no.09-06(end)

Am8:33 土曜日 【コース】
ここに来るために、5:30から準備していて、以外と眠い。メインはカオリの今度出るレースのバイクのセッティング。別のチームがもう先に来ていた。小さいって………つくばじゃん。
「カオリが走ってないときに、俺走る!半分は、俺ら金出したんだ!」
ハイハイ。1日借りたのかと思ってたら。半日分のスポンサーって訳ですか。
「ドーゾドーゾ。旦那さんは、ここのサーキットライセン持ってますし。っていうか、カオリが旦那さん居ないとセッティングしないって、だだこねくり回しまして、私達もこーやって奥歯噛み締めて、笑顔してまして……ピット1つ以上放してセットしてくださいね。」
恨み節が……
「ねー。ツナギ…プロテクター付の、予備有るよね。貸して。メットも」
意に返さないカオリ。
「ごじゆうに」
変換されにくい感情だ。監督さんと今日は目を合わせられないかも…
2つ放してセットする工具に、車。バイクも、懐かしのFZR750の山葉チューン。…紛らわしい。リョウジチューンだ。ナンバーつき。タンデムで、遊んでくれるらしい。
バオーっパーン
腹に響く。耐久のマシーン。来期のだそうだ。今シーズンまだ3戦ぐらい残ってたハズですが、もうやるんだ。テストライダーね。さすがミズキ!もうピット覗きに行ってる。疎ましがられいるけど、追い払われていないようだ。
「これも、火入れるぞ!」
ちっちゃい。黒いカタマり。これ
「あー知らないか。寂しいね。CR-X…HONDAの車だ。」
バオーん
うるせー俺らの バイクよかうるさい。ってかバイクのようなフケあがり。
「隣に乗りたい奴!」
じゃんけんの結果、俺一番最後……2輪のときは、逆さかっていってたのでまーいっか。
まず、軽く5周分の時間が空いた。行ってくるの言葉をカキ消す爆音。でもナンバーつき。
速い!素人がみても。イヤ、向こうの手の空いてるメカも見て真面目な顔してる。
「プー歳だね。たった6周で、息が上がる。へっ?あー若い頃4輪やってたし、ホレ国際B級。国内のメジャーなサーキットライセンスも持ってるぞ。」
俺に説明してるけどよ、隣……ツヨシ失神してる。
「あはは、つい久々で嬉しくて、初めからマジでやちゃった。ホレ仕事だ、ツヨシおろせ。燃料入れて。油脂類交換するから用意。」
又、カオリがデータ取りで走り出す。
「それ何してるの?」
「ん~ジェツティング。ん~バイク乗ってんだから、解るだろ?」
なんとなく………
どうも次回の空き時間には、終わらなそう……てことは、FZRのケツだ。
しかし、今まで用途が解らなかったバケツと、キャンプ様のコット。ツヨシのお陰でよーく解った。俺はどうなるでしょう。
「しっかり捕まっててよ。体付けて、肩越しに前を見る。私と、同じ様に、体を動かす。いいね?」
でも、手首には可愛い手錠……ナメんなよ。こちとらだってバイク乗りだ!
…………なめてました。
加速時に後ろに首が…コーナーリング時、アスファルトが、………下半身に重心が遠心力で、……後ろに居るだけでも……手錠役に立った。
「テツだっけ。素質あるかもよ。タンデムで、攻められたもん。あーセッティング行かなきゃ。」
降りて、立ってるのがやっと、地面て有難いと感じてる時に言われた。疲労感有るけど、気持ちよかった。両手両足…イヤ、バランスだから、全身か…体力も、筋力も足りないな。
「ホレ、テツの番だぞ。隣乗れよ。」
1人パスして、1人見学に夢中、2人潰れてる。で、俺の番かあ。2輪とは違うGのかかり方。首に集中……体は、ベルトでガチガチだし、加速時は、押し潰されそうで、ブレーキは、前に飛び出しそう。横方向でもGは、バケットシートで、固定されてるが、キツイ。とにかく首が…
「なるほどね。確かに素質あるかも。どんな時も、目をつぶらなかった。」
なんだそれ?もし向いてるのなら、バイクやりたいな。
「でも、君達体力無さすぎ。臭いでわかるけど、これを気に、タバコは辞めな!やりたいなと思ったらな。」
この1週間すって吸って無いのに…いろんな人にバレてた?ちょいハズイ。辞められるだろうきっと。見つけちゃった。これ面白い。見てるときは、モータースポーツ??グルグル回ってるだけじゃん。公道速い方が速い!と思ってた時けど。これスポーツだ。
「マナブさん?バイクでレースしたい。思っちゃいけない?」
しばらく考えてる。
「まあ、確かに、Gに勝ったのテツだけ…毎週、少しやってみるか?でも、何処のコースも、ライセンスがいる未成年は保護者の同意がないとな。ちゃんと説得できたらいい良いぞ。」
「ボク……メカやりたい。何処修行すれば?」
ノゾミ?キレると手に終えないけど、いつもは、自分の主張しない奴が…俺と一緒で、見つけたんだ。
2人は、まだ伸びたまま……故に、俺セカンドシートに座ったり、バイクのケツに座ったり。段々目も慣れてきた。自分で走りたい。説得ね~散々、好き勝手してき俺言うこと、聞いてくれるだろうか。
「ねー。そのFZR誰がいじってるの?」
さっきまで、煙たがってた監督さんが、話しかけてきた。
「山葉リョウジ」
「ああ、生きてたんだ。変わらない音だ。今は、レストア屋に成り下がったと思ってたけど。ヤッパリスゲーな。」
この人、あのオヤジ知ってる?ってかこの監督さんも、何処かで見たこと……
「モリワキだ。よろしく言ってくれ。出来れば、連絡くれと言っといて。もう誰も気にしてないってな。この音聞けばわかる。いい仕事してるんだろうな。腐ってると思ってたのに。俺も、1台た頼もうかな?
で、このとって危なげで、スパルタんなセットのメカ誰?面白いけど、可哀想だよエンジン。もう少しデチューンしなきゃ。うちの若いのにはここまで攻めさせたいけど。限界知らなきゃ、限度解らないでしょ♪」
あの!あの!モリワキ?!このじいさんが?!?
「とっても素人の、俺だ。」
目をパチクリさせるモリワキさん。
「よっぽどこれに惚れてるんだ。デー」
スッカリ話し込むおやじども。俺らよりヤンチャで、子供っぽい。
Am6:39 日曜日 【山の人々】
コーフンが、速く両親に会いたい。夕方には来るらしいが。これが最後のこんな状況の朝飯。ヤッパリ旨い。
あれ?弟子君もいる。どうも、タマの好い人と、警察官のイツキさんのいるときは、道場が開かれるようで、弟子の新太と、五戸家のたつみが、習ってるそうだ。俺らも見学していいとのこと。
ふん、どうせ、タマ姉の好い人は、だらしなくこの警察官に習ってんだろ!見てやる。ボコボコにされるところ。どうみても、この二人いい男で、弱そうじゃん!
あのじいさん、有名企業の創業者だってたつみは、孫か。で、朝来たこの軽そうな男が、社長でたつみの父。へー金持ちなんだ。でも、あのじいさんの、肝座り方。作業の仕方、プロの農家の人かと……ん?あの婆さん、社長婦人だったのか?!環境は人を変えるんだ。俺たちもそうだな。
Am9:35 日曜日 【道場】
ツヨシと一路の、目がキラキラしてる。俺はビックリしたけど面白くない。イヤ、不愉快だ。
一発も入れられず、イツキさんは、息も絶え絶えで、畳と仲良しになってる。タマの好い人は、利き手利き脚使わず片足立ちで、
「先週より、5分伸びた。結構結構まだまだ修業が足りんの~シュー!組手しよう。」
「良いよ。私は組手だからね!組手。10分やったら休憩ね。」
どうも、タマの好い人が、馬鹿みたいに強くて、次は、あの渡辺さん、それに挑んでるのがイツキさんという感じらしい。あの軽い渡辺さん……速い!タマの好い人も、ちゃんと両手両足使ってる。タマの好い人……トキって言うらしい。人は、見た目で判断してはいけない。俺達散々それで、いやなめにあってたのに。戒めにしよう。
タマ姉が、ホレるの分かる気もする。いい男で、強くて、優しそうで、公務員。でも、気に入らない。……気に入らないのは、俺がタマ姉を好きだからだろう。
彼女にしたいとかじゃなく、姉ちゃんのように好きだ。本当に兄弟だったらよかったのに。
「ウッス!俺らも習わせてください。」
「ハーッハーッ、いいけど、ここのハーッ月謝は、グヒ畑仕事ダゾ。ヒーヒー。この3人の中でフフー一弱い、私でいいか?あと、胴着は買ってきてね。」
「了解しました。」
「じゃ、歳関係なく、たつみと新太は兄弟子だからね!」
あいつらやりたいこと見つけたね。ノゾミは、まだか……
Pm12:07 日曜日 【Kaisya】
人が多いので、バーベキューと、それぞれ持ち寄って昼飯だ。俺達も、散々苦労した焼きそばを作って、食べて貰う。
「お兄さん!お名前は?」
ん?五戸家のミキちゃん。すらりとした、今時の小学生。モデルっていっても良いくらい、将来有望な美少女デスネ。
「近城テツだけど。何?」
「テツ兄って呼ん良い。」
「良いけど……」
良いけどの良いまでしか聞かなかったんじゃないか?ってぐらいのタイミングで、左腕に飛び付いてきた。へっ?
「こっち見ない!テツにい……勝手に好きになりました。今は、片想いだけど、きっと振り向かせます。覚えといてね。」
腕にプニっと育ち始めた胸が当たって気持ち良い。いいにおい。げっ!こえー顔して睨んでる。まさしさんだ。
「ん~お友達からで、俺ミキちゃんのことよく知らないし。」
「否定じゃ無いのね!」
胸に飛び付いてきて、顔を胸ひとしきり埋めたあと、
「良かった~」
だって。こんな頃から女だ。甘え上手。暫くしたら、落とされそう……
タマ姉の提案で、迎えに来る親に、カレー食わせて言いたいこと言えだって。
てなわけで、作ってみる。言いたいこと沢山有る。でもまずは、"ありがとう"かなぁ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?