no.10-03

Pm6:45 日曜日 【Kaisya】
「えーもう街に帰るの~やだ!イツキ~………ほらボーッとしない。反応せい!」
我に帰るイツキ。その前までミミに見とれてボーッとしていた。この半日イツキは、まるで5㎝地面から浮いてる様にポヤーっとしていた。無理もない、自分がファンだった人から、一方的に言い寄られて彼氏という新しい肩書き貰ったのだから。
「ん~ああ.街でも時間作れば逢えるでしょう?ワガママ言わない。」
って、デコピンして、キスして抱き締めている。あーベタ!見てる方が恥ずかしい……
カランコロン
「フーッ只今~何この新しいミュージカルのような、宝ズカのような雰囲気は、へっ?この二人どうしたの?」
マナブ、カオリ、テツ、ミキが近くの狭いコースのサーキットから帰ってきた。
「テツ兄!ミキもミキも!あれしたい!」
ぴょんぴょん飛んで主張中
「あーハイハイ。」
ミキは満足そう……端から見ると保護者が子供を、抱っこしてるような……ドロドロじゃなくて微笑ましい。
「ハーッハ、イツキにも出来た。てか帰るぞ~トキ、イツキ街に」
明日からオンウィーク。公務員3人組は、街へ……
「そーだ!私もついてく。イツキの部屋泊まる。」
「へっ?突然……イヤ、まあへっ?また今度にしない?」
ハハーンと言うような顔で、イツキを見る。ビクッっとするイツキ。イタズラそうな目で
「五年イツキより長く人やってる。弟もいるし……ねー。イツキがどんな人か解るには、部屋行けば……ねーどんなDVDあるのかな~?部屋が汚いのかな?絶対今日行く。」
泣いて掃除してから来てくれと懇願してる。こっち見るな!その話に私達を交ぜるな。
運転はトキ、一番後ろにイツキとミミ。真ん中でもう寝てるのがマナブ。そんな車が走って行く。
Pm7:08 日曜日 【Kaisya】
静か~…みみ&イツキ居なくなっただけで、150人の第9歌う人達が居なくなったように静か~あの能力を電気に変えられないものでしょうか。珍しく日曜日に一人で親方が来ている。ボックス席では、ミキがテツから宿題教わっている。兄弟のように仲良くなってるね。
うっ
窓の外マサシが……奥歯折れるぞ。力抜け力…くいしばりすぎ
「新太をさ、つい自分気分で殴っちまってよ……明日来るかな?」
「新太君、好きなんですね親方は。」
「そうかな……」
「じゃないと、理不尽押し付けられないでしょ?何処か繋がっててワガママ言える相手じゃなきゃ、手出さないでしょ。」
「そうかも…うちよ~子供いねーんだ。まーそれも良いところもあるけど。今でも一緒の布団でかかあと寝てるしよ。どっちが悪いか決める、不妊治療?あんなのに行ってない。どっちかが気が引けるだろ?じゃなくて、息子のように思ってるのかもな。」
渋く日本酒。つまみは、私の卵焼きと、ユウジのお造り。小皿には塩。
「ごめん私、マスターに殴られた事無いからな~無口なりに、調理修行は厳しかったけど。新太君の境遇ににてると思うけど、解んない。」
時間過ぎてるので私もワイルドターキーをチビチビ。
「別にタマに答え貰おうと思ってねーよ。倍以上年離れてるじゃねーか。ワケーやつの前では痩せ我慢するよ。まあ、聞いてもらいたかっただけだ。」
「コリャ失敬。」
「でよ、安東ってのがうろちょろしてるって?気に入らねーな。あいつの建てたものとか見るけどよ、俺とは正反対だ。ついでによ、今の家のたて方……あの醜い金物?バカ言っちゃいけねーよ。釘一本使ってねー建物が、1000年凌いでるじゃねーか。五重塔とかよ。俺達宮大工系のたて方だと、今平屋しか造れねえ。構造計算でよ、組は強度出ないんだそうだ。なのによ、ログは大丈夫なんだぜ。おかしいよな。そのうち日本家屋は勉強の中だけになっちまうよ。
だからな、素直な弟子は貴重なんだ。全部受け渡したい。そこから、新しく自分流を付け加えて、又その弟子に、ってな具合によ、続いて進化してほしいんだよ。」
ホントに技術バカですね。そのうちバトルが見られるかも。楽しみ楽しみ。
カランコロン
「……親方……おれ明日も一緒にいて…いいんですよね。」
左ほほが腫れてる。そんなんより、気になることを聞きに来たのだ。
「何言ってんだ?忙しいんだよ、2か月ぶりに。お前がいないと……………だよ!遅刻すんな。……後、痛かったか?わ……った。」
親方大事なところ、聞こえないよ。何照れてんだか。勢い良く90°の会釈をして走って出ていった。
「全く、なあ、今の若い者はなあ…良い奴もいる。」
ちーんと、カウンターにおかれてるコップに、私のグラスを軽く当てる。親方の手は今は、違う仕事をしていて、コップが持てない。気が付かないふりしてやるか。
Am6:38 月曜日 【山茶花】
「いら…っしゃいま…せ~」
日本語に慣れてきた感のあるミヤ。私が言うと、怒るジージとバーバは、今日も、朝の忙しい時間と戦っている。タマロスは、ミヤのお陰で、すっかり鳴りを潜めた。
「おはようミヤ。今日も元気かな?」
胸に飛び込んだかと思ったら、ニイっと笑って、違うお客様の所へ同じ挨拶に。本当に、天使の時間なんだな。
モーニングのメニューは、5つに増えた。近いうちに昔と同じように、メニュ無しになる日も来るかも。
本日もBGMは、一本放送。次第にパーソナリティーと話が会って来てる入社4年目の女子アナ。タマに凄く話がずれる。そっちが本音何だろう。今は、自分のコーナーを一生懸命噛みつつ伝えている。ミミ。と違って、不器用なんだな。と親心目線で聞いてしまう。
カランコロン
「ヤートキ!おっはよ~」
スゲーハイテンションのミミ。その後ろ、ゲッソリしたイツキ。
「ああ、トキおはよー元気になると思うモーニング2つねー。」
「聞いて聞いてトキ!スゲーのイツキ。誂えたように、ピッタリ。も~病みつき何回したっけ?」
「聞いて聞いてトキ!DVD全部割られて、そのプレイ強要させられた。もーカスカス。仕事出来るかな?」
多分、感想は、言わない方が良い。きっと突っ込みが来るから。こう言うときは、オウム返ししよう。
「ピッタだったんね~…イツキガンバ!!」
と、イツキの首に腕が…
「ジャーね!こっち行くよ!」
ズルズルとボックス席へ……スリーパーホールド決められたまま、引きずられて行くイツキ。
「ガンバだけ..?ねーもっと…………」
イツキの声が遠ざかる……本当はご苦労様と、言ってみたかった。
カランコロン
「ハーイ、グーモーニングエブリ…イツキ以外!元気で仕事しようぜーっと。今週も、俺達の仕事増やすなよ!いつものモーニング1つな~マスター」
「……!!?!……」
相変わらず無口だ。
「……掃除……夕方……」
あら、コメディで話進んでたけど、お仕事ですか?
Pm6:48 月曜日 【山茶花】
「受けないよ!オヤジ何で?」
いつも道理小さい部屋で話を聞いた。この国の政府からと言わなかったけど、まじガバメントオーダーだ。胡散臭い。
「ヤバい……代議士…うけないと。」
与党の国会議員の第2秘書だと言う男からの依頼。野党第3勢力の党首の金銭スキャンダルを、週刊紙にリークしてくれ。記事が載ったら、報酬5000万を、入りそうもショルダーバッグにいれて渡す。どこぞで聞いたような事件が混ざってるような話だ。一応振り込みしろとは言ってあるが……こんなのは調査できるけど、こう言う輩の話しは、回りをヨーク見て、保険かけとかないと。消される。意図も簡単に。
「……依頼人を、調べて。半額だよ今回は。ここだってヤバいだろ?運命共同体って事で……ね♪」
知らん顔して仕込みをしている。
「いつものミストで。」
カランコロン
「おこんばんわ~おートキ!今朝ぶり!」
「トキ、朝は見放してくれてありがとう。一生恩に着るよ。」
凸凹コンビの刑事達。の良い男のイツキが、奥歯物の詰まった様に私言葉を投げつけてくる。
「だって、関わると蟻地獄のように引きずりこまれそうで。一般論でまとめてみました。うそは言ってないし、ヨイショもしてない。」
「冷静に受け止めていただいてありがとう。そりゃ好きだよ?でも、いきなり掃除始めてさ、コレクションぜーんぶ……もちタマの写真集も棄てられちゃった。今僕の部屋シンプルで都会的な感じに変わっちゃった。DVD鑑賞会になってムラムラーゼになってしちゃった。そのDVD割られた。ねー僕はもう、ずーっと尻に敷かれぱなしなのかな?」
なくなよー
「だったらお断りすれば良いじゃん。丁重に」
「それができれば、こんな悩んでない!だって、……気持ち良いんだもん。本当に、ピッタリ奥に当たる。可愛いし♪」
「だったら、ガマンスレバ~ねーマナブ。」
「優柔不断で、おっちょこちょいのお前には、過ぎた女だぞ!ちゃんと教育してもらえ。」
「良いことゆ言うな~マナブさん。わっかりました!!しっかり教育します。」
ベル手で押さえて入ってきたなー2人は、全く気がついてなかったようでビックリしてる。きっちりメイクのミミとマネージャーだ。
「大人ですから交際はフリーですが、結婚や子供は2年は出来ません。スポンサーの契約です。週刊紙来ても、お友達で、通して下さいね。全く……」
マネージャーさん、苦労しそうですね。スリーパーホールドで、引きずられて行くイツキ。
「又食事行こーって誘われた!速く公言したい……」
声が遠ざかって行く。確かに、イツキには、あれくらい積極的な姉さんが、良いかも……
「今度のお仕事は?ヤバめ?」
「イヤ、軽めだけど、厄介。まー上手くやるよ。」
「なるべく、殺るなよ。……」
解ってますって。御面倒はお掛けしないようにしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?