no.05-04

PM1:12   土曜日   〖エスティマ〗
マナブとカオリは前でにこやか~真ん中に包帯が眩しいイツキ!その後ろは…
 「タマバー欲張り!夜も昼もトキ独り占めしようとしてる、悪の秘密組織のボス!ボクにもわけて」
 「ダメ!何年かカったと思う?4年半よ~ぽっと出の女に渡すもんか!」
  「タマバーだから…そんなに時間かカったの~ボクなら…ねー今タマと同じカップだから、タマよりグラマーになるよ!トキ♡今の内に手付けた方がお得ですよ~」
  「お前は、旗竿の土地を、良いことだけ伝えて売る、不動産屋か!」
  「頭良さげなツッコミで、トキの気を引こうなんて」
  「してへんわ」
  「嫌ね~関西弁で、可愛い子演じる気よ~やっぱりボクに乗り換えて…」
  ほっぺにチューして来る。
  「ふん‥ほっぺぐらい許して…ってダメ!口吸うな!」
  「…ほっぺの隣じゃない!ちょっと赤いだけで~」
 すっかり姉妹……兄弟のようにじゃれあっている。微笑ましいが、ネタが私……
  「あのー…」
  「なに!」
 ありゃ!ハモってますよ。
  「いえ…なんでも」
  「だったら、邪魔しない!これは私の戦いよ!ローズという魔の手から、か弱きトキを守る!これは私に貸せられた試練よ~」
タマって、宝塚ファンだったっけ?
  「ズカファンなら、たくましくって、有り得ないキリッとした男装の女に恋愛すれば?ボクにトキ預けて貰って一向に構わないよ~」
 「なんやて!」
  「嫌ね~関西弁で、可愛い子演じる気よ~やっぱりボクに乗り換えて…」
 リフレインしてる…私、何回キスされるんだろ~
  「いいな~ボクフられたばっかで、ギプスで…」
  「あに言ってんだ!おめー取り巻き増えてんじゃねーか!選り取り見取り 海老名みどりだろ~!何ぜーたく言ってんだ?」
  「や~ちやほやして、売り込む女の子やだ!中高生の時懲りてる。ボクはブランドバックじゃない!」
 「なんだそれ?」
  「持ってて自慢。入れて便利。優越感みたいな」
 「あー  で…突然の一目惚れとか、偶然の出会いが良いと。あれ?お前さ、自分から…」
  「無いです!良いじゃないですか?ローマの休日チックな出会い…あー体ふるえてきた。もちろん告白は僕からしますが、降って湧いたような出逢いじゃないと燃えないんです。」
  「ややこしい乙女チックな性格だな…これで、トキと同等に組み手出来る奴とは思えん。」
 タマとやりあってたローズが、
  「包帯さん強いんだー。でも降られたんだ~カッコいいのに!トキの次に…」
  「包帯さんじゃありません。いい加減覚えてください。“イツキおにーちゃん”です。一度おにーちゃんって呼ばれたかったんだ!お願い。トキと同い年だぞぉ~」
 「イツキ!」
 「呼び捨ても、親しそうで良いけど、お願い妹ほしーの。ローズみたいな可愛い子…呼んで!」
 「や~…イツキ!イツキ!イツキ!  マナブ兄ィ~」
  「ずりーマナブさんは兄ィじゃなくって、あれくらいだと、パパでしょ!………あり?地雷踏んだ?なぜ皆さん黙り込む?」
 地雷です。マナブとカオリは、マジで、養女に欲しいらしい。でそんな空気アリアリなので、ちょいとローズが警戒してる。カオリとまだ言葉を交わしてない。かおりは元々口数少ない方だから…
元々男だし。

PM3:45   土曜日   〖山のガレージ〗
”おめでとートキ感謝セール レストア100万~見積もり無料“
これって、軽い詐欺じゃない?
  「大丈夫!一人も来てないから!」 
 そういう問題かな?これあってもなくても、年2台しか仕上がらないし、都合向こう3年待ってる人居るし、ベース車両無い話だと、一体…ってかんじの人気ぶり。アユミが来てから経理、プロデュースはすっかり彼女の仕切り。最低年収1000万と言って調整してる。お陰で台数増えるかと思いきや、こだわりが強くなり、自分でも頭抱えてる状況。
  「いいのよ あなたは天才なの。納得する仕事しなさい。私が何とかやりくりするから。」
 端から見れば、好くできた嫁だが……これって、洗脳されてない?私の考えすぎ?アユミの此までの行動がさ、ストーカーチックだったから…まあ…リョウジが良い顔してるからいっか。
「さてと、約束道理私のこと話します。私は、ただの人殺しです。」
 ココにきたのは、私の過去を話して、わかって貰うため。話を聞いてなお、友達でいたい…と言う願望のため。
 私は正直者ではない。嘘つくのがヘタ、面倒くさい人なのだ。本当に、綺麗に嘘つく人は尊敬する。あのマメさ。うそつきの方が神経使って、勤勉な人が多いと思う。
 私は、面倒なだけ。スッキリするし!相手は、気が重くなるかも…相手に委ねる、甘えてるのかな?
    14歳の時が最初だ。父親と言う名の男。ガラスの破片で胸を差して、頭をつるはしで砕いた。脳みそ初めて触った。
  私は物思いついた頃から、物を拾っていた。言葉は、外で他の人の会話を聞いて覚えた。母と言う女は、知らない。父と言う名の男は、”金“”飯”“酒”としか聞いたことない。話せるようになるまで時間かかったそうだ。5歳くらいのころから、尻の穴に奴の物が入ってたらしい。
   上半身裸になる。丸く皮膚が引きつった痕。
 コレ…しりにも、ペニスにもある。たばこの火だ。気に入らないことあると、じゅっ自分の肌の焼けるにおい知ってる人は、あまりいないでしょ。そのたばこだって元は私の金なのにね。
 ある日、頭に来て初めて父親を名乗る男を振り払ったら、力無く吹っ飛んだんだ。それ以来私に何も言わず、何もたからず、でも媚びたり、謝ったりもせず、まるで私が見えない…居ないように過ごして半年、無性に腹が立って、殺した。明確に殺すつもりで殺した。
 虚しかった。出来ればあの男に、詫びて欲しかった。目の前で自殺して欲しかった。この手をホントは汚したくなかった。
 死ぬつもりで、外人部隊に入る。
 確かにキツいが、屋根がある、服がある、3食がある。他の物は、脱走したり、訓練中死んだりして地獄だと言ってたが、私には天国。しかも、金までくれる。故に、砂漠に撒いた水のように、訓練が体に沁みる。気がつくと、半年で一割しか残っていない9人の中の一人になっていた。
 殺したな~それが仕事だし。2年半で生き残ったのは、同期だと3人。私は、1期で辞めた。で前に作戦でこの国いいな~と思い密入国して、オヤジ…マスターにお願いして戸籍作り、大検受けて大学スキップして、公務員上級試験取って、卒業後役所に入った。こんな所。
 私は未だに、殺しは悪とか、罪とは思ってない。どこで、国は線引きしてるか知らないけど、私の基準で、殺さなければ終わらない時には殺すよ。銀行の時、居たよね~二人外に、傭兵上がりの大男、その前も、今後もやるよ。警察や法律にかからない困った人がいれば。
「後、タマ、カオリ、リョウジは、殺しには係わってない。コレ…ストレス凄いし。」
 話し終える。響家3人と1匹、ローズ、いつき、アユミ、でマナブ険しい顔。
 「まあ…私達は、依頼人だし、知ってるけどトキってはーなんで今笑えてるんでしょ?」
「タマとかオヤジとか?ああ…カオリもリョウジも、関わった人が良かったんだ。」トコトコとラッキーが側に
「ハイハイ、君もありがとう。癒されるよ~マナブ…イツキ解っていて欲しい。うっすらエリちゃんは解ってるから、2人は私にくっついてるんでしょ?いくら調べても、証拠はでないし!ね~マナブ」
  「そーこのバカ!大事なところ完璧なアリバイ有るんだ。立件出来ない。だから、お前が行き過ぎないように、仲良くなって止めろ!ってことダロ!こないだもエリちゃん言ってたもんな。お前が動くと、検挙率上がって、抑止力になる。」
 「まあ、やり方違うから、それ正義じゃないってのも大人じゃないけど…殺すのは嫌だ!ボクはこの国で平和ボケした人ですから。嫌です。だから、つきまとって説得しまくります。しつこいよ!」
「私達は、助けて貰って、楽になったし。この子も良く笑うようになって…私たちは信じてます。」
  「ボクは、好き。生きていてくれて嬉しい。じゃないと、ボク此処に居ない。きっとこの世にも居ない。警察証拠無いと動けない。あそこで、何人の女が売られていったか解らないけど、偶然連れ出してくれた。トキは、ボクの王子様!絶対、タマから取ってやる~」
  「なんやて!せっかく美味しく童貞頂いたのだぞ。4年7ヶ月かかってるんだ。簡単には渡さん!」
 「じゃー難しく渡して」
 「ハーイ!…ってちゃうやろ~」
 「嫌ね~関西弁で、可愛い子演じる気よ~やっぱりボクに乗り換えて…」
 またリフレイン  ……叫んでる?なんとなく、笑いで和んでしまう。おかしいな~重めの話なのに、肩を落としてうつむいている私をよそにはしゃぐココの人達…ルイトモ何て言葉思い出す。さりげなく優しい。で、アホだ。
 「ここは、私の…」
肩に乗って抱きつくタマ。ヤッパリ心地いい太もも…
  「いいもん。ここボク…」
あぐらの真ん中にお尻が、両手両足で体に抱きつくローズ。いやはやプリンと張りのあるお尻…タマと同じ位の胸がムニュ…
  「ダメ!そこも」
  「タマねえは、頭でしょう!あっ…」
 真っ赤になって顔を私の胸にうずめて隠してる。
  「なんて?なんて? ホラーもう一回言ってみ~」
  「タマねえ…悪い?」
  「こっち向いて言ってみ~」
 開き直って、立ち上がって、タマの目の前5cm大声で、
  「良いじゃん!駄目?タマねえ!」
  「いいよっローズ…」
 パタッと頭から降りて、キュッと抱いているタマ。
    「ヤッパリ、迫力と圧迫感無い胸…トキ早めに乗り換えた方がいいよボクに♡」
  「あーかわいくない」
  「タマねえには勿体無くて見せてません。」
 はー仲良いんだか、悪いんだか。
 「まあスタンスは、解った。警察のスタンスもわかってるよな。力の限り説得する!力じゃかなわねーもん。今まで道理?ってか証してないことあんだろまだ!」
それじゃーと水巻いて時間を止める。
「マジ?」
「ヒャーテレビでた方がいいよ」
 「綺麗!」
「で~タマは、ほれ!」
片手で、オイルの入ったドラム缶で、お手玉!
 「どうりで無傷で…」
 「ゴリラ!タマゴリ!」
 「なんて?飛ばすよ~人は飛べるんだ!」
 アユミ久々に~消しゴムを手のひらから出す。ポイッとマナブにパス!60…59…58…57…
  「なになにコレ!ホレ!イツキ!」
30…29…28…27……
  「なんでカウントダウン?ボクにパスしないで!マナブさん!包帯の若者をいたわって~」
ポイッとマナブに 15…14…13…12…11…
 「止めて止めて、アユミ!止めないと、逮捕する!」
ポイッと私に、5…4…3…2…1…顔色変えず、時間を止める。ゆっくり遠くに投げて解除!
   ボムッ!!!
  「良い迷惑だったわよ~マナブもイツキもリョウジの血なめてみれば?能力身に付くかもよ。」
  「良い迷惑は、ボクの方でした。アユミほぼストーカーみたいにつきまとって、ボムボム仕掛けて…」
  「死ななかったからいいでしょ。あれで私見つけてくれたんだから…結びの爆弾よ~今幸せだから良いじゃない~夕べだって!あなたのでーっかいベニスを、濡れ濡れの私のマンコに突き立てて、ピスト……うぐっ」
  「明るい青少年いるでしょ!ホレいいからいいから!」
  「……ふっぐーっぐ…ふぁふぁぐー」
天然だ。私の考えすぎでした。アユミは、天然のスケベだ。しかも自分に正直で、真っ直ぐなのに、ズレてるからたち悪い。人としては、良い奴なんだけどね…
  「地味だけど、カオリは、乗り物系初見でもすぐ扱える!リョウジは、乗り物の声が聞こえる…らしい…私達は、メカの達人が、擬人化する…あれだと思ってるけど、本人は、聞こえると断言してる。」
  「はー世界びっくりさん大集合からタレントになった方が…」
 「でよ~!この人数どこで寝る?…もーいーよ!お前ら好きにしろ。俺も好きにするから。でなーリョウジ~パーツ安く手にはいるの?」
 ヤッパリ、この2人も変わってる…変な私達をスルーした!長く付き合えそうだ。自分の話して、同情や怒って自分の意見押しつける人とは、付き合えない。コレって、上から目線だよね!
  予想外のボケや全くのスルー、これが、私には気持ちいい。猫との付き合い方の様。つかず離れず、うっとーしくなく、甘えたいときには、赦してくれる。私は、それが好き。
 解ってる…これぐらいがちょうど良い。
  「どしたの?トキ?」
  「いいのよ~ローズ…ほっておいてあげな…」
ハッと手をほほに…濡れてた…独りでこの国に来た、家族の無い私が、…スゴく憧れてた生温い平和な家族とも呼べそうな仲間が、出来てる…この人たちの笑顔は消したくないな~もっと賑やかにしたいな~
 

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