散文 001

静かだ。
水鏡を、ゆっくり揺らすのは、この下で生活している、魚類だろう。写っている景色、私の顔、微妙に歪ませる。
私の手には、白く小さなホネ。
水鏡の中に、目一杯遠投。
チュポン
なんの抵抗もないかのように、白が飲み込まれてゆく。着水した点を中心に、同心円状に波がたつ。
水鏡に映るものを歪ませ、浮いている木の葉を揺らし、意外と遠くまで何かを伝えている。
そうなんだ
何かをすれば、何かが伝わる。
それが、都合のいいものか、悪いものか。好みの物か、違うのか。それだけ…
「コレで…良かったんだよな。」
つい独り言。
死ぬ事で、コイツにも何かしら、共振させられてる私が、ココにいる。
今は、ひたすら静かだ。

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