、マナブ。TwitterやFacebookブログで情報拡散!!
あーあー来すぎ!げっうちの課、全員集合!どーでも良いけど泣いてる女性二種類居るぞ!タマに握手してる人と、文句言って泣いてる人…私ってモテてるの?
 「月曜日で良いぞ出勤。きっちり可愛がってもらえ~結婚式いつだ?ナコード私だぞ!」
 課長だ…
  「いやあ~トキの笑顔は私の物~」
 誰?あれ?リョウジ あゆみ きょうかもいる。ラッキーまで…遅れてカオリも、22さいで童貞卒業ってそんなに珍しいんかい!
  「違う違う!2人を気にしていた人がこれだけ居たんだよ。幸せもんじゃないか。」
えっ…マスターその台詞噛まずにドコで練習したの?初めてだ。語るマスター…
  「…………!」
 もう元に戻ってる。”近くの公園…の砂場の下の秘密基地で練習”…って、分かり易いウソツキ!
  「こっちはお前ら肴に、酒呑むから、帰れ!やりたい盛りだろ~トキ!じゃーな」
無理やり追い出される2人…
「じゃーお言葉に甘えて…ホームセンター行こ!スーパーも、キッチン使おうよ。私が精のつくもの作ったる。」
  「はいはい。包丁以外は教えてよ。2人で立ってたら絵にならない?」
  「包丁はダメなの?どして?」
  「昔のこと思い出して、心が鬱ぐんだ。」
  「手で千切れるのはOKでしょ?使わなくたって料理は出来る!」
  「ありがとうね!たばこの痕話さないでくれて。」
  「別に…私本人があかしてないことは余り言わないのだ。嫌いになってもしない。私のプライドのひとつかな。あれはあれで、ゴツゴツして、思いも寄らないところに当たって、好いのよ~昨日実感!」
 夕日が落ちないうちに家に向かうのは、いつ以来だろう…しかも、新婚のように台所用品両手に抱え。スーパーの荷物どうしょう。これが、地獄の中で憧れた、ヌメヌメっと生温い平和の幸せ?
温いっていいな~
  「引っ越し?」
 まあ‥そう見えるかも、叉は泥棒?先に無事にショーツ履けると聞いている。
 「違うの!トキの部屋に調理器具一つもないの。だから、見繕ってきた。食器は3組よ~」
  「明日の夕方からか、ほれコレ!迎えにくるまで大人しく待ってって。いくらサイズ似てるからって、何時までもタマの服はね~買い物行こ!お金?出世払いでいいよ。私達だけのお金じゃないし。」
 と言いつつ、部屋の鍵…首からかけるようになってる。首にかけるため、近づいたら抱きつかれた。肩が生温い。
  「なんで?なんで?そんなに優しいの?」
  「ん~説明出来てたら、今頃一本放送で人生相談してるな!
 同情ではない。
 たまたまローズが手を伸ばしてる場所にいた。ローズは、崖から落ちそうな人が、手のばして、這い上がろうとしてたら、助けない?この国のほとんどの人は助けるでしょ?私達もそんな感じ。
 可哀想…とは思ったかな?今は、家と金と、チャンスと、あげるから幸せになってって。応援団の団員の中の2人だね。」
  「そうそう、勝手に幸せになれ!ってね。どんなことしても、どんなとこ行っても、いつもあそこにいたみんなローズのチームメイト?んなかんじ。難しい事は……トキとマスターに聞いて。私は、感覚の人だから……わかんねー」
  「めんどくさがり…説明は大事ですよ~タマ」
  「んだよ~イーじゃんまあまあでさー」
  「へーじゃーもうアプリの説明しない!人にダウンロードさせて…しかも“こんなアプリない?”っておおざっぱな言い方して、使いづらいと、“始末して♡次々!!“って…だいたいね~」
  「あー  あーわかったわかった  ココ病院!静かにー  意外と母ちゃんみたいな性格だろ~…あー笑ってる~♡ほらもっと!いー」
  とローズの目の前、20cmで変顔する。
 「入院のばす気?2人でそんな買い物して…明日私……ボクが部屋いくから、どうせ今日は、エッチしまくるんでしょ?わ…ボクは、トキ好き。取ってやる~覚悟しろタマ!」
 一人称、変えようとしてる…変わろうとしてるんだろうか…
  「なによ~私に挑む気?はっ!100年速いわ!」
  「100年て何?げータマ若く見えるけど、100年単位知ってるんだ!おばちゃんだ!いや…ばーちゃん?“タマバー”だあ」
~~
 なんとか引きはがしてきて、やっと私の部屋。陽は暮れている。トップバリューのレモンティーを仕方なくのんで、荷物をほどく。何これ!?デカい茶色の紙袋にコンドーム…
 「あー店に陳列してあるの、ココからココまで!って大人買いした。トキのにあうの探さないと、サイズと形状がはんぱないから…こういう時不便だな~でも…あり得ないくらい気持ちいいけど!」
はー 私の周りの女の子って、ロマンを持った童貞には、リアル過ぎるような…
 「ほら手動かす!飯食いたきゃ整理する! ひゃっ!そこで動かすか? コラ~覚えたばかりで、興味あるの…わかる…けど……♡…トキこそ…それカップめん…♡お湯沸かそっか…」
 初めてキッチンで火使ったのは、やかんの水だった。

AM6:03   金曜日   〖茶山花〗
 眠い…タマは若干がに股。マスターとみゆきさんが苦笑い。
  「……!…♡……!」
  「タマ壊さないで!2人の仲良いのは歓迎♡加減しろ加減って?………はい反省します。」
 おかげで、今日はムサシ登場しなそうだ。
 「タマに、お任せモーニング宜しく!」
  「加減って…必要だな‥説明書無かったしなー」
 読まないくせに!と言わずにジーッと見る。
  

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