課長への手紙 #3

前略

今年も残すところ後一ヶ月を切りました。

課長は去年、今年と、いずれも異動の年でしたね。正に激動のと言うに相応しい目まぐるしい一年だったのではないでしょうか——実際のところ、どんな年でしたか?

私にとっては……

実は先月、仕事でミスをしてしまい、柄にもなく落ち込んでおります。不注意というか、慢心があったのかもしれません。悔しいです。

今年をこんな気持ちのまま終わらせるわけにいきません。気を引き締めなければ。課長に顔向けできません。

お会いする機会もないので顔向けも何もというところですが、言うなれば心の中の課長に対してです。

おまけに——おまけに? いろいろな方に迷惑をかけてしまいました。おまけと言うよりむしろこっちが本体でした。思いのほか関係者が多く、実にたくさんの人に支えられて仕事をしているのだなあと、改めて思い知らされた次第です。

そんなまるで新人のようなフレッシュなことを、素朴な愚かさの見本のようなことを今更ほざいているのもお恥ずかしい限りです。

課長がいてくれたらそれで十分、それだけでパーフェクト、そんな戯言で頭が一杯な私でしたが、ああもう、さすがに新人未満です。やり直しです。そんなやつ。

ふぅむ。

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