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供託金について

こんばんは。今日もお疲れ様です。

供託金とは

7年まえの2013年7月27日、私はその前の月に実施された東京都議会議員選挙に立候補して落選しましたが、「供託物没収点」以上の得票があったので、供託金が戻ってきました。

供託金とは、公職選挙に立候補する際、預けるお金の事です。

供託金でYahoo検索すると、6年前の記事が上位に出てくる有様で、政治の世界は本当動きがないと実感できます(笑)

2014年の都知事選では、16人が立候補してそのうち12人が供託金を没収されました。
都知事選では供託金は一候補あたり300万円払わないといけないのですが、全有効投票者の10%の得票を得ないと没収されてしまいます。

都議会議員選挙では、供託金は60万円です。
選挙によって金額が違うので、上記のニュースから一覧表を拝借しました。

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私が、上で「供託物没収点」と呼んでいるのが、この表の供託金没収ラインです。

供託金納付書類

一般の人にはほとんど目に触れる事がないと思いますので、その時の書類を話のタネにアップします。

選挙自体は総務省の所管ですが、供託金を預かるのは法務局になります。
下の画像が、その預かり証になり、これを選挙管理委員会(選管)に提出します。

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納入は、現金で納入します。法務局の窓口には、「お釣りのないようにお願いします」と掲示されていました。
最低1万円単位ですので、どうやったらお釣りが発生するのか見当つきませんが(笑)
法務局では、外国人の方が日本国籍を取得したい場合にも手続きに来るので、その際の手数料は1万円単位じゃないのかも知れません。

選挙後に送られてくる書類

私はいわゆる落下傘候補でしたので、上記の住所は選挙後早々に引き払ったのですが、選挙後のバタバタの最中にもなんとか郵便局にしっかり転居届を出しておいたおかげで、選挙後の書類はうまく自宅に転送されてきました。
実は納入の際、自宅近くの法務局に提出して納付した方が、落選したときのことを考えるとその方がいいという知恵を授かり、でも資金繰りに余裕がありませんでしたので、公示直前まで納付せず、おまけに自宅近辺に戻る暇すらなかったため、代理の人に行ってもらいました。

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「供託原因消滅証明書」は、何やら難しい日本語が書かれていますが、選挙が終わり、当該立候補者(私)が法定の得票を得たのでこの供託金は没収されない(立候補者に返還してよい)、という証明で、選管が発行してくれます。

2014年の都知事選では、16人中これがもらえたのはたった4人だけだった、という訳ですね。

供託金の返還は、小切手!?

さて、この証明書に、返還請求書を付して法務局の窓口に持って行くと、供託金を返してくれます。

納めるときは現金で納めるのですが、法務局は自分とこの金庫にしまっておく訳ではなく、日銀代理事務を執り行う金融機関の口座に入金しておくようです。
まぁ、入金しておくと言っても、役所と銀行では役所の方が偉いですから、銀行の人が集金に来る、ということになります。
なので返還は、現金ではなく口座振り込みか、小切手(!)での返還となります。
口座振り込みには1週間程かかる、と民間人としては理解不能な説明を受けたので、その場で小切手を作ってもらい、受け取りました。

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12円は利息です。利率も民間と比べてかなり低い(笑)ですが税金からなので、よしとしましょう。
しかし、その後、ご高尚の通り日銀のゼロ金利政策によって市中金利もほぼ同レベルになりましたので、今立候補すると、市中より有利に運用できるかも知れませんw
どうせ、この金利も法令で固定されていて、市中金利には連動してないでしょうから。

また、この小切手に表示してある通り、日銀代理事務を執り行う金融機関は、本件の場合はみずほ銀行八王子支店でした。
この法務局の事務所が入っているビルの、目と鼻の先に別の支店があるのですけど、わざわざ電車に乗って30分かかるところの支店で扱っているとは、なんとも、です。

しかし、振り込みに1週間もかかる、というのは、つまり紙ベースで書類を作成して金融機関に郵送し、それを処理してもらうからでしょうね。

民間金融機関で10年システム担当だった経験から一言言わせて頂くと、日本の決済制度は米国由来の小切手なぞ使わなくても、もっと迅速・正確に資金の決済が出来るところが金融先進国としての最後の強みです。

20世紀までは。

で、この四半世紀はクレジットカード決済が進展し、インターネットでのECもそれに乗っかる形で発展してきましたので、量的にはそこを自慢しても、もはや仕方のないレベルであります。

また、今般の定額給付金支払いで露呈した通り、振り込みデータ作成ではPCが使用されて照合作業が目視確認で進められましたが、米国ではとっくに小切手発行から脱却して、公金の銀行口座振り込みが先行してました。

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申し上げたかったことは、振り込みもPCでやったらどうなんですか、ということです。
21世紀になって20年が経ち、今時役所でそんな事も出来ない国は、アジアでは北朝鮮と日本の2か国くらいです、きっと。
7年前、行政では、まだこんなレベルなのか、と膝が崩れ落ちた、というお話しでございます。

品川区で目視確認してるというこの画像を見た時には、息を飲み込んだまま、もう頭から倒れてしまうところでしたよ(笑)。

次に給付金を全国民に配布する時には、少しでも進歩があることを切に望む次第です。

で、この小切手を見て、一番気になったのは、「供託官」という、専門の役に就いている人が法務局には居る、ということです。
その方は、普段選挙がない時は、どんなお仕事してるのでしょうか。
ちょっと背筋が寒くなります。

裁判所だと、不動産の供託金の収受業務とかがあるのですが、法務局はどうなんでしょうか。
謎です。

では、また明日。

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