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イラスト覚書1

イラストで脳内のイメージをそこそこ形にできるようになってきたので手順を記録します。ほぼ完全に自己流で、人様にお見せするというよりはあとで自分で確認するために書くものですがどなたかの参考になれば。

0. 使用ソフト

フリーソフトのFireAlpaca(https://firealpaca.com/ja/)を使っています。軽いしpsdファイルが書き出せるし、漫画原稿用のガイドもあるし、かなり機能が揃っています。

1.下描き

真っ白のレイヤー1枚と透明のレイヤー1枚を用意します。

透明レイヤー上に太いペンで大まかな構図を取ります。特に理由はないのですが、なんとなく意識しやすいのでめっちゃ赤で描くことが多いです。

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このレイヤーの不透明度を30%くらいにして、レイヤーをもう1枚増やし、今度は水色でキャラクターのポーズと身体を詰めていきます。要所要所の骨格と筋肉は意識しますが、全体的にまだよく覚えてないので要練習。この時顔と身体の正中線を定めます。顔の正中線が決まらないと眼を置けません。

目のアタリは四辺が緩い弧になっている長方形でとると描きやすい気がします。目元のデザインはキャラごとにあらかじめ決めてあります。

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レイヤーを増やして、ペン入れ時と同じサイズのペンで服とか髪とかのガワを着せます。このとき手間をかけるほどペン入れが楽になります。背景もおおまかに描いておきます。目元はこの段階で確定させます。


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このキャラは騎士という設定で、甲冑などの装備品を描くにあたっては渡辺信吾(ウエイド)著/ジェイ・エリック・ノイズ(キャッスル・ティンタジェル)監修『西洋甲冑&武具 作画資料』(玄光社、2017年)およびゲーリー・エンブルトン著/浜崎亨訳『中世兵士の服装』(マール社、2013年)を参照しています。中世ヨーロッパ風のファンタジー絵を描く人はさしあたりこの2冊が手元にあればなんとかなると思います。

2.ペン入れ

人物のペン入れからします。今回は主線に加工を入れるつもりだったので彩度高めの青にしました。

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この段階でまだ背景がよくわかんなかったので太いペンでがりがり詰めます。ここでキャラの足が小さいなと思ったので描き直しています。


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この段階で主要な彩色プランを決めました。だいたいわかればいいので雑です。あと飾り枠をどう使うかもここで決めました。この美しい飾り枠はTwitterで知り合ったソルリエスさんという方(甲冑を描かせたら右に出る者はいない)の作品で、ソルさんにはこの画像を送り付けて「こうやって使うけどかまへん?」と尋ねて快諾していただきました。

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人物と別レイヤーで背景のペン入れをします。なんとなく主線の色も分けていますが、これは別にしなくても良かった。根っこがいちばんつらそうだったのでそこから手を付けています。

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こうなります。

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ここで主線の色は分けなくてもいいなと気が付いたので同系色にしました。

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今は秋屋蜻一さんの作品が掲載されている雑誌を集めており(いま好きな画家を3人挙げろと言われたらオーブリー・ビアズリー、トワイヤン、そして秋屋蜻一と答えるでしょう)、『アスタリウム旅行記』などで主線に鮮やかな色調のグラデーションを入れているのがすてきだなと思ったので自分でもやってみます。

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こういうグラデーションのレイヤーを作り、主線部分に合わせて切り出します。主線レイヤーを選択した状態で「選択範囲>レイヤーを元に作成・不透明度」で主線部分のみが選択されます。この選択範囲を反転させ、グラデーションレイヤー上で切り抜くと主線部分のみが残ります。これをオーバーレイで主線レイヤーに重ね、適当に不透明度を調整していい感じにします。

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3. 彩色

主線レイヤーの下のレイヤーにベースの色を塗ります。月の模様の処理は後で忘れそうなのでここで確定させます。

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白と黒のグラデーションレイヤーを作り、オーバーレイでさらに合成します。

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こうなります。

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主線が明るすぎるので暗くします。乗算レイヤーで人物にのみ陰影を入れます。

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加算・発光レイヤーでハイライトを髪、目、刀身にごく控えめに入れます。

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あとはテクスチャと飾り枠を重ね、塗り残しをつぶしたり気になるところを調整したりして完成。

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