no.09-03

Am6:38 火曜日 【Kaisya】
柔軟体操しとけばよかった。筋肉痛が、体のそこら中で、……
「グーモーニン!ベーベちゃん!今日も元気で頑張ろう!」
ボコ 勢い良く背中はたかれる。コンノヤロー痛いんだってば!って目付きで睨んだら……
「おーソーリー。筋肉いたい?やんなかったの?まーイーけど。」
スキップしながら店を出て行く。本当にノー天気なヤツ。今日もワンプレート。野菜多目。ご飯は、おひつに目一杯。旨い。朝腹が減ってたのっていつぶりだろう。
「ヤッパリ若いよなぁ。ちゃんと次の日筋肉痛が出てるもんな。もう一つ、良く逃げ出さなかった。誉めてやるよ。」
なんでーいつも上から目線なんだ?チクショー悔しいけど飯が旨い。
Am7:58 火曜日 【ヤッパリ畑】
「おー今日もヨロシク!じゃー若いのは、昨日と同じことな♪後は、てびさらいじゃ」
痛い。けど昨日より苦しくはない。てびさらいって何だ?等と考える余裕もある。
パッとそっちの方を見ると、小川?水路の周りの草取りと、底の手入れだ。はー大変そうだ。しかしじいさんも、あの外人3人良く働くな。これ、金貰えるのかいい収入なのか?夢中で仕事してる割には、いい笑みで、談笑しながら仕事している。
「おー10時の休憩じゃ!」
今日も又、塩むすびに、お茶、漬物。ヤッパリ旨いここに来てからずーっと、食い物が旨い。今までは、不味い旨いで食べてなかった。腹が減ったら有るものを食う。そんな感じ。こんなに大勢で同じもつつくのもあまりなかったし。ましてや外……久しぶりに、気持ちがいいと感じてしまっている。
今日は、食い過ぎない。はら8分目……いくらバカでも、同じ過ちはしない。この後さ、昼飯…まさか又ねー♪と思いつつ仕事してたら、午前中が終わった。
「おーごくろーさん。助かったよ。ありがと。」
「……ん…ハア…まあじゃー」
嬉しかった。ありがとなんて、何年ぶりに大人から言われたのか。故についどぎまぎしてしまった。昼飯だ。
Pm11:58 火曜日 【Kaisya】
火はおきている。野菜と肉……切って無いね。包丁とまな板がある。
「んだよ!腹減ってるんだよ。」
「それで?」
「何で~作ってくれてない?」
「この材料で、そーだな…580円位かな?払うか?朝位は畑半日やってるからな……後2食はナーこないだの反省のためにここに要るのに、お前らにサービス出来ないだろ?」
筋は通ってる。
「出来てる物ばっか食ってたろ?母親のとか、売ってるのとか。もしそれらが無くなったら、お前ら飢え死にするんか?自分で喰うもん位何とかするのが、自立の一歩だと思うがね。」
「自立なんて……」
「好き勝手したいんだろ?自由になりたいんだろ?だったら一人で何でもできないとな。最低限生きて行くため。」
最低限ねー。
「それとも、親に食わせてもらって、こずかい貰って、学費出させて、屋根ある所に居させて貰って、なんだかんだ心配して貰って、その上で、自由だの自立なんて無いだろ。出来るようにならないとな。」
言い返せない。けど、言いなりにはなりたくない。でも、やれとは一言も言わねーんだよ。これだって、タマには痛くも痒くもない。俺達だって、1食食わないだけ……なのに、腹減ってるんだよ。きたねーよ。でも、確かに食えないと、基本か。
てか、どうやって切る?
「かてーこれ生!」
「不味い」
はらへってどうしようもない。仕方なく詰め込んで腹を満たす。俺らって無力…
Pm1:08 火曜日 【工場】
カンカン キンキン
はれ?うっすら髭が…まさか
「あーリョウジあれ初めると止まらないんだよ。ほとんど病気だね」
昼飯を下げに来た奥さん。この奥さん可愛い…ロリ系だ。こんな事、慣れてるらしい。一つも手をつけてない。疲労してるのは見てとれるけど、目だけは変わらず新しいオモチャを与えられた子供のよう。
ここまで夢中になれるんだ人って。俺らバイク好きだけど、ここまでは……
「コンチハ。どう?って…あー今メインイベントなんだ。こりゃ話になら無いね。」
を~BMW2ドアだ。スマートな紳士。でも、ヤンチャしてたんだろう雰囲気が。
「何?君たち。お揃いのツナギで。」
今までの事を話した。
「でこれ直すと。頑張れ!私?この車の依頼人。ベース車両探しからここまで、2年半かかったな。」
「何でこんなにいい車に乗ってるのに、これなんすか?」
正直、大きさからいうと、軽自動車のこの車。装備だって…
「ハハハ、便利だったらキャンピングカーだろ?速さならレーシングカー。快適で、ナンパに向いてるのは、このBMかな。これは、趣味いい言葉だろ♪趣味。大人になって、本気で遊ぶって結構恥ずかしいし、回りから見て痛いだろ?オヤジ見てみろ?気味悪いだろこの歳に成って、子供みたいに夢中で、仕事なのにこんなにのめり込んでさ。」
「ああ……まあ……」
「でも、羨ましいよな。好きなことして、必要とされて、飯食えるんだからこのデブは。」
ガランと鉄板をおいて、工場内の冷蔵庫にノシノシ自分は、ファイト一発で、お客さんは缶コーヒーを渡して一言
「デブデブ言うな。エンジン外して、モーターつけちゃうぞ!」
一気にファイト一発飲み干して又、寸分たがわず同じ位置に座りハンマーをうち下ろしてる。
「この車が可愛いのと、お前がデブなのは、世界の常識何だよ。これエコカーなんかにするなよな。」
「ふん」
スッカリお客さんというよりは友達だね。二人して口悪いし。オーナーさん、運転席座ったり、エンジン覗いたり忙しそうだ。
はっ!
気がついておもむろに乗ってきた車の助手席へ……あーカメラ…D4って、Nikonで一番高いカメラじゃん!広角~標準ズームがついている。パシャパシャ撮り始めた。二人して変態だ。
俺らは本日も、休憩時間。でも、柔軟体操している。筋肉痛押さえるためだ。
機械好きな一人が、工具握ったり、おっさん達の近くで見学してる。別に、何も強制しない仲間内なので好きにすればいい。
Pm5:57 火曜日 【Kaisya】
又1時間待ち…仕込みから見ている。ヤッパリプロだよな。皮剥きも、切り揃えるのも早いし正確だ。
ん?皮剥きも?切り揃える?
昼間の焼きそばこれが足りないんじゃないか?皮剥きしなかったし、大きさもバラバラ…ふーん
感心してみてる俺を見て、少しニヤケるタマ。
「んだよ!見てちゃいけねーのか?見るのも金掛かるのかよ!」
「インや~好きなだ見てろよ。タダだし。」
まだニヤケている。気がつかなかったけど、俺の顔紅くなってるようだ。熱ぽい。何故だろう。隣で、若い……幼い子も、良い音させて、大量の人参の短冊切りしている。ほー……ん?大きさ同じだけど、切った断面…模様が違う。
「嬢ちゃん、こっちとこっち、一つずつくれ。」
「別に、いいけど…嬢ちゃん、じゃなくて、ボクはローズ!アンダスタン?」
ああ、切ってる方向だ。繊維に沿って切るか、たちきるか。歯応え違うし。と気がついてるのをおみとーしのタマが、
「焼きそばなら、歯応えあった方が良いよな♪硬い物って、火の通り悪いんだ。大きな声の独り言。聞こえたかな?」
聴こえてますよ。ふん!明日こそ旨いランチにしてやる。だんだん趣旨が…体動かして、ありがと言われて、心地よく疲れてってしてたら、忘れてた。っつーかツッコミ処も無いくらい、ここの大人たちは真っ直ぐでアホだ。ここの店主の女……タマをはじめとして、車屋のオヤジ…リョウジ?畑の老夫婦と、外人さん。 学校の大人とは違う。誓約、規有るけど、ユルい。上から押さえつけるそんな感じはしないんだ。
「ただいま~これおお土産ねー♪」
誰この人?この人もここの住民?頼り無さげなスーツの男。
「又塩?何種買ってきたんだよ。お前の塩ボトルキープ…どーなってるか知ってるのか?」
「キープしてないよ~お土産だってば。使ってるでしょ?」
「速いよ帰ってくるの。お前のログ!ソコの青少年に勝手に貸してるんだよ。日曜までスペインじゃ無かったのか?」
「ボク優秀だもんあっという間に解決さ♪てか、勝手に貸すなよボクはどこで寝れば……」
カウンターの下から…ガサゴソ
「これ使え。寝袋貸してやる。この店の前で良いだろ?」
鬼!ハンモックじゃねーか。この男しばらく文句いって、じたばたしたが、結局タマ意見は変わらず……
「はー季節が良くて良かった。キット星が綺麗だろうな。まだ虫もいないし。まー………イーか。じゃー2食タダにしろ。」
「交渉成立♪ランチは払えよ!後、怪しい人が来たら、吠えて知らせること。」
「番犬かよ……」
なんだなんだこの軽さ。良いのか俺ら使ってて。と思ってると、カレー保温ジャーが、後、サラダとスープ。カレー…又かよって思ってたけど、味も香りも昨日と違う。ヤッパリ旨い。バクバク食っていると
「あー 気にすんな。好きにすればいい。最後に掃除してくれよ。ボク渡辺秀一郎ヨロシク」
「ウッス……ありがとー」
又…タマ…が、こっち見てニヤけてる。んだよ!

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